◆ヨハネによる福音書◆サマリアの女との対話 つづき(第4章1節~30節)八木誠一訳(1970年)
15:そこで女が言った。
「主よ、どうかその水を私にくださいまし。そうすればもうのどは渇かないし、ここに水をくみに来ないで済みますから」。
16:イエスは言った。
「行ってあなたの御主人を呼び、ここにおいでなさい」。
17:女は答えた。
「私には夫はありません」。
するとイエスは言った。
18:「夫はないとはよく言った。あなたには5人の男がいた。そして今の人はあなたの夫ではない。あなたの言うことはもっともだ」。
世を審き、真理を与えて人を生かすキリストは、人の隠れた罪を適確にとらえ、明るみに出すのである。しかしそれだけでなく、女は男 によって生きるものではないという事実、だから女が男によって生きようとすれば、絶望するか、あるいは男から男へ渡り歩くことにな るのを、示すのである。
19:女は言う。
「主よ、あなたは人の心を見透す預言者でいらっしゃることがわかりました。それでお尋ねしたいことがあります」。
こういう女が以下のようなことを問うのは、自己の生命の支点を尋ね求める人間は、その努力の中に、究極の真理への問を無自覚ないし 倒錯した形においてにもせよ秘めていることが、キリストの前であらわれることを示す。女は続ける。
20:「私たちサマリア人の祖先はこのゲリジム山で神を礼拝しました。それなのにあなた方ユダヤ人は、神を拝するならエルサレムでなけれ ばならないと言いますが、どんなものでしょうか」。
21:イエスは女に言う。
「わたしのことを信じなさい。この山でもエルサレムでもなく、特定の聖所に限られずに神を拝する時が来る。真理を知らないあなた方 は何を拝んでいるいるのか知らないままで礼拝を捧げているが、私達は知っているものを拝している。
23: 真の礼拝者が神との真実の関係において、すなわち真理そのものに基づき、それを成就する霊に導かれて、神を拝する時が来るし、も う来ているのだ。そして父なる神もそのような礼拝を要求していらっしゃる。神は霊において人間に働きかける。だから、神を拝する者 は、真理と霊において神を拝さなくてはならない」。
25:女はイエスに言う。
「おっしゃることはよく解りませんが、世の終わりの時に膏注がれた救世主(キリスト)が到来すると申します。そのときにキリストさ まは私達に何でも解き明かしてくださるでしょう」。
26:それでイエスは彼女に告げる。
「あなたと話しているこの私こそそれなのだ」。
27:このときイエスの弟子たちが帰ってきて、イエスが女と言葉を交わしているのを見て驚いた。しかも誰も、イエスが女に何の用がある
か、また何を話しているのか、尋ねなかった。さて女といえば、水がめを放り出して急いで町に帰り、人々に告げた。
29:「来てごらんなさい。私のしたことを何でも言い当てた人がいます。もしかするとキリストさまではないかしら」。
30:それで人々は町から出てイエスのもとに集まった。
(<サマリアの女との対話>の章 おわり)・・・
15:そこで女が言った。
「主よ、どうかその水を私にくださいまし。そうすればもうのどは渇かないし、ここに水をくみに来ないで済みますから」。
16:イエスは言った。
「行ってあなたの御主人を呼び、ここにおいでなさい」。
17:女は答えた。
「私には夫はありません」。
するとイエスは言った。
18:「夫はないとはよく言った。あなたには5人の男がいた。そして今の人はあなたの夫ではない。あなたの言うことはもっともだ」。
世を審き、真理を与えて人を生かすキリストは、人の隠れた罪を適確にとらえ、明るみに出すのである。しかしそれだけでなく、女は男 によって生きるものではないという事実、だから女が男によって生きようとすれば、絶望するか、あるいは男から男へ渡り歩くことにな るのを、示すのである。
19:女は言う。
「主よ、あなたは人の心を見透す預言者でいらっしゃることがわかりました。それでお尋ねしたいことがあります」。
こういう女が以下のようなことを問うのは、自己の生命の支点を尋ね求める人間は、その努力の中に、究極の真理への問を無自覚ないし 倒錯した形においてにもせよ秘めていることが、キリストの前であらわれることを示す。女は続ける。
20:「私たちサマリア人の祖先はこのゲリジム山で神を礼拝しました。それなのにあなた方ユダヤ人は、神を拝するならエルサレムでなけれ ばならないと言いますが、どんなものでしょうか」。
21:イエスは女に言う。
「わたしのことを信じなさい。この山でもエルサレムでもなく、特定の聖所に限られずに神を拝する時が来る。真理を知らないあなた方 は何を拝んでいるいるのか知らないままで礼拝を捧げているが、私達は知っているものを拝している。
23: 真の礼拝者が神との真実の関係において、すなわち真理そのものに基づき、それを成就する霊に導かれて、神を拝する時が来るし、も う来ているのだ。そして父なる神もそのような礼拝を要求していらっしゃる。神は霊において人間に働きかける。だから、神を拝する者 は、真理と霊において神を拝さなくてはならない」。
25:女はイエスに言う。
「おっしゃることはよく解りませんが、世の終わりの時に膏注がれた救世主(キリスト)が到来すると申します。そのときにキリストさ まは私達に何でも解き明かしてくださるでしょう」。
26:それでイエスは彼女に告げる。
「あなたと話しているこの私こそそれなのだ」。
27:このときイエスの弟子たちが帰ってきて、イエスが女と言葉を交わしているのを見て驚いた。しかも誰も、イエスが女に何の用がある
か、また何を話しているのか、尋ねなかった。さて女といえば、水がめを放り出して急いで町に帰り、人々に告げた。
29:「来てごらんなさい。私のしたことを何でも言い当てた人がいます。もしかするとキリストさまではないかしら」。
30:それで人々は町から出てイエスのもとに集まった。
(<サマリアの女との対話>の章 おわり)・・・