僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

サクラ咲く

2007年04月01日 | いろいろな顔たち
サチは4歳、1歳の弟がいる

おとうは働き者で道楽はなし
唯一の楽しみが仕事を終えて家族で過ごす炉端のぬくもりだった
おかあは美人ではねぇが朝早くから夜遅くまで家事をこなし
不平一つ言ったことがなかった
だが、無理がたたってかこの3月ほど寝たり起きたりの生活じゃ

家が貧しいので家族みんなが満足に食べられない
今日は幼稚園を休んで山に来た
弁当にするおかずを弟に食わしてやってしまったから

山できのこや山菜を見つけて持って帰ると
みんなが喜ぶ
サチは腹が減っていてもそれで嬉しかった
そんな子どもだった

ウグイスの声を追って奥まで来てしまった
山菜は見つからなかったが、突然に開けた空間に
一本のそれは見事なサクラの木を見つけた
5分咲きの初々しい美しさだった
サチが口を開けて見とれていると背後から声がした

「きれいだべ、見たことないほどきれいな花だべ」

驚いて振り向くとサチの2倍ほどの背丈の山姥が立っていた



つづく、かもしれません…

画像はコスモス様に投稿していただきました。


コメント (1)
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