神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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おんな心と猫の空(兜風編)@台北の旅2008

2008-06-10 | 茶旅
2時間待たされて、少しも怒っていなかったと言えば嘘になる。
しかし、C小姐のパワーに押され、何もかも吹っ飛んでしまった。
「バイク出してもらうなんて、そんな、大変なのに・・」としどろもどろで恐縮する私。
「いいのよ、私自身“麻煩”(日本語で“面倒”みたいな意味)な人間なので、
“麻煩”は苦にならないタイプなの」
なるほど・・・妙な説得力だ。

聞けば、1時間以上家で車の鍵を捜し回り、
結局諦めて、運転をお願いしていた友人を置いてバイクで来たと言う。
その友人は「日本人でしょ?バイクの二人乗りなんてできるの?」と心配したそうだ。

これを読んでいる皆さんは台北の街のバイク二人乗りを想像できるだろうか?
台北の道は車も多いが、バイクも多い。
渋滞が多くバイクのほうが速いので人気がある。
小回りが聞いて、狭い路地でも自由に走れることもポイントが高い。

しかし・・信号待ちをしているバイクの数を見たことがある方もいるだろう。
とりあえず車よりも前に出て待つバイクの数の多さ。
さながらマラソンのスタートのようである。
車を追い越せなかったバイクは車と車の隙間を埋め尽くすように並ぶ。

初めてだったら、怖くて辞退していたかもしれない。
幸い(?)にも私は留学時代に、友人によく乗せてもらっていたので
ある程度は慣れていた。
それに昔のほうが今よりもバイク自体の数は多かったように思う。
「バイクの運転技術は大丈夫よ。信じて」というC小姐の力強い言葉も不思議に納得できた。

しばらく走るとバイクは台北の渋滞を抜け、山すその抜け道を走り、木柵に向かう。
タイトルの副題「兜風」は中国語で「ドライブする」の意味。
ヘルメットをかぶり、風を切って走る今回のドライブにはピッタリの言葉だ。
最初はC小姐にしがみついていた私も、少しずつ乗ることに慣れ、リラックスして風を楽しんだ。
そう、その時までは・・・。

猫空の麓に到着。通常のバスや登山の道とは反対側の道から登っていく。
かなりの重量に耐え、バイクは頑張ってくれた。
「頂上に着いたら、一人でロープウェーに乗って降りてくるといいわ。
私は先にバイクで降りて待っているから。」
ああ、その案はなかなかいいな、と楽しみにする。
そう、その時までは・・・。

途中、布袋劇の一団に会い、劇が始まる前の儀式を見た(冒頭の写真)。
ああ、台湾に来たんだ、という実感が沸いた。
昔はこういう光景はもっと多かったように思う。

C小姐の持論では、猫空の茶藝館で行く価値のある場所は
張協興茶行の経営する「杏花林茶坊農荘」だけだと言うことだった。
ここでは張さんのお茶を飲むことができ、旧正月の季節にはピンクの杏の花が美しいと言う。
でもね、「杏花林茶坊」は週末のみで、平日は予約が必要なんだよね。
やってないじゃん!杏も咲いてないよ。。。
でも他の茶藝館には寄ってもらえそうもない(笑)。
まあ、ここはC小姐の意見に従っておこう。

しかしさすがにここまで来てただ降りるだけと言うわけにも行かない。
ほどなくして「張廼妙茶師紀念館」に到着。
ここで休憩を取ることとなる。
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おんな心と猫の空(待つわ♪編)@台北の旅2008

2008-06-09 | 茶旅
中山で買い物を終え、ホテルに荷物を置いてすぐにまたMRTに乗る。
この後はC小姐とそのお友だちと猫空へ行くことになっているのだ。

もともと三日目は故宮からそのまま猫空と木柵に自力で行く予定だった。
天気が良ければロープーウェイで猫空に登り、茶藝館でお茶をした後
張協興茶行に行って、木柵鉄観音を買うつもりでいた。

その話をC小姐にしたところ、
ちょうどお店の仕事も休みになったし、久しぶりに張先生にも会いたいから
私の家の車を出しましょう、ということになった。

この日C小姐は九壺堂の老師や鐘小姐らとミャンマー料理屋でランチをして
その後に車の運転ができる友人と待ち合わせて、永和の自宅に車を取りに戻り
MRT萬隆駅の1番出口あたりで私をピックアップしてくれることになっていた。

