よく語り継がれる本のなかに、
坂口安吾の堕落論があります。
戦時中から戦後にかけての日本人を観察した、
独自の視点が面白いエッセイです。
その中に、誰もが早く戦争が終われと思っていたのに、
誰もそれを言い出せず、天皇陛下の放送を聞いて、
陛下が言うのなら仕方ないと思っていた人たちを、
嘘つきであると言う非難する部分があります。
このコロナもまた、だれか影響力のあるエライ人が、
もう良いですよと言うまで、心のなかで、
もう嫌だとか、いつまで対策やるんだとか、
仕方なく従っている人が多いと思います。
或いは、本当は大したことないと思っていても、
大変ですねとか、何時まで続くんですかねとか、
怖いですねとか、世間話でしてくる人が多い事・・・
でも、結局その従う事が事態を長引かせる事になり、
自分に跳ね返るんです。
何時まで有難いお言葉を待つのですかね。
待つのではなく、少しでも過去に学ぶのであれば、
そろそろ、いい加減にしろと声をあげていかないと。
堕落論の同じ部分の続きで、欲するところを欲し、嫌だと思う事は
嫌だと言う事が、人間の正しい姿だと著者は言う。
この当たり前が、出来ない全体主義の今の世界、
嫌なら嫌といって言いのです。
少しづつ、怖い怖いと相槌を打つのを止めてみる事からでも、
始めてみたらどうでしょう。
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