正直、この理不尽な侵攻劇が2ヶ月以上も続くとは、いや狂った”プーチン劇場”をここまで見せ付けられるとは思ってもみなかった。
”カネはなくとも武器はある”というプーチンの開き直りかもだが、(韓国よりも低い)ロシアのGDPが事実なら、既にウクライナ危機は終わってた筈だし、ウクライナ侵攻もなかったかも知れない。
国連は動かないし動けない。頼みのアメリカも物資を送るだけで動こうとはしない。EUも天然ガスをストップされ、身動きすらとれない。
こんな毎日が重苦しい展開の中、ニュースやワイドシューでは、ロシアに対する経済制裁やSWIFT制裁では、プーチンを追い込めるのか?疑問視する声もあった。
また、追い込めたとしても5年10年先の中長期的な視座で眺める必要があると。
つまり、経済制裁でロシア国民を追い込めても、プーチンを含めた一部の富裕層は追い込めないという事なのか。
その間にロシア軍は、東部や南部だけでなく北部からも無差別破壊攻撃を増している。ウクライナの各都市は原爆を投下直後の焼け野原のようなあり様だ。
プーチンの誤算も追い詰められたロシア軍も困窮するロシア国民も、全てはフェイクだったのか?
ただ言えるのは、いつの世もどんな世も弱い立場の民間人が犠牲になるという事だ。
経済制裁は本当に有効だったのか?
それでもバイデンは(武器の補給だけで)軍隊の直接投入を渋っている。
この弱腰にも見える消極策が勝利に結びつくかは不明だが、民間人の被害は益々膨らんでる事は確かである。
プーチンからすれば、”この老いぼれに何が出来る”とタカを括ってる様にも見える。
ウクライナの志願兵とても、所詮は素人である。それも僅か3日の訓練だけで軍服を着せ、戦地に投入する。
彼らの母親は決まった様に言う。
”バカ言わないで、今はじっとしてるべきよ”
私も同感である。(戦争屋の)プーチンにとってウクライナ義勇兵は(勇者ではなく)単なるカモである。
これ以上”祖国の死”を出さない為にも、(長期戦を据えて)欧米側はまず退避路を整備し、民間人の安全を確保し、ロシアと対峙するチャンスをじっと待つべきだろう。
一方で、ゼレンスキーにも”これ以上国民を盾にすべきじゃない”との非難がないとも言い切れない。
このままダラダラと戦ってゼレンスキーに勝算はあるのか?
それとも(微笑みすら浮かべる)プーチンの狂気に誤算はないのか?(物資を送るだけで)何も出来ずにいるバイデンに焦りはないのか?
いや、それらが今回のウクライナ危機を混沌とさせてるのかもしれない。
一方で、輸出額では天然ガス(世界1位)と石油(同2位)、小麦(同1位)とエネルギーや穀物資源を豊富に持つロシアへの、制裁強化に伴うエネルギー供給への打撃とエネルギーや穀物の価格高騰の影響は、(全世界だけでなく)我が日本にとっても深刻な驚異である。
最終兵器?とも言われたSWIFT制裁。
つまり、ロシアの主要銀行をSWIFTから排除するという衝撃的な措置は、2/26に発表されてはた。
直後の日本の金融市場では、株式や為替市場(ドル円レート)などは比較的安定を維持。ロシアとウクライナの間で停戦が合意されるとの安易な期待が、金融市場の混乱を食い止めてはいた。
が、3/4にロシアがウクライナ原発を攻撃した事により、市場は騒然となり、平均株価は800円以上値下がりした。
一方でルーブルは2/28、119ルーブルと史上最安値を付け、ロシアがウクライナ侵攻を決めた24日の90ルーブルから大きく急落。もはや通貨危機の状況である。
SWIFT制裁には多少の”抜け道”はあるが、ロシア中央銀行の経済制裁は遥かに強力であると”木内登英氏のコラム”では語られてた。
が、この2月末の予想もどうやら外れそうな予感もする。(長くなりますが)以下、一部抜粋です。
SWIFT制裁とロシア経済
SWIFT制裁が、ロシア経済にどの程度打撃を与えるか?は、その具体的な措置が明らかにならないと評価できない。
今回は一部の銀行のみがSWIFT制裁の対象だが、エネルギー関連の貿易決済を担う銀行が対象から外れれば、世界規模での経済的な打撃はそれほど甚大ではない可能性がある。28日の原油価格が大幅上昇を免れてるのはその為である。
しかし、SWIFT制裁の対象範囲いかんに関わらず、制裁の対象となったというだけでルーブルの信頼性は大きく落ちる。
一方で、ロシアに対する金融面での制裁措置により、エネルギー関連を中心にロシアから先進国への輸出が滞れば、ロシアだけでなく先進国側にも打撃となる。
いわば”返り血”を浴びるのだが、ルーブル安には”返り血”が比較的小さく、先進国は(躊躇いなく)ルーブル安を促す金融制裁措置をとる事ができる。
その上、ルーブル安は、輸入品価格の上昇をもたらし、既に高騰しているロシア国内での物価上昇率を更に押し上げる。これはロシア国民の生活に大きな打撃となるが、これこそが先進国が狙ってる点でもある。
こうした物価高騰がロシア国民の間での反戦機運を煽り、プーチン批判が高まれば、軍事行動を抑える方向に働く可能性がある。ルーブル安を狙った先進国の金融制裁措置には、そのような目的がある。
SWIFTとは?
