国語の授業で『千と千尋の神隠し』の分析的読解をやってみようと思い、準備しています。キーワードごとに分析していこうと考えています。まだ構想段階ですがメモ的に書いていきます。
六つ目のキーワードは「テーマパーク」。
家族が紛れ込んだ丘陵地帯には廃墟となったテーマパークがあります。このテーマパーク、私には東京ディズニーランドに見えてしまうのです。

道に迷った家族は車を建物の前に停めます。その建物の中を歩き始めます。それは東京ディズニーランドのワールドバザールのようです。そこを通り過ぎると様々な建物が立っており、そこには料理店もあります。そしてさらに奥に進むとそこに「油屋」があります。そそして「油屋」までに橋が架かっています。この「油屋」はシンデレラ城に見えてしまいます。

神々が乗ってくる船は「マークトウェイン号」に見えますし、その向こう岸の夜景は、東京湾の向こう岸から見える東京ディズニーランドの夜景のように見えます。


東京ディズニーランドは浦安の海岸を埋め立ててできた土地に作り上げたものです。江戸川の三角州地帯を埋め立てた土地です。「埋め立て」というキーワードは『千と千尋の神隠し』の中に出てきています。そうハクの正体は「コハク川」であり、その「コハク川」は埋め立てられてマンションになっています。関連を読み取ることは可能です。また楽しみに満ちた場所であるという点でも共通します。ただし一方では人間の欲にまみれている場所であるという点でも共通しています。

東京ディズニーランドは「夢の国」であると同時に、資本主義の象徴でもあるのです。人間が生み出した欲にまみれた幻想のパラダイスなのです。
このようなことを書くと、ディズニーランドファンの方から批判を受けることになると思います。しかしウォルト・ディズニーの理念はいつの間にか資本主義に取り込まれて、ディズニーは産業となってしまっています。ディズニーランドを楽しむ人たちにとってはディズニーランドは「夢の国」であることは変わりありません。特に子供たちはディズニーランドで夢を見ます。しかし大きくなるにしたがって夢を消費する存在になります。純粋な心も資本主義に取り込まれていくのが現代の姿なのです。
オリンピックだったり、もしかしたら宗教も・・・。
いつもなるほどと拝見しています。
自分にない視点を持たれている方の文章は興味深く、読ませて頂いて楽しい限りです。