
若かった頃、スーパーマーケットのアルバイトをした
不足した商品を倉庫から出して陳列する仕事だった
通称「前進」と言って棚に並んだ商品を
前の方にきれいに並べ直したり
インスタントラーメンを取り出し易いように
パッケージの段ボールにカッターでU字形の切り込みを入れたりした
指示する正社員より、年期の入ったアルバイトの方が
仕事の段取りが早かった
年が1個上だったそのバイトがマイムを誘ってくれた
俺んちこいよ、飯食ってけよ
何となく嫌と言えないで、そのまま付いていった
ちょっと待ってろよ、いま用意すっからな
そう言ってちゃぶ台に運んできたのは
保温でちょっと固くなったご飯と、ネギだけの味噌汁
それにガチガチにしょっぱい塩鮭だった
美味いとか不味いとかを超越した、オモテナシのご飯だった


今日の味噌汁は、ネギの他に豆腐も入れた
ラフテーの煮汁と残った脂もちょっと加えた

最後にもみ海苔もちょっと散らした
めっちゃ美味いよ

あの時の先輩、名前は忘れてしまったけれど
今度はマイムが誘ってあげたい
俺んち来ないか?旨いネギの味噌汁食ってけよ。。