国境を越えた資金決済の4割はドルで行われる。
例えば、ロシアが中国から通信機器を購入し、企業が代金をルーブルで支払い、中国企業が代金を人民元で受取る場合でもドルが仲介する。
つまり”ルーブル⇒ドル⇒人民元”となる事が多い。その方が、ルーブルと人民元の直接交換よりも手数料が安くなるのだ。
故に、ロシアと中国の間の決済には米銀が関与し、更に国際間ドル決済の大半に用いられるSWIFT(国際銀行間通信協会)も関与する。
結果、SWIFTや米銀を通じ、世界の資金決済や世界の資金の流れの相当部分の情報を米国当局が握っている。
SWIFTとは、ベルギーに本部を置く銀行間の国際的な決済ネットワークで、200以上の国や地域の金融機関の1万1千社以上が参加し、そのネットワークを経由し、送金情報を伝え、国際送金を可能にする。決済額は1日およそ5兆~6兆ドルに上る、事実上の国際標準である。
中国を含め、米国と対立する国々にとって大きな脅威は、米国が経済制裁の実効性を高める為に、このSWIFTを利用する事である。
例えば、米国の経済制裁の対象となった国や企業が制裁逃れを図り、海外企業と貿易を行おうとしても、その国の銀行がSWIFTから外されれば、資金決済ができなくなる。
また、米国によってSWIFTから外され、その利用をできなくされる事を怖れ、米国の経済制裁対象国以外の国の企業や銀行も、経済制裁に協力せざるを得なくなり、それが米国の経済制裁の実効性を高めるという側面もある。
仮にSWIFTが米国政府の要請を拒んだ場合、SWIFT自身が米国の制裁の対象となる事を強く恐れる。それ程までに、米国はSWIFT
を、そして国際決済システムを牛耳ってるのだ。
ルーブル急落と世界経済への影響
冒頭で述べた様に、28日、ロシアの通貨ルーブルが急落し、史上最安値を付けた。
ロシアの銀行の一部をSWIFT排除しただけでもルーブルの信頼性は大きく落ち、その上、(経済制裁により)主要通貨との交換が難しくなれば、流動性は大きく下がり、その分価格が下がる。
更に先進国は、SWIFT制裁と同時に、ロシア中央銀行(露中銀)が海外の中央銀行に預けてる外貨を凍結する措置を決めた。結果、露中銀は(ドル等の)主要通貨を用いた為替介入でルーブルを買い支える事が難しくなる。
つまり、SWIFT制裁と外貨準備の凍結という2つの措置が重なった事で、28日の市場でルーブルが大きく下落した。
主要国に外貨準備を凍結され、介入資金を失った露中銀は、通貨防衛の為に政策金利を一気に2倍近い20%にまで引き上げた。通貨の大幅安による輸入品の価格高騰と急激な金融引き締め策により、ロシア経済が急速に冷え込む可能性が高まる。
ルーブルが暴落する事で、ルーブル建ての国際貿易にも大きな損害が及ぶ。
今後、SWIFTから全てのロシアの銀行を排除し、更に(現在は米国が行う)ロシアの銀行と米銀の外国決済代行を停止する措置を他の主要国でも行えば、ロシアは主要国との間の貿易がほぼできなくなる。
2020年上期で、ロシア貿易最大の相手国は中国で、その比率は18.1%。米国は4.7%で日本は3.1%。先進国からの制裁を受けても、貿易が続けられそうなロシアの友好国との貿易比率は、上位だけで見ると35.8%。
友好国との貿易でも、ドル決済の比率は小さくない。が、ロシアは制裁措置に備え、その比率を下げてきた。
2013年時点でロシアから友好国への輸出の95%は米ドルで支払っていた。が、2020年にドルで請求したのは僅かに10%。
