過日、七十有余年にして初めて奉納山に登ってみた。登るというよりも、狭いながら車道が通り頂上には駐車場があった。奉納山は出雲国風土記所載の杵築御崎に位置している。
新羅三埼から八束水臣津野命が、杵築御崎を国引きした舞台である。そこからは、真下に薗長浜(国引きに用いた綱)と杭にした佐比賣山(三瓶山)が遠望できるはずである。頂上に立つとその通りであった。
弓なりに見える浜が薗長浜、遠方の山塊が佐比賣山である。何とも雄大で古代の人々は、小高い山に登り国見をしていたと想像できる。
奉納山から少し離れているが道の駅には、八束水臣津野命が国引きをしたレリーフと云うより巨大な壁面像があった。
東の方、出雲市街を望んでみた。国見の気分が何となく分かる気がした。
<了>