萬隆駅での待ち合わせ時刻は午後2時10分。
私は新店行きのMRTに乗るところを間違えて南勢角行きに乗ってしまい
10分ほど遅れてしまったが、きっとC小姐も時間通りには来れないだろうと予測していた。
台北滞在も三日目くらいになると台北時計が体内にできるものだ。

萬隆駅の1番出口を出ると、大通りに面してバス停があり、
そこにベンチが置かれていたので座って待つことにする。
故宮ではあんなに青空だったのに、空はどんより曇り始めている。
予報では夕方から雨だった。
何とか雨が降る前に猫空へ行きたいと考えていた。
でも雨が降っても車なら何とかなるな、と楽観していた。
そう、その時までは・・・。

待つこと30分、台北時計に慣れたとは言え、
排気ガスのものすごい大通りに向かって座っているのは結構辛い。
携帯からC小姐に連絡を取ってみる。
「遅れてごめんなさい、15分くらいでそちらに行けると思うので待っていて」
と言う返事。とりあえず待つ。
空の西側がかなり暗くなり始めた。

1時間半経過。
この時点で空気の悪さに寿命が縮まりそうに思い、また電話をしてみる。
慌てた声で
「ごめんなさい、今ちょっとバタバタしていて、もう少ししたら行くので待ってて」
と訳のわからない返事が来て、とりあえず待つしかないのね、と諦める。

しかし、1時間45分を経過したところで
大昔、BFの帰省を見送るために新幹線のホームで2時間待ったことがあるのを思い出した。
2時間は限界点だな、あの時もすぐ別れたっけ、などとつまらないことをあれこれ考え始める。
目の前のバス停には30分に一本くらい木柵動物園行きがやって来る。
よし、次に来たら乗っちゃおう。
電話して、張さんのお店で待っているとC小姐に伝えればいいじゃないか、と思い立つ。
どちらにしても車なんだから、別の場所でピックアップしてもらえばいいのさ、とたかをくくる。
そう、その時までは・・・。

そしてリミットの2時間が過ぎた。
よし、バスを待とう、と立ち上がったその瞬間、
バイクで通り過ぎてまた私の目の前に戻ってきた人がいる。
ヘルメットを脱いだその顔はまさしくC小姐だった。

「車の鍵が見つからなくて、今まで捜していたの。ごめんなさい。
バイクの後ろに乗って。怖くない?大丈夫?」

そう、こうしてオバサンバイク二人乗り猫空ドライブが始まった。
・・っつーか、バイクじゃなくてスクーターなんだけど。


※冒頭の写真は猫空の頂上で見かけた布袋劇イベント。
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空港で買うなら中山で買え!@台北の旅2008

2008-06-08 | 茶旅
台北には何箇所か繁華街がある。
それぞれに特徴があって、年齢、目的、生活レベルなどで客層が違う。

MRT中山駅付近は、私が留学していた時はほとんど縁のない界隈だった。
当時は日本人サラリーマンが多い場所、というイメージで学生の身分で遊ぶ場所ではなかった。
たまに日本人留学生仲間とカラオケに行ったり、
日本から来た知り合いが泊まるホテルに迎えに行ったり
そういう日本からの客を接待するために青葉や梅子で食事をするために行くくらい。

しかし自分が観光客の立場になってみると、意外とこの界隈は使える店が多い。

サロンの生徒さんから「台北に行くのですが、どこでお茶を買ったらいいですか」と聞かれると
私がまず薦めるのは「新純香茶業」である。
ここを見つけたのは実は私ではない。
8年ほど前、家人が台北出張の時にリージェントに泊まり、
ホテルの人に紹介してもらったのがここだった。
その後、家人は台北に行く度にここでお茶を買って来てくれるようになった。
日本語も通じるし、親切に試飲させてくれて、お茶請けの種類も豊富。
初めて台北でお茶を買う人にはぴったりのお店である。

今回初めて「新純香」に行ってみた。
人には薦めていたものの、自分では行ったことがなかったのである。
目的はしいたけチップとエリンギチップと茶梅。
(時間がなくてお茶は買いませんでした、すいません。)
揃えているお茶の種類も多いし、茶器もたくさん置いてあるし、
中国茶の啓蒙にはすごく貢献していそうなお店である。

