人気ミステリー作家の真保裕一さんの文庫本「アマルフィ 外交官シリーズ」(発行は講談社)を読みおえました。
先日、都内にある大手書店に行った際に、真保さんが書いた文庫本「アマルフィ 外交官シリーズ」(2013年1月13日発行)が多数、平積みされていて、最近は真保さんの小説を読んでないので、読んでみようと思い、買い求めました。
この文庫本「アマルフィ 外交官シリーズ」は、2009年にフジテレビが開局50周年記念事業の一環として製作した映画「アマルフィ 女神の報酬」の原作と思っていました。しかし、その後に、映画のクレジットには原作の“原案”として協力したとのクレジットもなく、いろいろなうわさが飛んだと聞きました(詳細は知りません)。
この小説「アマルフィ 外交官シリーズ」と映画「アマルフィ 女神の報酬」はいくらか中身が違っていて、この小説は映画のストーリーを単純にノベライゼーション(シナリオを小説化)したものではないとのことだったので、読んでみました。
文庫本「アマルフィ 外交官シリーズ」は冒頭のギリシャの片田舎の海岸での冒険活劇シーンは、例えば映画「007」シリーズのような派手なアクションシーンです。日本の外務省の“特命”領事である黒田康作が派手な行動で問題を一見落着させます。
実は事なかれ主義の日本の大使館員とは、まったく異なるはみ出し外交官の物語だと伝える冒頭のエピソードです。
小説の主人公の大使館員の肩書きは、小説と映画では少し違うそうです。外務省の事務次官の指示で動く特命領事ですが、微妙に違う肩書きのようです(原作の映画を見ていないので違いがわかりません)。
この冒頭のエピソード後に、イタリアの首都ローマ市に赴任命令が下ります。日本の外務大臣がイタリアに、ある件の調印式で行くため、その警備対策をサポートする任務です。
そして、ローマ市を観光旅行で訪れてた日本人の女性の娘が誘拐される事件が起こります。イタリア大使館としては、被害者の女性に協力しながら、深くは介入しないという判断でしたが、主人公はまずはイタリア語が話せない女性のイタリア語通訳として介入し、イタリアの警察と“誘拐事件”の対応を図ります。お互いに考え方の違いがあり、対処法を巡ってぶつかります。
以下は、ミステリーの中身に関係します。実はこの日本人女性の娘の誘拐は、犯人側が警備会社のセキュリティーシステムのサーバー室に入り込むために起こした誘拐劇でした。
主人公の外交官は少ない手がかりから、大手警備会社のセキュリティーシステムが事件のカギと推理し、大手警備会社の中枢にたどり着きます。これが犯人側の狙いでした。
話は飛んで、最後はローマ市内にあるバチカン市国に引かれた鉄道での活劇シーンになります。この部分は映画と小説ではいくらか異なるようです。バチカン市国がかなり協力しないと、撮影できないシーンです。この点、小説は自由に書くことができます。
小説「アマルフィ 外交官シリーズ」の第一作は冒険活劇としては面白いですが、途中がやや長い感じです。犯人の意図通りに、ローマから観光名所のアマルフィに行く部分は、ややしまりのない感じです。
真保さんが小説家になった当初の「小役人シリーズ」のような緊張感のある文章ではない印象を持ちました。小役人は地道な推理作業を積み重ねて行きますが、はみ出しスーパーヒーローの外交官は派手に動く冒険活劇の主人公です。
この「外交官シリーズ」は次作があるようです。日本では少ない冒険活劇シリーズとして成功するように期待したいと思います。
先日、都内にある大手書店に行った際に、真保さんが書いた文庫本「アマルフィ 外交官シリーズ」(2013年1月13日発行)が多数、平積みされていて、最近は真保さんの小説を読んでないので、読んでみようと思い、買い求めました。
この文庫本「アマルフィ 外交官シリーズ」は、2009年にフジテレビが開局50周年記念事業の一環として製作した映画「アマルフィ 女神の報酬」の原作と思っていました。しかし、その後に、映画のクレジットには原作の“原案”として協力したとのクレジットもなく、いろいろなうわさが飛んだと聞きました(詳細は知りません)。
この小説「アマルフィ 外交官シリーズ」と映画「アマルフィ 女神の報酬」はいくらか中身が違っていて、この小説は映画のストーリーを単純にノベライゼーション(シナリオを小説化)したものではないとのことだったので、読んでみました。
文庫本「アマルフィ 外交官シリーズ」は冒頭のギリシャの片田舎の海岸での冒険活劇シーンは、例えば映画「007」シリーズのような派手なアクションシーンです。日本の外務省の“特命”領事である黒田康作が派手な行動で問題を一見落着させます。
実は事なかれ主義の日本の大使館員とは、まったく異なるはみ出し外交官の物語だと伝える冒頭のエピソードです。
小説の主人公の大使館員の肩書きは、小説と映画では少し違うそうです。外務省の事務次官の指示で動く特命領事ですが、微妙に違う肩書きのようです(原作の映画を見ていないので違いがわかりません)。
この冒頭のエピソード後に、イタリアの首都ローマ市に赴任命令が下ります。日本の外務大臣がイタリアに、ある件の調印式で行くため、その警備対策をサポートする任務です。
そして、ローマ市を観光旅行で訪れてた日本人の女性の娘が誘拐される事件が起こります。イタリア大使館としては、被害者の女性に協力しながら、深くは介入しないという判断でしたが、主人公はまずはイタリア語が話せない女性のイタリア語通訳として介入し、イタリアの警察と“誘拐事件”の対応を図ります。お互いに考え方の違いがあり、対処法を巡ってぶつかります。
以下は、ミステリーの中身に関係します。実はこの日本人女性の娘の誘拐は、犯人側が警備会社のセキュリティーシステムのサーバー室に入り込むために起こした誘拐劇でした。
主人公の外交官は少ない手がかりから、大手警備会社のセキュリティーシステムが事件のカギと推理し、大手警備会社の中枢にたどり着きます。これが犯人側の狙いでした。
話は飛んで、最後はローマ市内にあるバチカン市国に引かれた鉄道での活劇シーンになります。この部分は映画と小説ではいくらか異なるようです。バチカン市国がかなり協力しないと、撮影できないシーンです。この点、小説は自由に書くことができます。
小説「アマルフィ 外交官シリーズ」の第一作は冒険活劇としては面白いですが、途中がやや長い感じです。犯人の意図通りに、ローマから観光名所のアマルフィに行く部分は、ややしまりのない感じです。
真保さんが小説家になった当初の「小役人シリーズ」のような緊張感のある文章ではない印象を持ちました。小役人は地道な推理作業を積み重ねて行きますが、はみ出しスーパーヒーローの外交官は派手に動く冒険活劇の主人公です。
この「外交官シリーズ」は次作があるようです。日本では少ない冒険活劇シリーズとして成功するように期待したいと思います。