そこで、友好国間の貿易ドル比率が10%とし、その分の貿易は制裁措置で停止する。その場合、友好国との貿易は全体の32.2%(=35.8%×0.9)となる。
つまり、最大限に制裁が強化された時、ロシアの貿易は約1/3にまで縮小するが、ルーブル下落の影響を考えれば、それ以上に縮小する可能性もある。
2018年のイランのSWIFT制裁の時は、イランの輸出は同様に1/3となり、GDPは8%程度低下した。仮に、制裁措置による貿易縮小や通貨安による国内個人消費への打撃などによってロシアのGDPが10%減少する場合、ロシアの名目GDPの世界全体に占める比率1.66%とすると、世界のGDPは直接的に0.17%低下する計算になる。
これも相応な打撃だが、それ以上に世界経済への打撃となるのは、ロシア制裁の強化に伴うエネルギー供給への打撃とエネルギー価格高騰の影響だ。
今後、先進国が段階的に対ロシア制裁を最大限まで強化する場合は、ロシア経済の悪化とエネルギー価格高騰の2つが重なり、世界経済へのリスクはGDPで−0.5%〜−1.0%など、かなり高まる。
以上、NRIからでした。
最後に〜先が読めないウクライナ危機
ロシア中央銀行の手足を縛る事でルーブルを下落させる。
この欧米が仕掛けた作戦の影響は、ロシア国民に大きな動揺を及ぼす。インフレ時の現金不足を恐れ、ATMには長蛇の列が出来た。
一方で、ロシアにも対抗策はある。
7年前のクリミア危機から受けた苦い教訓から、ロシア版SWIFTの代替システムSPFSがあるが、SWIFTには程遠い。また、ドルからの脱却も(ドル資産凍結により)その効果は期待できない。
更に、欧米は(ロシア国内の)プーチン政権と蜜な富裕層”オリガルビ”の資産凍結に動いた。
しかし、市民や富裕層や企業が悲鳴を上げ、プーチンを骨抜きに出来るのか?先行きは全くの不透明である。
中国は米銀やSWIFTに対抗する為に、2015年に始めたCIPS(人民元国際決済システム)やデジタル人民元(仮想通貨)を用意してはいる。因みに、CIPSへの参加(2019年)は89か国で、第1位が日本、2位ロシア、3位台湾。
しかし、これらドル対抗策が功を発揮し始めるのは、先の事だとされる。
プーチンが強気でいられる理由の1つに、中国の経済的支援がある。事実、ここまでロシア軍が総攻撃を仕掛けれるのも、”プーチンの誤算を中国が支えてる”事に他ならない。
しかし、3/5から始まった北京パラだが、プーチンが習近平と交わした約束?通りに、ウクライナ侵攻は終わらなかった。
事実、(ロシア兵が残していった)機密文書には”2/20〜3/6の15日間”で制圧とある。
つまり、プーチンは(この期間内に)キエフを陥落させ、休戦協定に持ち込み、ウクライナ全土の実効支配というご褒美をロシアに持ち帰る腹心だったろう。
中国はプーチンに北京パラ期間中の停戦を呼び掛けたとされる。が、パラ五輪が終ってもキエフは堕ちなかった。つまり、プーチンの誤算は中国の誤算でもあった。
それから2ヶ月近くが経つが、ロシア軍の無差別な大量殺戮攻撃は更に勢いを増す。
まるで経済制裁や国際世論の反発をあざ笑うかの様な仕打ちでもある。
一方で、ウクライナの徹底抗戦は予想以上に激しく苦難に満ちたものとなってきた。
初期の段階で、米高官が指摘した”ここ5日以内にキエフは陥落する”や”ロシア軍は96時間以内に総攻撃を仕掛ける”との予測も外れてしまった。
つまり、(コロナ予想と同様に)尽く専門家の予想は外れ続けてしまう。それだけ、”先が予測出来ない”ウクライナ危機とも言える。
