ここ南阿蘇に越してくる前は、山菜などまったく興味がなかった。ただ毎年ワラビ狩りだけは恒例行事で西原村の俵山へ出かけていた。西原村の俵山といっても南外輪山の端っこで、ここからも近いのだがー
今では庭にウドを植えているし、我が家の周りでワラビ、ゼンマイ、ふきのとう(成長してふき)は採れる。
実はタラの芽も庭の隅にこの春植えた。苗木を買ったのでまだまだ小さいのだが、一丁前に芽吹いている。
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さて昨日は午前中、畑にとうもろこしと枝豆を植えた。とうもろこしは動物対策(たぬき、いのしし、猿など)をしっかりして、枝豆は収穫の時期を誤らない様にしなければならない。
年数を重ねるたびに、失敗は減ってきた。今年はたまねぎをいっぱい植えているのだが、玉が次第に太ってきた。春キャベツもたくさん植えている。これも巻き始めた。問題は青虫。朝からの仕事は蝶々退治。殺生してごめんと心で詫びながらー
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虫かご持って走り回っている姿は、知ってる奴が見たら、「あーあおやまもとうとうボケたか」と言われそう。蝶々がキャベツの葉っぱに卵を産みつけてこれが天敵青虫になるのだ。農薬を使用しないから、戦うしかないのだ。これを「ジェロニモ作戦」といっている。
お隣のHさんから、田舎暮らしをする前に長い間居住した京都時代からの友人Kさんがやっているコンビニで「タラの芽祭り」(勝手に私がこう呼んでいる)をやるということを聞いたので、昼から出かけた。
タラの芽も春の山菜の代表といってもいいくらいの存在。てんぷらは格別だ。
店の前にテントを張って、そこでHさんがてんぷらを揚げて提供するのだ。去年も行って二度目だ。
天気がよくて「てんぷら日和」だった昨日。作業でお腹すかせて行ったので、てんぷらもカレーライスも美味かった。Kさんが畑で育てているタラの芽で、説明を聞きながら舌鼓を打った。
庭には名を知らない花々が咲き乱れていた。特に八重のつつじ、木蓮、ほたるかずらが綺麗で可愛かった。
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大てまりを刺し芽にするようにと5本枝を切ってくれ、紫色の珍しいほたるかずらも一株いただいた。
お腹もいっぱいになったので、タラの芽の生産現場へ案内してもらった。
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3反の畑に、タラの芽が3,4百本。西原村の「道の駅」に出しているとのことだが世話もたいへんそうだった。
皮の手袋で茎の頭に生えた芽をいっぱい捥いでくれた。
もう70を超えておられる筈だが矍鑠として、精力的。一見怖い顔なのだが、実際には優しく繊細な人。京都時代は能面を彫られる技術も持っていたという。作品を一度見せてもらったけれどそれはそれはすばらしいもので、趣味の域をはるかに超えた職人技術のように思えた。
いっぱいお土産と愛情をいただいて感謝です。