ナチスと自民党〜よく見りゃ似てる､この二つ

　“人々を政治指導者の望む様にするのは簡単だ。つまり､国民に向かって我々は攻撃されると煽り､平和主義者に対しては 愛国心が欠けてると非難すればいい。このやり方はどんな国でも有効です“
　これは､ナチスドイツの元国家元帥ゲーリングのニュルンベルク軍事裁判での発言である。
　つまり､為政者や世論が外国の侵略や愛国心を過激に主張し始めた時は､冷静に注視すべきという教訓でもある。

　前アベ政権時の増税や安保解釈拡大などあらゆる政策や法案も､”外国に日本が征服されない為”と言ってしまえば手放しで成立し､為政者を非難する。一方で､(自民党に)賛同しない国民が”売国奴”に認定される様になった昨今の日本の状況は､このゲーリングのニュルンベルク発言とピッタリ合う。
　某動画サイトでは､”自民党はナチス憲法だけでなく､ナチスの宣伝手法も学んでるんじゃないのか”と揶揄されていた。

ナチ発言

　2013年7月・・・もう10年近くも前の事だが､当時の麻生副首相の”ナチ発言”は記憶に新しい。
　”ヒトラーは民主主義によって､きちんとした議会で多数を握り出てきたんですよ。ヒトラーは選挙で選ばれ､ドイツ国民はヒトラーを選んだんです。
　靖国神社にしても静かに参拝すべきなんです。騒ぎにするのがおかしいんだ。いつから騒ぎにした？マスコミですよ。そりゃ〜中国も韓国も騒ぎますよ。だから､今は静かにやろうや。
　(ワイマール)憲法もある日気づいたら・・・ナチス憲法に変わってた。誰も気づかない間に変わった。あの手口を学んだらどうかね。わーわー騒がないで､みんないい憲法だと納得して､あの憲法は変わったからね”

　勿論､麻生は後に”喧騒にまぎれ､十分な国民的理解と議論のないまま進んだ悪しき例として､ナチスの例をあげた”と一部撤回したが､撤回で済まされるような発言ではなかった。いや､A級戦犯レベルの爆弾発言である。
　つまり､麻生の歴史的認識とはその程度のもんである。
　事実､1933年の選挙でナチスの得た過半数の議席は､テロと威嚇や反対者の不当逮捕などを通じて得たものだ。少なくとも､合法的で民主的とは言い難かった。当然､皆が納得してファシズム独裁体制がつくられた訳でもない。
　しかし一度､全権委任の独裁政権が作られると､それ以降のドイツ国民はナチスのなるがままだった。その後の悲惨さは歴史が示す通りである。
　以上､辻元議員の質問主意書(2013.8)を一部参考でした。

　勿論､ナチスという化け物を生み出したのは､第一次世界大戦の責任を全てドイツに背負わせた大国アメリカでもあった。因みに､そのアメリカに圧力を掛けたのがJPモルガン銀行という権力であった事は､意外にも知られてはいない。
　同じ様に､自民党もアメリカの脅しによって支えられた独裁政権とも言える。
　前アベ内閣はいきなり憲法第9条改正を出すのではなく(憲法改正のハードルを下げる為に)”まず第96条改正を”と主張した。一方ワイマール憲法では､憲法そのものに手をつけるのでなく､より簡単な新法制定(全権委任法や政党新設立禁止法など)により憲法の形骸化が図られた。
　麻生の”ナチスの手口に学べ”発言は､上述したワイマール憲法改正の手法と全く同じである。
　本来､憲法は国民が権力者をしばる道具である。(かつてナチスが犯した様に)自民党が他の政党や国民に脅しをかけ､憲法を変える事なく集団的自衛権の行使を可能にするのであれば､これこそが”ナチスの手法に学ぶ”残忍で非合法なやり方である。

最後に

　今､自民党がやってる事は(権力だけが美味しい思いのできる)かつてのナチズムと同じである。日銀と結託し､メディアを支配下に置き､国家予算を湯水の如く使おうが､どんな悪事をしでかそうが､ビクともしない。
　今や､ペンと大衆は自民党の前ではクズ以下なのだろう。このままでは､ウクライナ以上の不可解な惨劇が日本を襲うかもしれない。

　選挙の度に自民党への忠誠を試そうと､”我らに従わなければ､生活はもっと酷くなるぞ”と国民を脅し､アウシュビッツの奴隷の如く扱きまくる。
　それでも､かつてドイツ国民が(その悪事に目を瞑りつつも)ナチスに肩入れした様に､我ら日本国民も(他に頼りになる政党がないからと)巨悪を犯し続ける自民党に仕方なく投票する。
　何の策も打てない(打たない)岸田首相には､そういう事が判っているのだろう。

　自民党という亡霊船に乗せられた我ら日本島民は､ナチスが自ら歩んだ破壊と破滅を再び経験する事になるのだろうか。