「新純香」はどちらかと言えば古くからの台北の茶荘の雰囲気をキープしているが
中山界隈にはオシャレでちょっと高級志向の茶荘も多い。
中山北路沿いの「廣方圓茗茶」長春路の「王徳傳」「嶢陽茶行」などがそうだ。
少し都会的なパッケージを好むなら、こちらのタイプもいいかも。

友人から頼まれたお茶を買うため「王徳傳」へ。
赤い缶がとてもオシャレ。
ティーバッグの缶入りなどお土産にぴったりなのでは。

空港に行くと、ごっそりお土産にお茶を買っている人たちを見かけるが、言語道断。
ツアーの送迎バスで最後の日に強制的に寄らされるお土産屋さんのお茶も絶対ダメ。
こんなところで買わされて人に贈ったら、
「何だ、台湾のお茶ってあまり美味しくない」ってことになりかねない。
お土産にお茶を買うなら、少なくとも中山界隈のお茶屋さんで買うべき。
ここんとこ、強調。


新純香茶業有限公司
台北市中山北路一段105巷13-1號1樓
電話 (02)2543-2932

王徳傳茶荘
台北市長春路14-1號1樓
電話 (02)2561-8738
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いにしえの至宝@台北の旅2008

2008-06-07 | 茶旅
三日目は故宮博物院からスタート。
台北の一般のお店は夜閉まるのが遅い分、朝開くのも遅い。
故宮は9時からオープンなので、午前中も有効に使えるのだ。

故宮は20年前に住んでいた時も半年に一回は訪れていた。
その頃に比べると、MRTができたのでかなり行きやすくなった。
MRT士林駅の1番出口から出ると正面のバス停からバスが何本も出ている。

リニューアル後の感想は、内装がとても綺麗になり、
ガイドも充実して、ピンポイントでお目当ての名品を探すには便利になった。

また、特別展のスペースが広くなり、充実している。
今回の「イスラム玉器」の展示では、
中央アジアの玉器が中国、西アジア、インドの玉彫工芸に
いかに影響を与えたかということがよくわかるようになっている。
「アジアの探索」という特別展では
中国と並んで韓国、日本、タイ、ベトナムなどで作られた茶器が展示され、
その文化的な交流の側面を知ることができる。

常設展示は全体が分野別ではなくなり、時代別にまとめられているので、
例えば陶磁器だけを歴史的に追っていこうとすると点在していてわかりにくい。
ガイド付きで観光するには時代の特色もまとめることができていいのかもしれないが、
私のように陶磁器だけを追いたい、今日は玉を集中して見たい、
というような者にはちょっと回りにくくなった。

今回はやはり茶に関する文物に目が行き、
昔だったら素通りしただろう「唐 宮楽図」に足を止めたりした。

2時間ほど回って少し疲れたので4Fにある「三希堂」に行ってみた。


オシャレで落ち着いた感じ。
蒸し餃子と高山烏龍茶を頼んだが、どちらもまあ普通。
特にここを目当てで来るほどのこともないかな。

お昼頃に故宮を後にし、MRTで中山駅に向かう。
今日はまだまだこれから盛りだくさんの予定なのである。
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スーツを脱いだ茶人@台北の旅2008

2008-06-06 | 茶旅
九壺堂は6時までなので、その後にもう一軒の店へ私を連れて行こうと
C小姐があらかじめそのお店に連絡をしていたことを私はその時知らなかった。
ところが閉店後まで残っていた私たちに紳士が請客(ご馳走すること)してくれると言う。
老師も一緒に行く、ということになり、C小姐も断れなかったらしい。
最初は牛肉麺という話だったので、すぐに解散になるだろう、と思っていたら
紳士がピカピカのトヨタで乗りつけた場所は日本料理店だった。

「おいおい、何で敢えて和食・・それも台湾人の経営する台湾式和食・・」
とC小姐と顔を見合わせたが、
そこには奇妙な関西弁を駆使する台湾人の店長がいて、
私に盛んに話しかけてくれたりして、それはそれでかなり盛り上がった。
焼き魚と巻き寿司がとても美味しかった。
お開きになったのは9時。
老師をまずMRTの駅まで送り、
そのあとC小姐が紳士に住所を伝え、目的の店に向かう。
私はこの時初めてまだ行くところがあるのだ、と知った。

