シモーヌ・ヴェイユの重力と恩寵を読んで、
持っていた印象と違う部分が幾つかあったり、
難しいまま終わるかと思ったら、意外な面もあり、面白かった。
正直、凄いキリスト教徒でもない限り、
なかなか共感できない部分もある。
こんな自分に厳しすぎる人が近くにいたら、多分友人にはなれない。
マルクス主義を批判する部分は、おやっと思った。
ルノーの工場で過酷な労働を自ら体験し、ぶっ倒れるまで働いた人だから、
自分はてっきり、その開放された人・・・搾取される側の人の味方とも思っていたが、
冷静に世の中を見ているのだなと思った。
カントでさえ、フランス革命で感動していたくらいなのに。
もっと別の本を読めば、理解も深まるかもしれない。
古代から中世、近代、現代と来る中で、
どれも、完全なものはなく、今の民主主義だって、ベターな選択としての結果。
それを守れ守れと言ったかと思いきや、政府にもっと権限を行使しろと迫る不思議。
いったい、どの体制がいいのか分からなくなった。
どう考えても、テレビや大衆は、民主主義を捨てたがっているようにしか見えない。
民主主義の世の中で、プラトンは、感情に流された民衆(大衆)によって、
ソクラテスが死刑判決を受けた事などから、民主主義に否定的だったと言われている。
優れた哲人によって、国を動かす事を理想にしていた。
ただ、民主主義でこのまま行くとするなら・・・
感情に流される大衆の存在を何とかしなければならないし、
大衆発生装置のテレビも何とかしなければならないし、
そんな大衆に迎合する政治家も何とかしなければならないし・・・
それらを克服した未来は来るのかなと考えると、なんとも絶望的な気がする。
自分だって、まだ足りないのだけれど。
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