大晦日を舞台とした映画といえば・・・
たとえば、キャスリーン・ビグローが手がけた『ストレンジ・デイズ』(95)。
ジュリエット・ルイスがまだ元気なころ? に出た映画のひとつで、カオス過ぎてきちんとしていない物語はともかく、彼女の脚を拝むだけでも価値があるかと。
『200本のたばこ』(98)は、大晦日に集う若い男女の群像劇。
『フォレスト・ガンプ』(94)では、ベトナムで下半身を失ったボスと新年を祝うガンプが描かれる。
QTタランティーノ組がみんな元気だったころ? に制作されたオムニバスが『フォー・ルームス』(95)。
大晦日のホテルを舞台としているが、ここでもやっぱりQTのパートが最も出来がいい。
日本映画からは、『歓喜の歌』(2007)を。
地域の合唱団を主人公にした、いかにも日本産の人情モノ。
さて、92年の大晦日について。
前章で記したとおり、自分は映画の専門学校に通う新聞奨学生だった。
驚いたが、いまの子に「奨学生」といっても、なかなか通じない。
奨学金として学費や家賃を出してもらう制度があり、朝夕刊と集金業務をおこなうことによって、それの返済に充てると。
たしかに頑丈なチャリで新聞配達する、見た目的に分かり易い苦学生? って居なくなったものね。
自分はデリヘルを頻繁に利用していたことがあり、その多くが女子大生だった。
手っ取り早く学費を稼ぐには、新聞配達より風俗なんだろうな、、、と思ったり。
それに新聞そのものを取らなくなった世帯が多いから、奨学生の絶対数も激減状態にあることは想像に難くない。
※これじゃあ、古過ぎるか
ともかく、それをやりつつ映画を学んでいたわけですよ。
元旦の新聞といえば、分厚いことで有名。
いや本紙そのものはいつもどおりなのだが、別紙が3~4部、そこにチラシも組み込まれるわけで、そこらへんの週刊誌より分厚くなったりする。
ポストによっては入らないところもあり、通常の配達の1.5倍くらいの時間を要するのがふつう。
というわけで、いつもより「さらに」早起きしなければならない。
というか。
もう、寝なくていいんじゃないかと。
配達さえ終われば2日は休刊日だし、ゆっくり眠ることが出来るから。
そう思い、奨学生仲間と「大晦日、23時」に新聞専売所で待ち合わせ。
専業さんは2階の寮で酒盛りしているはずだし、じゃあこっちも、、、ということで呑み始めた。
18歳なんだけどね、まぁ勘弁してください。
でも、ぜんぜん酔わなかった。
酔えなかった。
元旦早々、働くことがイヤだ―そういう気持ちはゼロ、むしろワクワクしていた。
2年目の元旦配達は、億劫でしかなかったが。
なんというのだろう、未経験のことに触れる喜び? ちょいと大袈裟かもしれないが、そんな高揚感に包まれ、早く新聞来ないかな、、、とかなんとか。
まだ新年も迎えていないのに。
23時45分ころ―。
イケてない、まだ東京に染まり切れていない18歳の新聞奨学生4人は、作業台の上に腰かけながら「緑のたぬき」を喰らう。
馬鹿話をしていて、ふと気づいたら年が変わっていた。
まだ「ハッピーニューイヤー♪」といい合うことさえ恥ずかしがるような、そんなダサさ全開の学生たち。
その2時間後―。
大量の新聞を載せたトラックが到着、チラシを組み込んで、日の出前に調布駅周辺を目指しチャリを漕ぎ始めたのだった。
配達前まで、家でゆっくりしていればよかったのにね。
きっと、みんな寂しかったのだと思う。
おわり。
※作品の雰囲気と、かなーりちがう予告編だな~
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『刃―やいば―』
たとえば、キャスリーン・ビグローが手がけた『ストレンジ・デイズ』(95)。
ジュリエット・ルイスがまだ元気なころ? に出た映画のひとつで、カオス過ぎてきちんとしていない物語はともかく、彼女の脚を拝むだけでも価値があるかと。
『200本のたばこ』(98)は、大晦日に集う若い男女の群像劇。
『フォレスト・ガンプ』(94)では、ベトナムで下半身を失ったボスと新年を祝うガンプが描かれる。
QTタランティーノ組がみんな元気だったころ? に制作されたオムニバスが『フォー・ルームス』(95)。
大晦日のホテルを舞台としているが、ここでもやっぱりQTのパートが最も出来がいい。
日本映画からは、『歓喜の歌』(2007)を。
地域の合唱団を主人公にした、いかにも日本産の人情モノ。
さて、92年の大晦日について。
前章で記したとおり、自分は映画の専門学校に通う新聞奨学生だった。
驚いたが、いまの子に「奨学生」といっても、なかなか通じない。
奨学金として学費や家賃を出してもらう制度があり、朝夕刊と集金業務をおこなうことによって、それの返済に充てると。
たしかに頑丈なチャリで新聞配達する、見た目的に分かり易い苦学生? って居なくなったものね。
自分はデリヘルを頻繁に利用していたことがあり、その多くが女子大生だった。
手っ取り早く学費を稼ぐには、新聞配達より風俗なんだろうな、、、と思ったり。
それに新聞そのものを取らなくなった世帯が多いから、奨学生の絶対数も激減状態にあることは想像に難くない。
※これじゃあ、古過ぎるか
ともかく、それをやりつつ映画を学んでいたわけですよ。
元旦の新聞といえば、分厚いことで有名。
いや本紙そのものはいつもどおりなのだが、別紙が3~4部、そこにチラシも組み込まれるわけで、そこらへんの週刊誌より分厚くなったりする。
ポストによっては入らないところもあり、通常の配達の1.5倍くらいの時間を要するのがふつう。
というわけで、いつもより「さらに」早起きしなければならない。
というか。
もう、寝なくていいんじゃないかと。
配達さえ終われば2日は休刊日だし、ゆっくり眠ることが出来るから。
そう思い、奨学生仲間と「大晦日、23時」に新聞専売所で待ち合わせ。
専業さんは2階の寮で酒盛りしているはずだし、じゃあこっちも、、、ということで呑み始めた。
18歳なんだけどね、まぁ勘弁してください。
でも、ぜんぜん酔わなかった。
酔えなかった。
元旦早々、働くことがイヤだ―そういう気持ちはゼロ、むしろワクワクしていた。
2年目の元旦配達は、億劫でしかなかったが。
なんというのだろう、未経験のことに触れる喜び? ちょいと大袈裟かもしれないが、そんな高揚感に包まれ、早く新聞来ないかな、、、とかなんとか。
まだ新年も迎えていないのに。
23時45分ころ―。
イケてない、まだ東京に染まり切れていない18歳の新聞奨学生4人は、作業台の上に腰かけながら「緑のたぬき」を喰らう。
馬鹿話をしていて、ふと気づいたら年が変わっていた。
まだ「ハッピーニューイヤー♪」といい合うことさえ恥ずかしがるような、そんなダサさ全開の学生たち。
その2時間後―。
大量の新聞を載せたトラックが到着、チラシを組み込んで、日の出前に調布駅周辺を目指しチャリを漕ぎ始めたのだった。
配達前まで、家でゆっくりしていればよかったのにね。
きっと、みんな寂しかったのだと思う。
おわり。
※作品の雰囲気と、かなーりちがう予告編だな~
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明日のコラムは・・・
『刃―やいば―』