神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

菓子屋ここのつ

2018-10-31 | お茶会
お噂は以前から聞いていて、いつかは行ってみたいと思っていた「菓子屋ここのつ」さん。
ただ、前月に設定される予約開始時間ちょうどに申し込み損ねると
席が埋まってしまうということも聞いていて、
基本的にマメではないので、なかなか伺うチャンスがありませんでした。

それが今月初めの『中国茶のこころ 茶味的麁相』出版記念茶會で
お菓子を作っていただけるというご縁に恵まれ、
夏ごろに打ち合わせのために初めてお会いしました。
その際、銀座の「SHISEIDO THE TABLES」でここのつさんの最中をいただき、
そのオリジナルな美味しさに心を奪われました。
これは是非茶寮にも伺いたいと思い9月に予約を入れ、
昨日念願かなって10月茶寮に参加してきました。

茶寮はまだ昭和の雰囲気が残る浅草地域にあり、
昔は材木置き場だったという一軒家をリノベーションされたもの。

開始時刻に扉が開き、実穂さんのお出迎え。
入ってすぐに大きなテーブルが置かれ、
正面のカウンターの向こうはオープンキッチン。
全体的に黒を基調に、調度品も気に入ったものしか置かない、と言う雰囲気で
凛とした空気が流れています。

茶寮で使っているという水をまずは飲ませていただき、
すはまからお菓子が始まりました。
お菓子は6種ほど、お茶は煎茶と発酵茶を中心に何種かいただきました。

私が一番気に入ったお菓子は熊本の美玖里という品種の栗を使い国産のライスペーパーで包んだ一品。
定番の最中は月によって中身が変わるようですが、今月も素材のハーモニーが絶妙でした。

どのお菓子も和菓子の枠を超えた独創的なもの。
甘過ぎず、その素材の味を最大限に生かすことが考えられています。

実穂さんのお菓子は出版記念茶會でも何種かいただいていますので
その独創性や意外性、そして素材の調和を考えた美味しさは体験済みでした。

今回の茶寮での新しい発見はお菓子のみならずお茶にもとてもこだわっていらっしゃること。
茶葉はもちろん、茶器も吟味され、
そして淹れ方にもとても心を配っていらっしゃることにとても居心地の良さを感じました。

お茶やお菓子の素材についてのお話もふんだんに聞かせていただき、
ある意味、この2時間はここのつ劇場と言いますか、
この日のために実穂さんが作りあげた舞台を
私たちは五感をフル活動させながら味わっているようにも思います。

茶寮に毎月通っているという知人によれば
「今月行くと、来月はどんなものが出てくるのだろう、とまた行きたくなる」とのこと。
なるほど、常連ファンが大勢いらっしゃるというのも納得です。
私もとてもいい刺激をいただきました。

実穂さん、ご一緒した皆様、素敵な時間をありがとうございました!



 (写真提供:溝口実穂氏)

茶寮では撮影不可でしたので、上の写真は出版記念茶會でお出しした栗菓子です。
器は安藤雅信作。


茶寮から浅草橋方面に歩いて10分ほどのところに
実穂さんの夫君がオーナーを務めるアンティークショップ「白日」があり、
帰りに寄らせていただきました。
何だか無国籍でワクワクする!
大正時代のガラス瓶をお持ち帰りしました。

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