昨日、錦織圭とP・カレノ=ブスタの全豪オープンの4回戦をテレビ観戦した。ものすごい試合で興奮し、感動した。
テレビを見始めたのは2セットの終盤から。下馬評から簡単に勝てると思っていたが、1セットを取られ、2セット目も劣勢であった。カレノ=ブスタのショットはするどく、錦織の動きを読んでいるような球筋で、2セット目も奪われた。3セット目も最初は劣勢であった。錦織もいいようにやられているというような状況にまでなり、これは勝負あったかと思われた。
しかしそこから挽回がはじまった。とはいえ、ぎりぎりのところでゲームを取るという状況はかわらなかった。
3セット、4セットをなんとか取り、5セット目も五分の戦いのまま、10ポイントタイブレークへ。錦織が劣勢のまま、5-8になった。その次のポイントが試合の流れを変えるものとなった。
カレノ=ブスタの打ったショットに錦織はリターンして相手コートに見事に決まる。しかしそれと同時にカレノ=ブスタのショットに対して線審のアウトのコール。カレノ=ブスタはチャレンジを要求して、判定はインだったが、ポイントは、そのコールに関わらず錦織のポイントとなるのが妥当な状況だったとの判断から錦織のものとなった。カレノ=ブスタはその判断に納得せず、冷静さを失ってしまった。そこから5ポイントを連続で錦織が奪い、錦織の勝利となった。
テレビで客観的に見ていたら、審判の判断は妥当だったと思う。しかしカレノ=ブスタの抗議も気持ちもわかり、同情できるものであった。
トップレベルの選手というのは本当に紙一重のところで戦っている。冷静さと、気持ちの強さ、そして我慢を維持しながら、ぎりぎりのところで戦っているのだ。しかしそんな時にも偶然に勝負の綾がやってくる。その時に本当に自分を保つことができるのか、それは難しいことであるが、大切なことなのだということを学ぶことができる素晴らしい「ドラマ」であった。
いい試合だった。