着いた場所は長安東路一段、華山公園のそばのマンション。
こちらも2階のワンフロアを利用してサロン風にしつらえている。

[木龍]翠坊
ここはお茶と茶人料理の店。
コースのみの昼食と夕食。人数限定で予約を取る。

残念ながら私が台北に滞在している間は食事の予約は満席で、
お茶だけ飲ませていただくという話でC小姐はお願いしてくれていた。
6時過ぎにはやってくるだろうと待ち続け、
亭主の蔡奕哲氏もスタッフの小姐もさぞかしイライラしていたことだろう。
おまけに到着した9時はちょうど閉店の時間なのだから。

それでも蔡さんはニコニコと応対してくれて
(小姐はちょっとムッとしていたが)
一時間だけという約束で、早速お茶をいれてくれた。
時間もないので、この日はお任せで岩茶を二種。
昨年の奇蘭と今年できたばかりの千里香。
ここでも大陸茶なのね。
え、これが岩茶?とびっくりするような清らかさだった。
日本で飲む岩茶とは全く違う味わい。

蔡さんは武夷山に行ってきたばかりとのことで、写真を見せてくれた。
茶畑を確認し、正真正銘の正岩茶だけを仕入れてくる。
彼もとことん有機と伝統製法にこだわって茶葉を選んでいるのだ。

お茶を丁寧にいとおしそうにいれる様子がとても印象的。
このお店を始めて何年になるのか尋ねると、4年だと言う。
その前は日系の電機メーカーに勤めていたそうだ。
(日本語はダメらしい。英語はOK。)
ずっとお茶が好きだったが、学生の時に電機関係を専攻したので、
一定の期間は社会に還元しなくてはいけない、とお勤めをしたのだとか。
その誠実な答えにちょっと感動してしまった。
スーツを脱ぎ、ゆったりとした服をまとった蔡さんはまさに茶人だった。

私はもう少しゆっくり時間を取って台湾のお茶もいただきたい、と告げると
明日の夜、もう一度来てくれと約束をとりつける。
夕食の予約が入っているので、その客が引ける8時半ごろということになった。

台北の旅二日目、長い一日が終ろうとしていた。
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お茶好きマダム御用達(後編)@台北の旅2008

2008-06-06 | 茶旅
その日に九壺堂を訪れていたマダムたちは清香茶よりも焙火茶がお好みのようだった。
次にいただいたのは、発酵が高めで後味がすっきりとなるように焙煎をかけた紅水烏龍。
この紅水は雲南省大理で栽培された茶葉を使っている。
現在の台湾の茶園に比べ、環境も土壌もいいのだそうだ。
ここ数年、台湾の茶師が雲南省に出向き、そこの茶葉で製茶するということが増えている。
もちろん大陸の農作物の危険性も喧伝されているが、
まだまだポテンシャルのある大陸の地に魅力を感じるのと同時に、
プーアルを初め西湖龍井、岩茶などの大陸茶ブームの影響もあるかもしれない。

老師はプーアル茶にも造詣が深く、九壺堂オリジナルの餅茶も作っている。
今回はそれを飲むチャンスはなかったが、C小姐によればすごく美味しいそうだ。
同席の紳士のリクエストで老師私蔵の20年モノの餅茶や
何年モノか聞きそびれた大沱茶をいただいた。
大沱茶がやたらに美味しかった。
台湾のプーアル茶ブームもまだまだ続きそうだが、
陳年茶から新茶、それも既に飲みやすく作られた生茶へ人気の中心はシフトしているようだ。

ここに集まる人たちは常にお茶の安全性について関心を持っているせいか、
有機茶に関する話題も多かった。
その時によく出てきた名前が高定石茶師。
石碇の自然生態茶園で東方美人を中心に作る台湾茶業界の時の人らしい。
人工肥料や農薬を使わず、生態系を崩さずに栽培している茶園は
10年かけて作り上げたもの。
生産量も少なく、手間をかけているので、
高茶師のお茶はとんでもなく高価で手に入りにくい。
(高い、ということでも時の人らしい。)

