吹田市立博物館の展示内容については、後日紹介したいと考えているが、先ずは多少なりともびっくりした特異な古墳である、新芦屋古墳の復元レプリカと古墳から出土した馬具類を紹介し、その古墳の特異性について考えてみたい。
昭和53年、宅地造成中に発見されたが、現在墳丘は存在しない。そこでクラフトモデルがあるので、それを御覧頂きたい。
墳丘は方墳で7世紀初頭の終末期古墳で特徴的なことは、横穴式木室墳でこのこと自体が稀であるが、さらに特異なことはその木室の中に石棺が納められ、土が充填されていたことである。これは全国で唯一の事例である。その復元レプリカを下に掲げておく。
木室の中に石棺が納められているが、その上には山形に土が盛られて密閉され、更にその上に垂木材を組んでいた。全国唯一の事例であるという。終末期古墳の一つの現象としてとらえるには、あまりにも特徴的である。被葬者の出自に関係するのであろうか。
玄室の手前(羨道側)は、須恵器が並べられ何やら祭祀が行われていたと思われる。前方後円墳などの祭祀は墳丘上で行われており、時代の経過と共に変化したのか、当該古墳が特異なのか? いずれにしてもやや驚いた古墳の形態である。
金銅製の立派な馬具が出土している。7世紀ともなれば騎馬民族云々を持ち出す理由を見いだせないが、被葬者は大和王権と繋がる当地の豪族であったと思われる。それにしてもこのような古墳は初見である。
<了>
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