貧乏は怖くない？〜貧乏を怖れる事の本当の怖さとは〜

　沢木耕太郎さんの｢深夜特急2〜マレー半島•シンガポール編｣だったか。ある貧しい出の娼婦が､屈託のない陽気な笑顔で語った言葉に､”死ぬより怖いのは､貧乏よ”というのを覚えてる。

　女って､男とは考え方や思考の仕組みが違うんだなって､痛感した。ひょっとしたら､女性の”現金な思考”こそが貨幣社会を､資本主義を支えてきたのかもしれない。

　勿論､売春行為が全て悪いと言うつもりはないが。肉体を売るという行為は､ある意味､魂を売る行為と同じで､とても危険な最終手段と捉えるべきではないか。

　と同時に我ら男も､お金の為だけに自分という労働力を売る。
　勿論､女を買う側の男に､そんな事を言う権利はないのだが。自分を売るという点では､両者とも同類だろう。

　でも､こんな事を今の女性に言えば､”アホクサ〜”と一笑に付されるだろうか。

 

身体を売るという事

　男だって､生活の為に身体を張り､生計を稼いだと言うと､一端の美談には聞こえる。

　女性でも､周りが羨む様な美貌と肉体を兼ね備えてれば､売春行為も立派なプロとしての職業だとは思う。そこに､追い詰められた女の悲壮感なんて､微塵も欠片もない。しかし､売る側も買う側も選択の自由はある。

　｢高級エステ｣でも､本番はダメとしながら､万札を差し出すとアッサリ応じてしまう。”ダメよダメよ”も､立派な金になる仕事の1つだ。

　結果､本番を強要する側も受け入れる側も自滅する。結局､売春とは本質的には”自滅行為”なのか。

　短期的に短絡的に見れば､風俗や水商売の方が効率よくお金を稼げる。しかし､30過ぎた彼女たちの行く末は､決まった様に悲惨だ。
　そういう事が解ってても､ヒトは効率よくお金を稼ぎたがる。

　そう”自壊”という生き様は､彼ら彼女らの為にある。

 

貧乏の何処が悪い？

　多少貧乏でも､派手な職種でなくとも､堅実な暮らしを送る女性の方がずっと魅力的だし､傍から見ても理想な生き様に見える。
　逆に､周りが羨む様なカタカナ系の職業は､見た目が全てだけに､慢性化したセクハラやパワハラが待ち構えてる。
　そして､決まった様にその犠牲になる。”Me Too”と訴えても､笑いものになるだけだ。

　そういう私も､美貌系の女性活動家や著名人を見ると､勘繰る所がある。そしてそれは大半が当たってる。

　大半の女性はメディアが称える様な仕事に憧れる。キャスターなんかその典型だろう。しかし､30過ぎた彼女たちの顔をよく見るがいい。ごく普通の30代の女性よりも明らかに劣化してる。
　心の卑しさは､必ず顔に出る。滝クリやアグネスなんてその典型だろう。

　ただ､大半の女性が感じてる”貧乏は死ぬより怖い”という思考が蔓延すれば､思考は貧しくなる。思考が貧しくなれば､心は卑しくなり､人相も生き様もガサツになる。

　それでも､我らサピエンスは､”貨幣の奴隷”となって生き延びる事は可能なのか。

 

自分を売るという事

　お金は必要だ。生きるにも病気を治すにも､人生を楽しむ為にも､国家が国家であり続けるにもお金は不可欠だ。勿論､死ぬ時もお金は必要だ。
　そう､ヒトはお金が掛かる様に最初から出来てるのだ。

　人が言う様に､”お金こそが全て”かもしれない。そして､お金が全て的な人種が､金銭至上主義を更に加速させる。

　こういったアメリカ的富の行く末は､夢でも現実でもなく､民主的でも平和でもなく､単なる自壊と廃墟なのか。

　地球上の全ての人類が､金の為だけに”自分を売る”のを断念したら､サピエンスの殆どは貧乏に陥るだろう。
　貧乏に怯え､貧窮に打ちひしがれ､ヒトは絶滅するのか？いや､人類を浄化するチャンスとして生まれ変わるのか？
　
　目先のいや､遠い未来の富の為に自分を売れば､そこに待ってるのは”死滅”しかない。それだけは言える。

　貧乏を怖れる事こそが､貧乏よりもずっと怖いのだ。