”ひらめきとは異なるものを関連づけできる能力です。<アイデアをゼロから作り出す>事をイメージする人が多いかもしれない。が、誰でも思いつく事を誰もが思いつかないやり方で結びつける事がひらめきの本質です”
こう語るのは、河合塾講師の池田洋介氏である。
これは数学の解法にもあてはまる。
難解とされる数学の問題でも、多くは基本的な事柄の組合せ。つまり、難題と既に知られてる事柄を結びつけられるかに掛かっている。
数学において大切なのは、”異なるものを関連づける”能力だと僕は思います。
以下、「ひらめき力の鍛え方(正解への突破口を切り拓く)」を参考に主観を入れて纏めます。
知識は結びつけよう
点にすぎない(バラバラな)知識を線で繋げる事を、知識のマッピング(地図化)と呼ぶ。
数学が苦手な人の頭は、様々な解法が単に丸暗記され、雑然と散らばってる状態にある。しかし、数学が得意な人の頭は、知識が分類&関連づけされ、巨大なクモの巣のような地図(ネットワーク)になっている。
知識が綺麗にマッピングされれば、覚える事は遥かに少なくて済み、ある問題を解くに最短距離で辿り着く事ができる。また、ある知識から連鎖的に幾つかの知識を呼び覚ます事も出来る。
故に、”閃き”が起き易い状態になってるのだ。更に(これが重要な事だが)、新しい知識を得た時、それが”知識の地図”のどこに配置されるべきか?いわば新しい知識の置き場所がすぐにわかる。
これにより、新しい知識が(水を吸収するスポンジの様に)吸収され、頭の中では知識のマッピングが始まる。そうやって、お子さんの学力は飛躍的に伸び始める(多分)。
つまり、いたずらに勉強するだけでは専門バカになるだけだが、得た知識を上手にマッピングすれば、知能を向上させる近道を得る。
天才の脳内アルゴリズムは知識のマッピングにあったのだ。知識を整理・整頓し、脳内の地図帳を作り、知識をアイデアや閃きに結びつけ、自在に操る。
専門バカになるか、”閃きの達人”になるかは、アナタ次第なのだ。
数学はミニアルの学問である。最小限の労力(知識)で最大限の効果を上げる事が、数学には求められる。
一方で数学には、延々と続く気の遠くなる様な厄介な計算が求められる。そんな中で莫大な量の知識を1つ1つ整理するのは不可能に近い。
数学の専門知識だけを振りかざす専門バカになって人生を終えるのか?多種多様で斬新な閃きやアイデアを駆使し、人生を明るく過ごすのかは、やはりアナタ次第なのである。
つまり、数学には何の罪もない。が、ガウスの様に考える事はできる。
物事は小さく考えよう
問題は小さくして考えると”ひらめき”が生まれる。
数学のひらめきの例として、ガウス少年のエピソードは有名である。
”1+2+3+4+・・・+100を計算しなさい”という宿題を少年は一瞬で正解を出した。
一体どうやって計算したのか?
まず、足す数の個数を減らして、(例えば)1+2+3+4+5+6を考える。そこで大きい数と小さい数を順に足すと、1+6=2+5=3+4=7。
つまり、和が7のペアが3組できるから、7×3=21となる。
これはペアが100個でも同じで、1+100=2+99=・・・=50+51=101。つまり、101になるペアが50組出来るから、101×50=5050と正解が導ける。
100個の足し算を僅か1つの掛け算に結びつけた天才少年の閃きとも言える。が、この閃きも数を小さくして考えれば、天才でなくとも理解し得るものである。
つまり、ガウスになれなくとも、ガウスの様に考える事はできるのだ。
いきなり大きな数で物事を考えるのは困難だから、問題を”手に取れるサイズ”まで小さくする。つまり、物事を"具体化"する事で様々な考察を可能にする。そこで小さな考察がより大きな数に適用できないかを考える。
小さい事から始め、具体化して考え、それを大きな数に適用し"一般化"するのも、数学の定石の1つである。
どんな鮮やかな解答の裏にも泥臭い試行錯誤がある。閃きはタダでは降りてこない。まずは鉛筆を動かし、具体的に考える事が先決なのだ。
数学ができる人ほどその事の大切さを知る。出来る数学者ほど、手を動かす事をいとわない。
そこで、物事を小さくして考えれば、簡単に解ける問題を考えよう。
”1番から100番までの番号が付いた電球があり、各電球にはスイッチがある。スイッチは押す度に電球のONとOFFが切り替わる。
全ての電球がOFFの状態から始め、以下の操作を順に行う。
1の倍数の番号の電球のスイッチを全て押す。
2の倍数の番号のスイッチを全て押す。
・・・
100 の倍数の番号のスイッチを全て押す。
全ての操作が終わった後、ONになってる電球は何個あるか?”
