安倍政権はなんだかんだと言われながら長期政権となった。様々な点で腹が立つことがあったが、当初外交だけは一生懸命やっていたように感じられた。日米の同盟関係を基軸として、中国や韓国に対しても毅然と対応し、ロシアとも積極的に交流し、うまくいっているように見えた。しかし最近、この外交面での失敗が目立つ。
一番の失政は北方領土問題である。安倍総理は4島返還から2島返還容認に大きく方向転換した。それはそれで平和条約を結べると思ったからである。4島返還に固執する方々からは反論もあるだろうが、もしロシアとの平和条約が締結できるならば大きな成果だと言ってもいい。しかしそうはならなかった。完全にロシアにやられた形だ。安倍総理はプーチン大統領に完全に騙されたのである。
北朝鮮問題も心配だ。「対話より圧力」と偉そうに言っていた安倍総理が、何の説明のないまま対話路線に変節したのだ。安倍総理は北朝鮮に強硬態度をとることで国内の人気をとってきたのであるがそれを変更した。そこに何があるのか。トランプ大統領と同じように、金正恩と会談することで人気をとろうとしているようにしか思えない。
トランプ大統領来日のパフォーマンスも情けない。日米同盟の強固さを示したという意味ではよかったのかもしれないが、日本とアメリカは一心同体であることを示したことになり、逆に中国やロシアを敵に回しただけになってしまった。さらには貿易に関する密約があることも明確になってしまったのだから情けなさしか残らない。
日本は軍事力をアメリカに頼っており、アメリカの言うことを聞かざるを得ない。だから外交は本当に大変である。しかし昨今の外交は安倍総理の身勝手さが目立ち始めているような気がしてならない。長期政権になりみんなが安倍総理に「忖度」し始めたのではないか。
果たして安倍政権の外交は正解なのか、しっかりと見極めなければならない。