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北タイ窯址紀行・カロン#8

2015-06-21 09:35:50 | 窯址・タイ
<Mae hiew Saokaw古窯址・その1>

 姉妹ブログ「東南アジアでロングステー」を参照ください。以下、Sayan氏の調査報告を引用する。2008年4月に発掘調査され、2基の窯址が確認されている。窯址はMae hiewと呼ぶ小川の東1.3kmのSaokaew氏の果樹園の丘の斜面で発見され、それは2つのランナー様式の窯が、接合した状態で発掘された。大きな窯が下段に築窯され、その煙突が上段の小型の窯の燃焼室に繋がっていた。








 陶工は2つの窯を1つの窯の如く操業できた。燃料は下段の窯燃焼室に投入すればよかった。下段の窯の炎は煙突を通して上段の窯に達し、そこの青磁を焼成することができた。

 下段の窯はサイズが大きく、ランナー様式で長さが4.5m、燃焼室長さが2.0m、煙突径0.5m、煙突長さ1.10mである。そして下段の窯の構築と操業は、上段の窯と同じ時期の1450-1566年(サーモルミネッセンス法:上段窯1471-1571年、下段窯1458-1566年)である。

 上段の窯は小さく、ランナー様式で年代は上述の通りである。長手方向は3.50m、幅が1.2mで燃焼室は長さが1.7m、煙突径は0.45mであった。2つの窯は同時に接合窯として操業した。それは15-16世紀の間である。

 その後荒廃したが、新しい世代の陶工が戻り、上段の窯を1761-1807年に再興した。再興時は煉瓦を用いて再構築され、白磁と鉄絵白磁、青磁を中心に焼成した。このような2段焼成窯は、今まで知られることはなかった。・・・以上が調査報告の概要である。

 現場に行くと、調査方向の通りの地形であり、写真にあるように周囲の土壌は、全て灰色系で良質の陶土と思われ、陶業に必要な水、燃料が窯の周辺で調達できる絶好のロケーションであった。

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