出来はべつとして、凝った文章を書くのが好きだ。
繰り返し強調しておく、出来はべつとして、、、ね。
シナリオでもコラムでも。
で、ひとに読ませる。
読んだひとが「時間、かかったでしょう」なんていう。
んーーー、それほどでも。
いちおう、速筆を自称しているものでして。
さすがに会話をするスピードで文章を書くことは不可能だが、読み手が想像する3分の1、4分の1くらいの時間でモノを書いている、、、と自負している。
もういちどいっておくね、出来はべつだからさ。
学生時代からそうだった。
夏休みの課題のひとつ「読書感想文」も、夏休み初日の朝30分以内で仕上げていた記憶がある。
あぁこれは、自分が誇りに出来る唯一の武器だな、そんな風に思った。
それが歌詞の世界でも通用すると思っていたんだ。
高校1年の秋―。
友人が組んだバンドに、オリジナルソング(歌詞のみ)を提供することになった。
さあて書くかと、大学ノートを開く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
おかしいな、一文字も浮かばないぞ。
そうか、そもそもどんな曲を創るのかを聞いていなかった。
リーダー(ボーカル)のKに電話をする。
「どんな歌かって?」
「そう、明るいのか暗いのかとか」
「そりゃ、明るいやつでしょ」
「了解。愛しているとか、入れればいいわけ?」
「明るいといっただけで、恋愛ソングとはいってない」
「じゃあ、どんなの?」
「うーーん、格好いい感じがいいよね。ベースがギュィ~~~~~ンって、唸る感じ」
「それはメロディ的な問題でしょ、ことばはどうするのかって話で」
「レベッカみたいなの、いいと思うんだよね」
「君は男子でしょ」
「そうだよ、だからノッコが男になって歌う感じの曲」
ワケガワカラン。
レベッカ、ねぇ。
自分も好きだが、好きというだけで柄じゃあない。
当時「ド」はまりしていたのは、映画でいえば社会派、小説でいえば純文学。
恋しただの愛しているだのではなく、生きている! いまがある!! みたいなのを書きたい。
ボビー・ウーマックが歌った『110番街交差点』みたいな詞を書きたい。
♪ 110番街交差点、通りにはすべてがある
すべてあんたに話しておきたい
兄弟、ほかにもいい方法があるぜ 生きるか死ぬか自分で選べ
生き残りたいのなら強くなれ ♪
でもレベッカは、そんなこと歌っていないし。
日本にそんな歌はないか。
いや、中島みゆきなんか、割とそんな風じゃないか。
♪ 向かいの席のオヤジ見苦しいね ひとりぼっちで見苦しいね
ビールをください ビールをください 胸がやける ♪
しかし自分のための歌ではない。
どちらかというと・・・メンバーを外された(涙)、自分を気の毒に思ったKの依頼? じゃないか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
2週間後―。
文字数にして500字程度の歌詞を仕上げた。
恋だの愛だのということばは入れてはいないが、なんとなくのレベッカ的? ソングには仕上がった。
評判は・・・まぁ彼らの表情とことばを信じれば、上々。
だが作曲出来るものが居なかった。
よくある話だよねー、詞だけが出来上がっているという。
結局、この歌詞にメロディがつけられることはなく、もちろん陽の目を見ることもなかった。
大袈裟だが、幻の歌詞―可哀想だからここに載せたいが、きのう引用した有野ちゃんによる傑作のように、誰かがそれを保管していることはなかった。
どこに行ったのか不明。
たぶん、捨てたのだろうと思う。
曲名さえ忘れたが、この挫折? をきっかけとして、自分に「毎日1000文字を書く」というルールを課していった―ことを考えると、これはこれで、よい経験だったんじゃないかと思うのであった。
おわり。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『GAME』
繰り返し強調しておく、出来はべつとして、、、ね。
シナリオでもコラムでも。
で、ひとに読ませる。
読んだひとが「時間、かかったでしょう」なんていう。
んーーー、それほどでも。
いちおう、速筆を自称しているものでして。
さすがに会話をするスピードで文章を書くことは不可能だが、読み手が想像する3分の1、4分の1くらいの時間でモノを書いている、、、と自負している。
もういちどいっておくね、出来はべつだからさ。
学生時代からそうだった。
夏休みの課題のひとつ「読書感想文」も、夏休み初日の朝30分以内で仕上げていた記憶がある。
あぁこれは、自分が誇りに出来る唯一の武器だな、そんな風に思った。
それが歌詞の世界でも通用すると思っていたんだ。
高校1年の秋―。
友人が組んだバンドに、オリジナルソング(歌詞のみ)を提供することになった。
さあて書くかと、大学ノートを開く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
おかしいな、一文字も浮かばないぞ。
そうか、そもそもどんな曲を創るのかを聞いていなかった。
リーダー(ボーカル)のKに電話をする。
「どんな歌かって?」
「そう、明るいのか暗いのかとか」
「そりゃ、明るいやつでしょ」
「了解。愛しているとか、入れればいいわけ?」
「明るいといっただけで、恋愛ソングとはいってない」
「じゃあ、どんなの?」
「うーーん、格好いい感じがいいよね。ベースがギュィ~~~~~ンって、唸る感じ」
「それはメロディ的な問題でしょ、ことばはどうするのかって話で」
「レベッカみたいなの、いいと思うんだよね」
「君は男子でしょ」
「そうだよ、だからノッコが男になって歌う感じの曲」
ワケガワカラン。
レベッカ、ねぇ。
自分も好きだが、好きというだけで柄じゃあない。
当時「ド」はまりしていたのは、映画でいえば社会派、小説でいえば純文学。
恋しただの愛しているだのではなく、生きている! いまがある!! みたいなのを書きたい。
ボビー・ウーマックが歌った『110番街交差点』みたいな詞を書きたい。
♪ 110番街交差点、通りにはすべてがある
すべてあんたに話しておきたい
兄弟、ほかにもいい方法があるぜ 生きるか死ぬか自分で選べ
生き残りたいのなら強くなれ ♪
でもレベッカは、そんなこと歌っていないし。
日本にそんな歌はないか。
いや、中島みゆきなんか、割とそんな風じゃないか。
♪ 向かいの席のオヤジ見苦しいね ひとりぼっちで見苦しいね
ビールをください ビールをください 胸がやける ♪
しかし自分のための歌ではない。
どちらかというと・・・メンバーを外された(涙)、自分を気の毒に思ったKの依頼? じゃないか。
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2週間後―。
文字数にして500字程度の歌詞を仕上げた。
恋だの愛だのということばは入れてはいないが、なんとなくのレベッカ的? ソングには仕上がった。
評判は・・・まぁ彼らの表情とことばを信じれば、上々。
だが作曲出来るものが居なかった。
よくある話だよねー、詞だけが出来上がっているという。
結局、この歌詞にメロディがつけられることはなく、もちろん陽の目を見ることもなかった。
大袈裟だが、幻の歌詞―可哀想だからここに載せたいが、きのう引用した有野ちゃんによる傑作のように、誰かがそれを保管していることはなかった。
どこに行ったのか不明。
たぶん、捨てたのだろうと思う。
曲名さえ忘れたが、この挫折? をきっかけとして、自分に「毎日1000文字を書く」というルールを課していった―ことを考えると、これはこれで、よい経験だったんじゃないかと思うのであった。
おわり。
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明日のコラムは・・・
『GAME』