僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

オムレツ

2007年06月01日 | SF小説ハートマン
「大丈夫、さっき冷凍庫にちょっとだけ入れといたから、たぶんしみないわよ、」
「えーっ本当?でも心配だからメガネするよ。」
「うふ、いいわよ。スイミングの後洗ったから、まだハンガーに干してあるわ。」

「普通に細く切ってからそれをまた細かくするのよ。」
「うん、みじんぎりでしょ?」
「あら知ってるんだ、さすが宇宙ね。なるべく小さくお願いね。」
「まかせてよ。」

ママは大丈夫って言ったけどやっぱりちょっと目がしょぼしょぼになってきた。
ママにそう言うと、包丁は良く切れるはずだから後はスピードだって教えてくれた。

「でも急いで切らなくていいわよ。あわてると危ないから。」

う~ん、鉄人の宇宙君としてはもっと早く切れるようになりたい。

「さぁ、塩とコショウしたら焼くわよ。準備はいい?」
「お皿もここに置いたよ。」

「いいわ、じゃぁちょっと練習ね。フライパン重いから一緒にやろうね。オムレツは時間とトントンが勝負なのよ。」
「トントンって何?」

ママはフライパンにたたんだふきんを乗せて手元をトントンとリズミカルに叩いた。

「わぁママすごい、ふきんが回ってきた。」
「最初はちょっと難しいと思うけど、宇宙ならきっとできるようになるよ。どう、やってみる?」

「うん、やりたい!」
コメント (15)
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