ヒトリシズカのつぶやき特論

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グリー副会長の山岸広太郎さんの“ゲーム論”の講演を拝聴しました

2014年12月09日 | 汗をかく実務者
 日本のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) 大手企業であるグリー(GREE,Inc.)の取締役・副会長の山岸広太郎さんの講演「ゲームは社会に貢献できるか」を拝聴しました。

 山岸さんは、2004年2月にグリー創業者の田中良和さん(現・代表取締役会長・社長)が個人的な趣味として開発したソーシャル・ネットワーキング・サービス 「GREE」の運営を始め、その運営を安定化させるために、運営会社のグリーを同年12月に創業した時の創業メンバーのお一人です。

 山岸さんは、慶応義塾大学の経済学部を1999年に卒業した後に、出版社・メディア2社を経てグリー創業時の2004年12月に、グリーに入社し取締役に就任します。2014年9月に、取締役 ・副会長に就任しています。



 グリーは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス「GREE」を最初の中核事業とし、世界初のモバイル・ソーシャルゲームを開発するなど「日本のモバイルインターネットサービスを牽引してきました」と、同社のWebサイトでは、うたっています。

 今回、講演タイトル「ゲームは社会に貢献できるか」はなかなか奥が深いタイトルです。IT産業では、2010年ごろからゲームを利用した教育方法という「ゲーミフィケーション」(Gamification)の研究や教育への応用が盛んになっています。今回の講演の主題は「ゲーミフィケーションについて」です。

 「ゲーミフィケーション」の話に入る前に、インターネットを利用したゲームについての一般的なイメージについて、考えます。一般的に、親は子供がインターネットを利用したゲームに夢中になるのは“遊び”だからとみています。そして、インターネットを利用したゲームにうつつを抜かすと勉強がおろそかになると考えています。平均値的な親のインターネットを利用したゲーム像です。

 両親が思うインターネットを利用したゲームイメージ像が、その子供にそのまますり込まれては、将来の同社のユーザーを失う可能性があります。そこで、グリーは各地の中学校や高校などで、インターネットを安全かつ楽しく使う、学ぶべきルールや注意点などを伝える出前講義を始めています。この活動は、グリーのCSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)として取り組んでいるようです。

 2020年ごろには、各地の小学校で一人1台のタブレット型情報端末が導入されるとの計画が進んでいます。この将来のユーザー候補である小学生たちにグリーのファンになってもらうことは重要な布石です。

 さらに、2014年4月から毎月1回、プログラミング教室「プログラミングラボ」をグリー本社(東京都港区六本木)で開催し、約20人から30人の小学生が、ゲームづくりを通して、コンピューターなどのプログラミングとは何かを学んでいるそうです。日本の将来のIT(情報技術)人材を育成する布石だそうです。

 さらに、千葉大学教育学部とグリーの共同授業「メディアリテラシー教育演習」を2013年後期から始めています。この共同授業では「ゲームづくりの知見やゲームが持つ“力”を教育にいかす研究などを進めている」そうです。2013年後期の共同授業の終盤では、千葉大学の学生とグリーのエンジニアとチームをつくり、自分たちが企画した“教育ゲーム”を共同で作成する共同作業を実施したそうです。

 この辺りから「ゲーミフィケーション」論議になります。長くなったので、今回はここまでとします。明日に続きます。