今まで気にもとめていなかったり、理解していなかったことが、
ある日突然ストンと腑に落ちることがあります。
たぶん、自分の中の経験値がそのラインを超える瞬間のようなものでしょう。
歳を重ねていくと、そんな思いや発見が誰にでもあるのではないでしょうか。
森下典子先生のエッセイ『
日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ
』には
茶の湯のお稽古を通して体感したそんなエピソードが綴られていて、深い共感を誘います。
9年前に先生のエッセイを読んだ時からいつかお会いしたいと思っていました。
思い続ければ願いはかなう、
今回の「麗香茶課」の森下先生の講座はまさしく私の個人的な夢をかなえたものと言えるかもしれません。
「麗香茶課」で薬膳講座をお願いしている青柳敬子先生が森下先生の中高の同窓生ということを伺い、
ご紹介いただいたのが去年の秋。
それから何度か連絡をとらせていただき、5月の最終土曜日に「麗香茶課」の講座をお願いすることになりました。
会場は横浜山手の
大佛次郎記念館内の茶室。
港の見える丘公園の中にあり、窓から美しい新緑を臨むことができます。
17.5畳の広々とした和室にゆったりとした水屋が付いて、今回の講座にはぴったりの場所でした。
先生がこの講座のために吟味して各所に手配し、
揃えてくださった茶菓子は主菓子・干菓子合わせて何と10種類。
主菓子はくじ引きでお好みを選んでいただくという趣向にしました。
一番人気は「とらや」の「更衣」。
6月1日の衣替えにちなんだお菓子で、一年のうち三日間しか販売されないという
希少価値が皆さんのプレミアム感をくすぐったようです。
(私がいただいた「ささま」の「玉川」もものすごく美味でした!
たぶん、他のお菓子も格別のお味だったのではないかと。)
茶花も花屋さんだけでなく、ご自宅のお庭から、お茶のお師匠さんのお庭、近所の駐車場、散歩道に至るまで
毎日足を運びながら見つけてくださったものが何種類も。
華道やフラワーアレンジメントのお花とはまた違うお花との付き合い方がそこにはありました。
お菓子にもお花にも、そして先生のお話にも
たくさんの小さな驚きがあり、
それが参加者の皆さんに対する何よりのもてなしでした。
床の間に飾られた「喫茶去」の意味を皆さん実感しながらお帰りになられたと思います。
茶の湯の中に活きる日本の季節感、そして日本の文化をとても身近に感じさせてくれる講座でした。
森下先生、水屋のお手伝いの皆さま、素敵な講座をありがとうございました。
ご参加の皆さまにもこの場を借りて改めて感謝申し上げます。
※講座にご参加の方のブログ記事をご紹介します(以後、順次UP予定)。
茶語花香
千葉県市川市で中国語教室を主宰されているゆいさんのブログ。
おうち茶館
ブログ9周年を迎えたばかりの荷花さんのブログ。
Cha-No-Yu China 中国茶と和の粋
茶塾「香白韻」を主宰するうらりんさんのブログ。