ロケット垂直着陸の夢
宇宙開発が抱える問題のひとつに、地球から宇宙へ人や物を運ぶのに要する費用が莫大であることが挙げられるが、最大の原因は輸送手段であるロケットを使い捨てにしているということである。
宇宙ロケットの製造費用は数十〜数百億円であり、輸送費用の過半を占めている。しかし、ロケットが航空機のように帰還し、整備と燃料補給を受けて繰り返し飛行することが可能であれば、飛行1回あたりの減価償却費ははるかに安くなるため、輸送費用を劇的に安くできると考えられた。
このような観点から様々な再使用ロケット(RLV)が検討され、アメリカではスペースシャトルが実用化されたが、実際には整備に莫大な費用を要し、かえって使い捨てロケットより高くつく結果に終わった。2011年7月8日に打ち上げられたアトランティスのSTS-135をもって、30年あまりに及んだスペースシャトル計画を終了した。
しかし、高価なロケットを使い捨てにしている限り、輸送費用の低減には限度がある。また打ち上げのたびにロケットを投棄するため、安全上の問題や環境保全、資源節約の観点からも好ましいものではない。使い捨てロケットは、経済的な再使用ロケットが実現できない時点での、次善の策と言える。
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参考 マイナビニュース: 米ブルー・オリジン、宇宙に達したロケットを垂直に着陸させることに成功
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