「あいちトリエンナーレ」の展示の一部「表現の不自由展・その後」が中止になった問題をめぐり、文化庁は採択を決めていた補助金の全額を交付しないと発表した。文化庁は展示内容とは関係がないと主張しているが、これは明らかに屁理屈である。最近日本政府には、屁理屈でありながら無理矢理通そうとする姿勢が見受けられる。そして一方ではそれを攻撃する力も野党にない。
「この国では長いものに巻かれながら生きていくしかないのか」、という思いが国民の中に生まれているような気がする。北朝鮮のような独裁政治の中にいるような気がする。もちろん北朝鮮ほどの制約があるわけではない。しかし自由に発言をすると、ネットの世界でつるし上げに会い、政府はそれを後ろ盾に無理を通してしまうもはやこの国では表現の自由は制限されてしまっているのだ。
「お上は国民の利益のために正しいことをやっているのだから、黙ってお上の言う通りに働きなさい。国のためには多少のことはがまんしなさい。」そんなプレッシャーの中に今、我々は生きているようにしか思えないのだ。
「表現の不自由展」は結果的に「表現の不自由」な状況をよく示すことになってしまった。この状況がなぜ生まれてしまったのか。原因を検証し、自由を取り戻さなければならない。