これもいきなり100個では不可能だから、まずは10個で考える。
電球がONになるのは、押された回数が”奇数”になる番号の電球で、この場合は1と4と9の3つ。この1と4と9は平方数であるから、更に表(上図参照)を観察すれば、ある事に気付く筈だ。但し、勘のいい人はこの時点で、以下の正解を導けるだろう。
例えば、8の電球のスイッチが押されるのは1と2と4と8の倍数のスイッチが押された時で、1,2,4,8は8の約数となる。更にこの事は、どの番号の電球にも言える。
つまり、”スイッチが押された回数”は、その電球の”番号の約数の個数”と一致する。
後は、”平方数の約数の個数だけがなぜ奇数になるのか?”という理由を探せばよい。
一方で約数は、かけ算の形で表せば、必ず2つ1セットで登場する。だから基本的に、その個数は偶数となる。例外は(平方数の様に)最後に同じ数の掛け算が出る時で、この時は約数の個数は奇数となる。
例えば、12=1×12=2×6=3×4となり、12の約数は1,2,3,4,6,12の6個で偶数。しかし、16=1×16=2×6=4×4となり、16の約数は1,2,4,6,16の5個で奇数となる。
これが、平方数の番号のスイッチだけが奇数回押され電球がONになる理由である。
故に、これを100個の時に適用し、1〜100の中で平方数は、1²、2²、3²、・・・、10²の10個より、ONになってる電球は10個(正解)となる。
但し、これは簡単な例だから、一般化しても成り立つが、具体化が一般化にはならないケースはいくらでもあるので、注意が必要である。
おまけ〜数学はエレガントである
この問題は、”約数の個数”というオチに如何に早く気付くかが全てである。その為には”物事を小さくして考える”事がその近道(閃き)を示唆してくれるのだ。
前述の池田氏は、高校時代に感銘を受けたと漏らすもう1つの問題も取り上げている。
”平地に3本のテレビ塔がある。一人の男がこの平地の異なる3地点A、B、Cに立ち、その先端を眺めたところ、どの地点でもそのうち2本が重なって見えた。この時、<A、B、Cは一直線上になければならない>この理由を述べよ”
数学音痴の私には、この手の論理系は全くのお手上げである。難しいのか簡単なのかすらもわからない。で、どうやって解くのか?
そこでとりあえず(頭が動かないなら)手を動かそう。
まず、塔の先端をP、Q、Rとする。PとQが重なって見える場所をA、QとRが重なって見える場所をB、RとPが重なって見える場所をCとするマップを描く(下図参照)。
故に、この3点A,B,Cが同じ直線の上にある事を示せばいいとなる。
つまり、何も解らなくても図を描けば何とかなるのが数学でもある。もうここまで来れば、正解は目の前にある。
正解はこうだ。
塔の先端(P、Q、R)の3点を通る平面を考えると、A、B、Cはその平面の上にある。また男が立ってる平地上にもあるので、(男が立つ)3点は平面と平地の交線となる直線上にある。
つまり、描いた図そのものが答えになってたのだ。何とエレガントなオチだろうか。
これこそが、数学の美味しい世界なのである。
確かに呆気にとられるよね。
多分、答えから逆算した問題ではないだろうか。
3点を結んだ平面と交差する直線上の3点。
オチにしては出来過ぎだと思うけど。
どうしても時間制限があるので、言われるような”(答えから)逆算した”問題になるんですかね。
解法のツールにひっくり返して考えるってありますが、これもまた”逆算の思考”とも言えるんでしょうか。
コメントありがとうございます。
”ミニマル”ではないかしら
ジョブスもミニマリストだったらしいけど
iPhoneの絶え間ない美しさは
シンプルな数学的思考がもたらす
美しさにあるのかな
でも平面の上に直線を引くだけで
答えが出るって
とってもロマンチック^^;
ご指摘助かります。
数学は手を動かしてナンボの世界でもあります。
この問題の様に、図を描いて考えれば、抽象的な問題もあっという間に解けてしまう典型ですよね。
コメントありがとうございます。
結びつけるものなんですね。
一番目の問題は電球のオンと平方数を
ニ番目の問題は平面と直線を結びつけて答えを出してます。
こんな数学なら何とかついて受けそうですが
話は変わり
大谷の股関節の痛みは尾を引きそうで
打つ方はともかく投げる方は無理っぽです。
今シーズンはケガとの戦いになりそうですね。
2番目の方が具体的でわかり易いですよね。
1番目は平方数や約数とかの知識が必要になる。
しかし閃きを研ぎ澄ますには、ありとあらゆる数学の法則(知識)をストックする必要があります。とにかく気の遠くなる様な作業ですよね。
大谷の怪我の件ですが。
今日は大事をとってベンチスタートみたいですね。
常に前しか見ない選手だから、こういう時は慎重に慎重を帰さないと・・・
やはり昨年の疲れやダメージは出てきますよね。
明日のボストンでの先発回避は決まったらしいです。
今日は代打でしたが全力とは行かなかった。
以前から違和感のあった場所らしく、ストレッチの際に気にするしぐさを見せてたそうです。
言われる通り、頑張れば何でも乗り越えれるってタイプの”前しか考えない”選手の怖さでもありますよね。
以前から大谷の一塁までの全力疾走には
何もそこまでって違和感ありましたが
それに開幕序盤から疲労に関するコメントは多かったですが。
股関節や内転筋の怪我は長引くケースが多いんで、ここは安静にしてほしいです。
今日も代打に出たらしいですが、こういうのが余計なんですよね。
大谷も30歳に近づくにつれ、体力は落ちるばかりなので、くれぐれもお気をつけてですよね。