Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

小僧は、待ってるぜ。

2012-04-21 00:15:00 | コラム
そういう世界だ、そういうものだ―といってしまえばそれまでだが、
企画や制作ニュースは耳に入ってくるのに、いっこうに完成品として発表されない映画が多い。

橋本忍が10年走り回って完成に漕ぎつけた『砂の器』(74)や、
何度も撮影が中断されたスコセッシの『最後の誘惑』(88)、
キューブリックの映画なんて「なにも起こらなくても」完成が遅いし、

映画ファンは陽の目を見ることを信じて待つほかはない、、、のかもしれない。

たとえば黒澤の『生きる』(52)のハリウッド版は、どうした。
トム・ハンクスが主演で、監督もジム・シェリダンと決まっていたにも関わらず、
『幸福の黄色いハンカチ』(77)や『Shall we ダンス?』(96)のリメイクのほうが先に出来ている。

同じ黒澤のリメイクでいえば、『天国と地獄』(63)だって気がかりだ。
当初はスコセッシが監督するはずだったが製作総指揮にまわり、監督はマイク・ニコルズに決定・・・というニュースが飛び込んできたのが既に3年くらい前なのである。

その逆に、制作ニュースを目にした数ヵ月後には公開されるという「加速系? の映画」もある。

時代の流れとして「いましかない!」と思われる内容であったり、
子役ティーンエイジャーの「フレッシュな魅力」を焼きつけるためであったりするもの―が多いと思うが、後者のケースが『キャリー』(76)のリメイクだろう。

現在、急ピッチで撮影中らしい。
監督は佳作『ボーイズ・ドント・クライ』(99)のキンバリー・ピアーズ、
キャリーの狂信的な母親に贔屓女優のジュリアン・ムーア、
そしてヒロインのキャリーに、やはり自分が推すクロエ・グレース・モレッツ。(トップ画像)

クロエはまさに「いまが旬」の女優ではあるが、キャリー役にはちょっとキュートに過ぎる気もする。
あの役は「どんくさく」なければいけないし、異性を惹きつけるようなところがあってはいけないはず。
演技力やメイクでカバーするのかもしれないが、少し不安。

不安といえば、彼女がウィノナ・ライダーやジュリエット・ルイス、ソーラ・バーチのようになるのではないか、、、というのもある。
彼女らに共通するのは、10代後半~20代前半にかけて、少しエッジの効いた作品で大活躍していた、ということ。

才能があるのは確かなのに、なぜか20代後半から伸び悩んでいる。
そうならなかったのがキルスティン・ダンストやクリスティーナ・リッチで、彼女らとのちがいはどこにあるんだろう・・・と思う。

頑張ってくれ、クロエ。


さてもうひとつ、
ずぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~・・・・・・・・
っと、待っている映画がある。

遠藤周作の傑作『沈黙』を、スコセッシが映画化する企画だ。

このニュースを初めて目にしてから現在まで、自分は原作小説を何度読み直したことだろう。

どのシーンを削り、また、どのシーンを変えるのか―初見でそれを理解出来るよう、完全にマスターしようとしているのである。

ニュージーランドのロケハンは終わっている、はず。
オーディションもおこなわれ、キャスティングも決まっている、、はず。
調査のためにスコセッシが長崎に行った、、、はず。

それなのに。
あぁ、それなのに。

『シャッター アイランド』(2009)の次がそうだ、
『ヒューゴ』(2011)の次こそそうだ、、、といわれても、続報はぜんぜん聞かれない。


ガッデム!!

まぁしかし。
なにをしているかも分からないテレンス・マリックや小栗康平に比べたら、
次々に新作を放ってくれるのだから、「期待しがい」、そして間違い、、、ではなく「待ちがい」があるってもんだ。


というわけでスコ爺よ、
小僧は、待ってるぜ。





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明日のコラムは・・・

『ほんとうは折ってやりたい、、、けれども』


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3 コメント

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挫折、とん挫 (oyajisann)
2012-04-21 11:26:30
映画って企画の段階でボツは多いでしょうが?
撮影始まって途中で挫折、とん挫なんて結構あるんでしょうか?
不吉な質問で申し訳ないです。ぺこり
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oyajisannさん (まっき~)
2012-04-21 15:47:50
沢山、ありますです。
たとえば『荒野の七人』、これシュワやスタローン、トム・クルーズでリメイクの話がありました。
結局、誰のスケジュールも都合がつかずに頓挫・笑

あとキューブリックが、ほんとうは『アイズ ワイド シャット』ではなく、先に『A.I.』を撮ろうとしていたのは有名な話ですよね。技術が追いつかず、先にトム(元)夫妻の映画を撮ったのですが、完成直後に死去。そうして脚本は、スピルバーグの手に。ですから『A.I.』も、幻の企画になる可能性があったわけです。
返信する
ありがとうございます (oyajisann)
2012-04-21 16:55:59
即レスありがとうございます。
そう言えばかすかな記憶ですが亡くなった
ヘルム映画にも出てましたね。
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