前回「集団極性化」について述べたが、似たような現象に「エコーチェンバー」がある。
エコーチェンバーとは、録音スタジオなど狭い場所でエコーを利かせると、それが増幅していくような現象を言う。ネット社会も開かれた環境であればそれが起きないはずなのであるが、誰もが経験するように、ネットは閉じた世界になりやすい。
ネット記事も、その人の興味のあるものだけが提示されるようになり、興味がない、あるいは意見の違うような記事は表示されなくなる。すると知らず知らずに極端な意見に収斂されていく。右翼的な意見と、左翼的な意見などに分断されていくのはそのためである。
ネットが出て来たときに期待したのは、さまざまな意見を発信、受信、討論されていくのがネットだと思っていたはずである。マスメディアの一方的な発信に嫌気がさせいていた人たちがネットに救いを求めた。
しかし、いざ自分が発信する立場に立って見ると、批判されるのはいやである。だから批判されないような場所に身を置き、批判が届かないような場所で活動しはじめる。そしてそれがネットという場所でのマナーとなってしまうのである。
本当にはたしてこれでいいのだろうか。危険な状況になってきているような気がしてならない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます