サチは4歳、1歳の弟がいる
おとうは働き者で道楽はなし
唯一の楽しみが仕事を終えて家族で過ごす炉端のぬくもりだった
おかあは美人ではねぇが朝早くから夜遅くまで家事をこなし
不平一つ言ったことがなかった
だが、無理がたたってかこの3月ほど寝たり起きたりの生活じゃ
家が貧しいので家族みんなが満足に食べられない
今日は幼稚園を休んで山に来た
弁当にするおかずを弟に食わしてやってしまったから
山できのこや山菜を見つけて持って帰ると
みんなが喜ぶ
サチは腹が減っていてもそれで嬉しかった
そんな子どもだった
ウグイスの声を追って奥まで来てしまった
山菜は見つからなかったが、突然に開けた空間に
一本のそれは見事なサクラの木を見つけた
5分咲きの初々しい美しさだった
サチが口を開けて見とれていると背後から声がした
「きれいだべ、見たことないほどきれいな花だべ」
驚いて振り向くとサチの2倍ほどの背丈の山姥が立っていた
つづく、かもしれません…
画像はコスモス様に投稿していただきました。
おとうは働き者で道楽はなし
唯一の楽しみが仕事を終えて家族で過ごす炉端のぬくもりだった
おかあは美人ではねぇが朝早くから夜遅くまで家事をこなし
不平一つ言ったことがなかった
だが、無理がたたってかこの3月ほど寝たり起きたりの生活じゃ
家が貧しいので家族みんなが満足に食べられない
今日は幼稚園を休んで山に来た
弁当にするおかずを弟に食わしてやってしまったから
山できのこや山菜を見つけて持って帰ると
みんなが喜ぶ
サチは腹が減っていてもそれで嬉しかった
そんな子どもだった
ウグイスの声を追って奥まで来てしまった
山菜は見つからなかったが、突然に開けた空間に
一本のそれは見事なサクラの木を見つけた
5分咲きの初々しい美しさだった
サチが口を開けて見とれていると背後から声がした
「きれいだべ、見たことないほどきれいな花だべ」
驚いて振り向くとサチの2倍ほどの背丈の山姥が立っていた
つづく、かもしれません…
画像はコスモス様に投稿していただきました。