象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

スポーツの秋?〜真夜中の訪問者”その89”

2021年11月23日 15時15分48秒 | 真夜中の訪問者

 スポーツの秋という事で、どのテレビ局もスポーツの話題で満載だ。
 満場一致でMLBのMVPを受賞した大谷翔平のドキュメンタリーは、野球ファンの私ですらウンザリする程に流し続けられている。
 勿論、スポーツは野球だけではないし、今年世界で活躍した日本人は大谷だけではない。
 長引くコロナ渦の中、強引に開催した東京オリンピックが肩透かしに終った事もあってか、今年の日本列島を大谷が全て覆い尽くしたのは確かだろう。

 昨今はプロアマ問わず、雑多過ぎる程の多種多様なスポーツがTVやネットや動画を賑わせ、群雄割拠する時代である。
 ”スポーツにはウンザリだ”と言える筈もないが、あまりに露出がすぎると過疎化したグルメバラエティや廃棄処分化したポルノと同じで、消化不良を起こしてしまう。


スポーツの秋?

 何でもそうだが、程々が一番いい。
 スポーツもオリンピックも同じで、程々だから我ら国民はそれらを娯楽や趣味や息抜きとして支持してきた。
 活字を読めとか、数式に強くなれとは言わないが、”読書の秋”という言葉は何処へ行ったのか?まるで、”食欲とスポーツの秋”だけが独り歩きしている。
 せめて、”秋の数学週間”なるものを日本政府は設けて、今や衰退途上国ニッポンの貧相なる島民は、(国力としての)数学力を最低限は身につける必要があると思うのだ。

 スポーツとはその語源と同じく、健全な精神と健康を保つ為の”暇潰し”である。
 勿論、(私みたいに)頭や学問で勝負できないから(手っ取り早く大金を稼げる)プロスポーツで勝負するという気持ちも解らなくもないが、プロの世界で活躍できるのは(才能とチャンスと運に恵まれた)ごく一部のアスリートだけで、それも若い時だけである。
 今は飛ぶ鳥を落とす勢いの大谷翔平だって、来年はどうなるか?は全くの不透明である。
 更なる進化どころか、選手生命を棒に振るレベルのスランプや怪我に見舞われるかもしれないし、ひょっとしたら今年が生涯最高のシーズンなのかもしれない。
 つまり、スポーツとは人が思うほど華やかな舞台ではなく、黙々と自己鍛錬を続ける修行の一部なのだろう。
 一方で、学は(スポーツと異なり)バカでもやれば上達する。純文学や数学が苦手なら、そのまま書き写せばいい。いやボーッと眺めてさえいれば、不思議と頭に入ってくるのが学問でもある。


レオタード姿で大暴れ

 そういう事で、(野球観戦が大好きな)私は晩酌をしながら日本シリーズを見ていた。
 若干20歳の奥川の好投もあり、非常に見応えのあるゲームだった。こういう試合なら何度見ても飽きない。
 つくづく日本は(奥田英朗氏が言う様に)”野球の国”だなって痛感する。
 お陰でほろ酔い気分になった私は、そのままベッドに寝込んでしまった。

 夢の舞台は、真っ暗な私の部屋であった。
 子供たちの声がして、目が覚める。
 何と二人の男の子が、女子体操のレオタードを着て悪ふざけしてるではないか。
 夜中のこの時間にである。
 ”こんな時間にお前らは何してんだ!普通なら寝てる時間だろ!”
 注意しても、彼らは無邪気にはしゃぎまわっている。

 ”じゃ、おじさんは何してるの?こんな時間に。ただ寝てるだけなの?”
 子供には、全く悪びれた様子はない。
 私は彼らの住所を聞き出し、車に乗せ、帰宅させた。
 家に送り届けたら、親に一言文句を言おうかとも思ったが、何事もなかったかの様に呑気に振る舞う子供たちを見てると、少し気を削がれてしまう。
 ”今の子供たちは、(昭和世代の我らと違い)外で思い切り遊び回る機会なんて殆どないだろうかもな”と、彼らを哀れに思う自分がいた。
 私は子供たちに”親には迷惑を掛けるなよ”と軽く会釈をして、その場を過ぎ去った。
 帰宅すると、私はすぐに床についた。
 しかし暫くすると、1階の車庫でガシャンと大きな音がして、再び目が覚める。