その高茶師の去年の東方美人が実は研究用に取ってあるんだ、と
老師がニコニコしながら出してきてくれた。
えっ、そんな貴重なお茶、いただいていいんでしょうか?と思いながら
喜々として飲み干す。

うちではリクガメを飼っているのだが、
草食で、コマツナが大好物。
週に一度無農薬有機栽培野菜の宅配を頼んでいて、そのコマツナはよく食べるが、
近所のスーパーの安売りのコマツナはいまひとつ食いが悪い。
唐突だが、そんなことを思い出した。
すべらかだが力強い、大地の香りを感じるような、そんなお茶だった。

高茶師は紅茶も作っていて、こちらもなかなか評判らしい。
C小姐が今年の出来たてを入手したので皆で飲もう、
と言うということで、二日後にまた九壺堂にお邪魔し、
その紅茶を皮切りにまたいろいろなお茶をいただいた。
(高茶師の紅茶はC小姐から少量サンプルとしていただいたので、
7月のサロンのセレクションコースで飲もうと思っている。)

結局最初の日は3時間以上お邪魔し、
閉店時間の6時を回っても居座っていた。
二日後の再訪のときも2時間は飲み続けていたから
ずい分老師とお店のスタッフの鐘小姐にはお世話になってしまった。

最後にお別れする時に
老師に「お茶は飲みすぎてはいけないよ。
何種類も飲まず、ひとつの種類をゆっくりと味わいながら飲んだほうがいい」
とたしなめられてしまった。
ハイ、台北では朝から晩までお茶漬けになってました・・・
九壺堂では出てくるお茶は全て飲み干していた私でした
だって美味しかったんだもん。

老師ご自身も、今のオープン形式だと人がたくさん集まってにぎやか過ぎるので
(確かにお菓子持参で長時間井戸端会議しているような雰囲気はある)
もう少し静かにお茶を試飲できるような体制に変えたいとお考えらしい。

これを読んで老師のお茶を買いに行きたいと思われた方は、
事前に電話予約してくださいね。
できれば中国語のわかる方と一緒に行くことをオススメいたします。


九壺堂茶荘
台北市重慶南路三段27巷3號2F
電話 (02)2392-5893
11:00~18:00 (土曜午前と日曜休み)
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お茶好きマダム御用達(前編)@台北の旅2008

2008-06-04 | 茶旅
さて、九份を後にして、バスに乗り瑞芳駅下車、
タイミングよく在来線が来て、台北へと向かった。

ホテルは台北駅から歩いて5分の華華大飯店新館。
リーズナブルだし、部屋は広いし、バスタブはあるし
何よりどこへ動くにも便利なのがいい。
唯一、ホテルの隣りの小吃店のメニューに臭豆腐があるのだけがツライ。
私は何でも食べられるけれど、この臭いだけは未だに慣れない。

ホテルの部屋に着き、少しベッドで横になっていると
C小姐から電話で天母で友人とランチをしていて遅くなってしまったので
あと30分くらいでホテルに着くから待っていて、と連絡が入る。
九份でかなり歩き回ったので、ちょうどいい休憩となった。

まもなくC小姐から着いたと連絡があり、ロビーに降りて無事再会。
バスもあるけれど、タクシーで行っちゃいましょう、と向かったのは重慶南路三段。
本当に普通のマンションの2階にある、「九壺堂茶荘」。
私も名前だけは聞いたことがあったが、知る人ぞ知る、お茶好きの集う店である。

サロンのようなお店の一室に入ると
台北のお茶好きマダムが3人と背広の紳士が1人、
小姐のいれるお茶を楽しみながらおしゃべりに花を咲かせていた。
C小姐は皆さんと顔見知りのようで、
私もすんなりとそのグループに加わらせていただいた。

堂主の勳華氏は皆から老師と呼ばれ、
台北のお茶の世界の重鎮であるらしい。

ここを訪れる人たちは老師のお茶をいただきながら
ワイワイガヤガヤとおしゃべりを楽しみ、
気に入ったお茶を一斤単位で何缶も買って行く。
実は二日後もこのお店に来たのだが、その時も先客のマダムが2人いらしたので
どうやら台北のお茶好きマダムの御用達サロンとも言えるようだ。

