
金は非常に殊な金属だ
宇宙空間で、それは腐食することがない
電気的に優れた特徴を備えている
そしてそれは
地球にあった
「それ」は地球の石ころから金を作り出す方法を知っていた

「それ」は地球の原石を母国に持ち帰るのではなく
もっと効率の良い方法も知っていた
地球の生物にその作り方を教え
完成したものを蓄えておいて
必要なとき必要なだけ使う

自身は「神」となり姿を見せず
その圧倒的な力をちらつかせることによって
生物たちを恐れさせ崇めさせる
自ら直接手を下すことはせず
全く効率よく目的を達成させた

しかし
目的は終わったわけではなく
今でも続いているのだ
生存期間がせいぜい100年(地球を基準にして)の生物からすれば
途方もない時間だが
数千光年、あるいは数万光年の彼方から飛来する「それ」にしてみれば
遺跡と呼ぶほどのものではなく
ただの目印なのかもしれない
