ぎこちない父娘を描くイギリス映画『スクラッパー』を見ました。不器用な親子の不器用な生き方がいとおしくなる映画です。
母を亡くし、アパートにひとりぼっちで暮らす少女ジョージーは自転車を盗んで、それを売ってなんとか生活しています。日々の生活はトラブルがたえません。そんなジョージーのもとに、ずっと行方がわからなかった父ジェイソンが突然訪ねてきます。ジャージーは父親が許せず、絶対に気をゆるしません。しかしぶつかり合いながらも、お互いがお互いを必要としていることに気付いていきます。
ジャージーにとっては母の死を受け入れるためには父が必要だったのです。そしてそれが出来た時、ジャージーは大人になります。同時にジェイソンも親としての自覚が生まれます。やっと本当の父として娘と向き合うことができるようになったのです。
ふたりの関係は不器用ですが、それこそ本当の家族の関係のように感じられました。生の人間を感じる佳作です。