マダムたちのおしゃべりの中心は日本のマダムと変わらない。
どこそこのあれが美味しい、どこそこで買った野菜は安全だ、
どこそこに新しくできた店のランチは良かった、等等。

老師のお茶に人気があるのも、美味しいということはもちろんだが、
土壌のいい畑で育った茶葉にこだわり、有機茶を扱っているからのようだ。
台北の生活水準も向上しており、玉石混合の環境の中で
一部の人たちはお金を多少出しても食の安全を確保しようと気を遣っている。

私は高山茶が欲しかったのでその旨伝えると、
杉林渓産の有機高山茶をまず飲ませてくれた。
梨山や大禹嶺の春茶もあったのだけれど、
「まあ、一応扱っているけれどね・・」と言う感じで
老師も強く勧めてはくれない。
私も既に有機高山茶の購入を決めていたので、
もう他の高山茶は買わなくていいかな、と思い、
他の皆さんの飲むお茶をご相伴させていただくことにした。
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湯婆婆に会えるのか!?@台北の旅2008

2008-06-03 | 茶旅
私のアジア映画好きには二本の柱がある。
一本はアクション系。
もう一本はまったりと懐かしさを感じさせる癒し系。

アクション系はもともとはブルース・リーの映画に端を発する。
その後はジャッキー・チェン、そしてノワール物も加わり、香港映画が中心であった。

癒し系は最初に感動したのが台湾のワン・トン監督の『海をみつめる日』だった。
そしてその後、ホウ・シャオシェン監督の『恋恋風塵』で見事にハマる。
偶然にも、どちらも九份が舞台となっていた。
いつからか、九份に行きたいと思い始めるが、なかなか実現しない。
4月に『風を聴く~台湾・九份物語』という九份のドキュメンタリー映画を観て、
ますますその思いは強くなった。
今回台北旅行の日程を少し多めに取ったのは、他でもない九份に行くためだった。

冒頭の写真は「阿妹茶酒館」から臨んだ基隆湾。
この風景を、ずっと頭の中に描いてきた。今日、やっとそれが立体化した。

やはりここに寄らないわけにはいかない。
基山街をずっと進み、展望が開けたところに現れる「九份茶坊」。



百年の歴史がある建物を利用して作られた茶坊。
一歩足を踏み入れると、時間が止まったような錯覚さえ感じられる。
メニューを渡され、そのお値段の良さでちょっと現実に引き戻されるのだが(笑)。

後日、台北の某茶師に、九份に行ったことを話し茶坊のお値段のことに触れたら
「次回はオレの茶葉を持参していけ。持ち込みOKだから。」と言われた。
(えっ、そうだったんですか!?)
いや、九份茶坊のお茶もとても美味しかったんだよね。東方美人を頼んだんだけど。
多分、一人だったのが損だったんだな。
何人かで一つのお茶をシェアすれば高いということは感じなかったと思う。

茶器も全てオリジナル。使いやすくてカワイイ。
購入もできるが、やっぱりいいお値段・・・。


とっても居心地がよかったのでまーったりと過ごし、
お昼前に店を出て、また別の道でぐるりと回ってみる。
メインストリートをちょっとはずれると、人気がなくなり、猫や犬とお友だちになれる。
なーんか、いいよね。

前日にC小姐から教えてもらった九份名物、芋圓と肉圓を軽いランチがわりにとってから
これまたお約束の「阿妹茶酒館」に入る。


何と言っても『悲情城市』のロケ地。
はずすわけにはいかない。

今回はさすがに功夫茶はオーダーせず、阿里山烏龍茶を一人分で頼んだ。


外の景色を楽しみ、風を聴き、九份を五感で感じる。
そろそろお別れの時間だ。
午後3時ごろには台北に戻り、
C小姐がホテルに迎えに来てくれるのを待たなくてはいけない。

湯婆婆には会えなかったが、どこかから急にカオナシが出てきそうな雰囲気はあるなあ。
そんなことを思いながら、バス停に向かった。
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藤居での出会い@台北の旅2008

2008-06-02 | 茶旅
「藤居」は信義路をはさんで永康街とは反対側へ伸びる連雲街を進み、
しばらく歩いていった場所にある。

台湾の住所はとてもわかりやすくできているので
コツがわかれば場所を探すのは難しくはないのだが、
このあたりはかなり入り組んだ道であるせいか、少し迷ってしまった。
それでもフラフラと歩き回るのは旅の楽しみのひとつ。
「藤居」は普通のマンションの一階に突如現れた隠れ家のように佇んでいた。

中に入ると一軒家のような造り。
椅子の部屋、床板張りの部屋、そして奥には畳の部屋がある。


平日で夕食時も過ぎていて、ほとんど人はいなかった。
静かな畳の部屋に通してもらった。


シンプルなしつらえ。
下に引いてあるマットは生地屋で布を購入し、周りをかがった手作り。

有機包種茶を頼んだ。
一煎目はお店の小姐が淹れてくれた。

一人でゆっくりとお茶を飲む私に、同じお茶好きの匂いを感じ取ったのだろう。
中国語ができるとわかると、気軽に話しかけてきてくれた。

「美味しい高山茶を買いたいんだけど、どこで買えるかしら?」と聞いた私に
「私の行きつけのお店を紹介しましょうか?
でも普通のビルの2階にあるようなお店なので、一人じゃ行きにくいかな。
明日はオフで午後からなら時間があるから、連れて行ってあげる」
と快く引き受けてくれたのだ。

これが私とC小姐との出会いだった。


ところで「藤居」も雰囲気がよくてステキな茶館なのだが、
「紫藤廬」が6月20日からリニューアルオープン予定とのこと。
「藤居」はまもなくその任務を終える。
ちょっと残念ではあるが、新しく生まれ変わった「紫藤廬」で美味しいお茶が飲めるのも楽しみかな。
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プロローグ@台北の旅2008 

2008-06-01 | 茶旅
5月28日から四泊五日で台北に行ってきた。

本当に久々の一人旅。

と言っても純粋に最初から最後まで一人で旅行をするのはこれが三回目。
意外と少ないんである。
出張や友人に会いに行くため移動が一人だったことは何回もあるが
私はあまり一人旅というのは得意ではない。
一人旅の上手な人というのは、
旅先ですぐに人と仲良くなれるとか、
一人で何かを感じ取るセンスがあるとか
静かで何もない時間さえも心から楽しめる人なのではないかと思うのだ。
私のように人見知りで時間を持て余してしまうタイプは向かない。

まあ台北は昔住んでいたこともあるし、
怖いもののないオバサン世代になったという特権?もこの際利用することにした。
そのかわり、場所を迷ったり、時間を持て余すことがないように
行く場所の計画をしっかり立てて準備万端整えた。
バスの番号や停留所の場所や時間表まで調べたもんね。
何せ、住んでいた頃とは交通機関もすっかり様変わりしているのだから。

しかし、縁とは奇なるもの。
結局計画していた茶館や茶荘には半分も行かなかった。
どこへ行くことになったかは、少しずつUPしていこうと思う。

一日目、ホテルに2時過ぎに到着し、
悠遊卡(スイカみたいなMRT&バス共通カード。将来は電車でも使えるらしい)を購入。
計画通りにバスで永康街へ向かい、「冶堂」と「人澹如菊」でお茶を買い、
「声声慢」で中国風シャツを散々試着しまくり、二着だけ買う。

ここまでは良かったのだが、夕食をとる段になって誤算が。
「永康刀削麺」でジャージャー麺と酸辣湯を食べ、
デザートに「冰館」でマンゴーアイスを食べる予定だったのに、お腹の調子がどうもよくない。
多分、お昼の機内食のジャンバラヤがもたれているのだと思う。
(そういえばJAAがJALになってしまったのね。
JAAでは日本で一年、台北時代に二年バイトをしていたのでちと寂しい)

予定の「回留」でお茶にしようか?
それとも時間があったら行ってみようと思って場所をメモしておいた
「藤居」を探してみようか?
結局時間もかなり余っているので「藤居」に行くことに決めた。
「藤居」はかの有名な老舗茶館「紫藤廬」がリニューアル工事で閉店中、
場所を変えて仮営業をしている茶館である。
地図を携えて行ったのだが、やはりちょっと迷ってしまった。

「藤居」は住宅街にひっそりと、あった。
ここで私は今回の旅の縁のきっかけをつかむこととなる。
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