 ウンザリした私は下に降りて、車を見た。
 驚く事に、右側のドアが大破してるではないか。シャッターは開いたままで、すぐさま外に出ると、先程の子供たちが逃げ去っていくのが見えた。
 ”多分、奴らに違いない。全くふざけたガキ共だ”
 追いかけて捕まえて、警察に付き出そうとも考えたが、ショックの方が大きかった。お袋の葬儀が終わり、少し落ち着きかけた時だっただけに、不思議と落ち込んでしまった。
 ”ああぁ〜修理費に幾ら掛かるんだろうか?”
 そう思うと、益々鬱になってしまった。
 そしてその時、夢から覚めた。


”プレイグラウンド”

 ”スポーツの秋”という事で、約2年にも及んだコロナ渦により外出や野外での遊びを自粛してた子供たちの鬱憤が、一気に爆発したのだろうか?
 確かに、今回のコロナ渦で一番の被害を受けたのは、我ら大人ではなく子供たちかもしれない。成長の過程で一番大事な時に、家に閉じこもるというのは脳にも精神にも健康にもよくないのは明らかだ。

 夢に出た子どもたちは、ごく普通の小学低学年の男児だった。もし私が(ビルゲイツみたいに)小児性愛者だったら、子供たちを自宅に監禁し、懲罰を与え楽しんでただろうか。
 しかし、成熟した女には未だエロい妄想を抱く私も、夢の中での子供の暴走には理解できる部分もあった。
 例えば、ハロウイン祭りでふざけ回る子供たちを”お前ら近所迷惑だ”と叱る事が出来ないように、それがストレス発散の限られた機会なら、大人は大目に見るべきだろう。 
 勿論、これがいい歳した親父がお祭りという事で羽目を外したら、鉄槌を下す必要もあろうが。

 子供たちは今、我々大人が思う以上にストレスが溜まってるのかもしれない。LINEやインスタやツィートなんかの口先だけの薄っぺらなコミニュケなんて、本当は用なしなのかもしれない。
 子供たちに今一番必要なのは、無邪気に自由にはしゃぎ回れる”プレイグラウンド”(遊び場)なのだろう。

 因みに、写真は”バスケットの神様”と評されたMichaelJordanのミュージックビデオ「PlayGround」(1991)である。
 私はこのビデオを見て、まるで”空を飛んでる”気分に浸った。スポーツがここまで人の心を高揚させ、躍動させるものかと我が目を疑ったものだ。
 ビデオに映し出されるジョーダンの全ては人類の領域を遥かに超えていた。”神様の仮の姿をした・・・”と言われたのもこの時期だったろう。
 今の子供たちが、このビデオを見たらどんなため息を漏らすのだろうか?
 ”ジョーダンは空を飛ぶんだよ!信じてくれないけど、本当に空を飛んだんだ”



2 コメント

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Unknown (びこ)
2021-11-23 17:47:59
一番あらまほしいのは読書の秋ですが、スポーツの秋も悪くはないかもです。食欲の秋も食べすぎるのはよくないですが、まあ目くじらを立てることはないでしょう。一番困るのはビル・ゲイツの性欲の秋?笑
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ビコさん (象が転んだ)
2021-11-23 20:49:47
コメント遅れてスミマセン。
ビコさんが駐輪場で倒れてから、数時間後に書かれたんですよね。
食欲の秋は勿論のこと、健康の秋でもありますね。
そういう私は香典返しの品を探しにデパートに行ったんですが、ドコモの営業に長々と付き合わされました。
家に帰ってブログを見たらビックリでした。男って旦那も含め、こういう時には当てにならないんですよね。
でも無事で何よりホッとしました。
第6波のコロナも含め、今年の冬は特に用心すべきですね。勿論、私もですが。
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