補足〜ワーテルローの戦い
株式相場には、”銃声が鳴ったら買え”という格言がある。
由来は、”ワーテルローの戦い”(1815)で、いち早く戦況を把握し、巨額な利益を得た投資家の逸話から来ている。
つまり、今回の異常な軍事侵攻と(フェイクやサイバー攻撃も含め)その混乱の中で、正確に状況を見極め、経済的な影響と動向を冷静に汲み取る。
今我々は、今そこにある恐怖に一喜一憂するではなく、(未だ8割以上の支持を集める)プーチン政権の本質と弱点を見抜き、早期停戦に結びつける事が重要なのだが、それが出来れば苦労はしない。
しかし、このままの状況が続けば、プーチンという狂人はやがて老人になり、消えゆく運命にある。それにロシアはかつての大国ソ連ではなく、貧しいだけの(いや暴力を振りかざすだけの)”白い北朝鮮”に成り下がるだろうか。
プーチンが描いた野心の先には”大きな北朝鮮”が待ってるとしたら、これほど滑稽な幻想も珍しい。
所詮、狂人が描く幻想って、こんな程度のものだろうか。
プーチンもロシアは一切関与していないと言いながら…、最近、ブチャを襲ったロシア兵たちを称え、ナンチャラ英雄称号を与えていましたけど。(驚)
矛盾を通り越して、訳わかりません。その事を言う人、誰もいませんけど?!矛盾ではない⁉️
まあ、プーチンは全てが嘘だらけ、矛盾だらけではありますが。
80%あった支持率は70%に落ち込み
ロシア軍の損失が明らかになるにつれ、流石のプーチン政権も隠せなくなってきた。
それに対ドイツ勝利記念日の5/9までに
ウクライナに勝利する青写真を描いてた筈だけど、その雲行きも怪しくなってきました。
ひょっとしたら
記事のイラストが現実になる日が来るかもしれません。
プーチンが核のスイッチを握ってる事だけは真実ですよね。
要は、アメリカがどのタイミングで動き出すか?ですが。
アメリカは戦争が長引けば、追い詰められたロシアが戦術核を使ってくると想定してます。
そういう意味では、今までの戦争の形態とは大きく違ってるように思います。
5月末までの長期戦も視野に入れてるとされます。またその頃になれば、欧米からの軍需物資が充実し、反撃に出れるとも言ってましたね。
事実、東部国境沿いのロシア軍武器庫に攻撃をしたとの噂もある。
一方でロシアも通常兵器が尽きたら、戦術核の使用に踏み切ると思いますが、アメリカとしてはそれまでに決着をつけたいでしょうか。
どっちにしても不透明な展開は変わらないみたいですね。
一方で、アメリカと英国は本気でプーチン政権を潰しに掛かる気がします。この点はロシアと全面対決を避けたいNATOとは違います。
たとえ戦術核の戦いになっても、打ったら打ち返す事でロシア軍を弱体化し圧倒できる事と踏んでるから、米英は強気でいられるんでしょう。多分、既にこうしたシナリオを描いてたのでしょうね。
結局は、ウクライナ戦争という名の代理戦争に移行するんですよね。
今回は僅か2ヶ月で前回の規模を超えそうな勢いです。
結果論ですが、米露の代理戦争になると判ってたなら、侵攻が起きる前に避難してればとも・・でも全てタラレバなんですよね。
アメリカも今回は、通常兵器を超え戦術核の戦いになると踏んでるみたいです。
そうなれば早急に退避路の整備が急がれますが、退避したくても出来ないのが現状で、国連の説得にも(予想通り)プーチンは耳を貸しませんでした。
毎日ニュースを見る度に、ブルーになりますね。コメントありがとうです。