まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

会社経営―重要なステークホルダー

2007-07-05 00:13:35 | 企業一般

○ 会社は、人・物・金(+技術)によって成り立っていると言われます。しかし、私は、人を前提として、物・金・知恵(技術ノウハウも含む)によって成り立っていると考えています。即ち、会社の全ての基礎は人と考えます。では一番重要な人をどの様に考えれば良いのでしょう。企業を支える人は、3者に分割出来ると思います。あるいは重要なステークホルダーは3者と言っても良いと思います。それは①従業員、②取引先(顧客・仕入先。金融機関等)&③株主ですね。経営陣は、この3者を常にバランス・調和を計りながら、会社を経営する必要があります。昔は株主の比重は殆どなかったですが、最近は他と同様のレベルにまで上がって来ました。経営者は、この3者と常に協力しながら日常のビジネスとともに、中・長期的観点での戦略をもって、しっかりしたビジョンの下に会社を経営しなければなりませんね。

【株主】

        まず③の株主です。昔は、安定株主・持ち合い株主ということで、物言わぬ株主が多かったですね。お互いに株式を持ち合えば、干渉されたくないし干渉しない。お金も相互でお互い様ですからね。しかし、この構造が崩壊しました。それにかわり、この数年ぐらいの間に投資ファンドが台頭して来ました。残念ながら外資系ファンド・外国人株主が多いですね。早く日本の年金基金等をバックにした日本のファンドが勢力を持って欲しいと思います。外資系ファンドが儲けたお金が外国の年金基金の運用に貢献しているというのは如何かと思います。日本のファンドが日本の年金基金に貢献して、われわれの年金の手取りに貢献するのが良いですね。

      ファンドは、運用成績を高めないといけませんので、企業の経営に口を挟みます。ROEが一定率以下で3年続けば役員重任を認めないなどの基準が出来てきています。年金は長期的視点ですので、経営者の視点とも合致します。ただ、口は出しても企業価値の向上には役立ちません。しかし、経営がしっかりしておれば増資のときに応募してくれますし、高株価が維持できれば有利なエクイティファイナンスが出来ますから、きちんと対応しないといけませんね。普段からIR活動をして、機関投資家とも十分コミュニケーションを計らないといけない時代になりました。また、個人株主とも総会後の懇親会や株主通信などでコミュニケーションを計り、買収防衛策にもなる安定株主作りをしましょう。

・ かつては額面50円に対して何円配当等という尺度で配当をしていましたが、時代も変わりました。今はやはりきちんとそれなりの(=株主がある程度納得する)配当性向を公表(公表している会社も多くなりましたが)して、収益のうち応分の利益は、株主にしっかり配当しましょう。

【取引先】

        顧客が購入してくれる製品・役務を提供することが企業の業務です。これによって収益を得ます。顧客がお金を払ってくれないと企業は当然存続できません。自己満足の製品を開発してもお客が居なければ趣味の世界です。しかし、この製品・役務を提供するには自分だけで出来るわけでもありません。原材料やサービス提供の手段を提供してくれる納入業者がいないと事業が成り立ちません。また、納入業者から原材料等を購入しお客さんからお金が入金するまでの運転資金も必要ですし、あるいは設備投資をするには長期借入金も必要となります。これらお客さん・取引先がなければ企業としては存在しません。

・ 取引先とのビジネスを企業の数字という観点から見ると、お客様への売上高から仕入先等への支払いである売上原価を差し引いた金額、即ち(細かいことは省いて一種の)付加価値額が(今度の会社計算規則120条で表示が義務づけされることになった)売上総損益金額ということになりますね。企業としては、メーカと商社、業界によって大きく違いますが、売上総利益率の向上を常に計っていく事が重要ですね。

【従業員】

        企業は、従業員が働くから存続します。原材料に加工を施して製品にしたり、他社から商品の供給を受けてこれを他社に販売するにも従業員が働くから成り立っています。即ち、従業員は付加価値を生みます。役職員が、汗をかいて働くから企業価値が生まれます。投資家が株式を購入しても企業価値など上がりません。従い、収益力に見合った適正な配分を従業員は受ける権利もあるし、経営者としては従業員に応分の給与・賞与を支払わないといけません。儲けたお金を、(将来の投資予定や余裕も大切ですが)利益剰余金として単にため込むというのも如何かと思います。

・ 従業員が享受する報酬+これに法定福利費その他を含めて人件費となります。やはり企業としては、従業員に労働分配率を明示すべきだと思います。あるいは、これの変形としては業績連動賞与ということかもしれません。会社ががっぽり儲けたのに、従業員の賞与はそのままというのか如何でしょうかね?

      労働分配率(=人件費/付加価値額x100)が、例えば30%以下の企業は、経営体質が優良であるなどという議論があります。しかし、これは従業員の報酬を押さえ込んでいるという見方も出来ます。従業員のモラルアップを計るためにも、ハッキリ労働分配率を事前に明示する経営者も出てきて良いのではないでしょうか。

経営者は、配当性向・売上総利益率・労働分配率を念頭に置いて、出来れば目標を公表して経営して欲しいですね。