とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

映画『水を抱く女』を見ました。

2021-05-04 18:16:15 | 映画
 映画『水を抱く女』を見ました。予備知識なく見ていたのですが、最初ラブストーリーかと思って見ていたら、いつの間にかサスペンスになり、そしてこれは寓話なのだと気づきました。意外性があり、心に残る映画です。

監督 クリスティアン・ペッツォルト
出演 パウラ・ベーア、フランツ・ロゴフスキ

(あらすじ)
 ウンディーネはベルリンの博物館でガイドとして働いている歴史研究家である。恋人のヨハネスが別の女性に心移りし悲嘆にくれるが、そんな彼女の前に潜水作業員のクリストフが現れる。ふたりは愛し合うようになるが、ちょっとしたうそから、すれ違いが生じ、悲劇的な結末へと向かう。

 主役のパウラ・ベーアは『ある画家の数奇な運命』にも出ていた役者で、知性と強さと美しさの魅力にあふれています。彼女が博物館でガイドをしている姿はそれだけでかっこいい。その姿にクリストは魅了されます。

 彼女が博物館のガイドであることからも、この映画の背景にはベルリンの特殊な歴史があるように思われます。クリストとの残酷な別れ、そしてクリストの生還、水の中でウンディーネとクリストの再開など、ベルリンの歴史がそのまま具象化されているように感じられるのです。あの分断は一体何だったのか、分断の意味を強く問いかけています。

 リアルな映像でありながら、物語は意味が深い寓話であり、その構造の美しさがとても印象に残る映画です。
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「ギガスクール構想」に疑問

2021-05-03 17:54:41 | 教育
 教育界にICTの波が押し寄せている。「ギガスクール構想」と名付け、政財界の大合唱である。一部の教育者もそれに同調し、反対してはいけないような「空気」を作り出している。確かにICTはいい面も多い。しかしその効果的な活用はそんなに簡単なものではない。それなのにこの「コロナ禍」を理由としてむやみに導入を進めようとしているように思える。もっと大切なことがあるのではないだろうか。

 ICTにもいろいろな種類がある。ベーシックなパワーポイントなどの教材提示に関しては、板書の必要がないので教師にとって楽になるし、板書による時間のロスもなくなる。その結果、生徒の動きを見る余裕が生まれるので非常に優れたツールである。ただしそれさえも講義の見出しにしか使っていない場合もあり、その程度の使い方ではそれほどの効果はない。さらにはパワーポイント作成に時間を取られるだけの教員もいるのもどうであろうか。いい面が多いのは事実である。

 一方リモート授業はどうであろうか。こちらはまだまだ懐疑的だ。非常に学習意欲にあふれた生徒ならばいいだろう。しかしそんな生徒は一握りしかいない。ほとんどの生徒は授業中に集中できないし、集中できなければほかのことをし始める。授業をしている教師も生徒の動きが見えづらく、どう進めていいかわからない。

 私自身もリモートで言語学の授業を現在受講している。自分で勉強したい分野であり、それが地方にいても東京の有名な研究者の授業を受講できるのだからありがたいだけだ。しかしそういう風に自発的に学ぼうとしている授業でさえ、集中力が途切れがちである。違うことばかり考えてしまう。それが現実なのである。

 しかも生徒が使っているのはほとんどがスマホである。小さい画面でリモート授業に参加している。これが効果あるものなのだろうか。

 生徒が悪いわけではない。しかし学校という場所は生徒を勉強させるための大きな仕掛けとなっており、そういう強制力がなければ成立しにくいのが現実だ。そんなに簡単にリモート授業ができるわけではない。

 今やらなければいけないのは、リモート授業を効果的に行うための実験である。たとえICT環境を整備しても、情報機器の進化は早いので実際に効果的に使用できるようになるころには使い物にならないようになっているということが目に見える。学校という場所はそういう使い物にならない教育機材がいまだにたくさん眠っているのだ。捨てるに捨てられなくて困っているものが本当にたくさんあるのだ。

 そんな現実も知らず、多くの人はリモート授業だと叫んでいる。これはIT関連業者の巨大利権が絡んでいるからであろう。このコロナ禍によってIT企業は莫大な売り上げ増となっているはずだ。一方では大損している人もいるのに、逆に儲かりすぎている人たちもいるのだ。このような非常時にはそういうアンバランスを少しでも解消するのが政治の役割なのではないか。
 
 今日テレビで西村経済再生大臣が新型コロナに関して、お札もコロナ感染しやすいということを言っていた。これも電子マネーへの移行を狙った言動であり、IT企業へのおべっかのように感じられた。新型コロナウイルスを自分の利益にすることばかり考えている人間がいれば、それで損をしている人が黙っていまい。
コメント (1)
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『コントが始まる』がおもしろい

2021-05-01 13:47:21 | どう思いますか
 4月は忙しすぎて、毎日いっぱいいっぱいだった。そんな中気分転換になるのはドラマである。

 私が今期のドラマの中で一番おもしろいと思っているのが『コントが始まる』だ。菅田将暉、仲野大賀、神木隆之介のコント芸人を目指している男たちと、それを支える有村架純らの青春群像劇である。

 ドラマ中にコントがあり、それがドラマの展開に見事に絡み合っている。脚本家の力がすばらしい。脚本は金子茂樹さん。これまであまり見ていなかったが、その才能の確かさが伺える。今後も楽しみである。若手の役者さんたちもみんな魅力的だ。

 その他、『ドラゴン桜』『イチケイのカラス』『桜の塔』はありえない話だが、肩が凝らないドラマで、楽しく見ている。

 『大豆田とわ子と三人の元夫』は期待していたのだが。ちょっと脚本家のテクニックが鼻につくように思えて、正直言って苦手なドラマだ。あまり入り込めない。脚本は坂元裕二さん。いいドラマをたくさん書いている才能のあるシナリオライターだ。今回のドラマもうまいと思う人も多いのだと思う。しかし私にはやりすぎのように思えてしまう。

 忙しさの山を越え、なんとかゴールデンウイークまでたどりついた。これから疲れがどっと出そうで怖い。


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