とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

井上ひさしさんの思い出

2020-07-02 19:01:40 | 井上ひさし
 井上ひさしさんは山形県出身の作家である。だから親近感を持っていた。しかし井上さんが山形県出身であることを知らないうちから、多くのテレビ番組で出会っていた。

 おそらく一番初めは「ひょっこりひょうたん島」だ。この番組の始まりのころは記憶にない。「ひょっこりひょうたん島」が始まったのは1964年である。まだ私は小さすぎた。物心ついた時にはその番組はあった。内容はまったく覚えていない。おもしろかったという印象だけ残っている。

 もう一つ。そのころ「てんぷくトリオ」のコントが全盛であった。「てんぷくトリオ」というのは三波伸介、戸塚睦夫、伊東四朗のコントグループである。その「てんぷくトリオ」のコントは井上ひさしが書いていた。私は小学校のころ、市の図書館に行って「てんぷくトリオ」のコントの本を借りて読んだ記憶にある。好きだったのだ。その時はこれを井上ひさしさんが書いたことを知らなかった。「てんぷくトリオ」のコントを井上さんが書いたことを知ったときは、不思議な衝撃感があった。

 そして「ムーミン」である。最初の「ムーミン」の何作かは井上さんが脚本を書いている。あの有名な「ねえ、ムーミン」で始まる主題歌も井上さんの作詞だ。トーベヤンソンさんは最初のムーミンにご立腹だったという話を聞いたことがあるが、しかし最初のムーミンは私にとっては、忘れられない名作である。

 井上さんの作品は私を育ててくれた。知らず知らずに、小さいころに井上さんに育ててもらっていたことに、私は大きくなってから気づいたのである。
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