過日、以下のミャンマー・錫鉛釉緑彩陶がネット・オークションに出品され、101,000円で落札されたようである。この錫鉛釉緑彩陶は、マルタバンやモーラミャイン東郊のカウドン窯で焼成されたことが近年明らかになっている。まずネット・オークションの出品陶磁は以下である。
出品作の名称は『ミャンマー 鳥文緑釉皿 16世紀頃』と記され、出品者が20年前ミャンマーにて購入・・・とある。これは玄人ではなくても一発で見抜けるであろう。
①錫鉛釉の発色が白すぎる。本歌はクリームがかった白濁色である
②その錫鉛釉の掛りが薄く、胎土の赤色が浮き出ている。本歌は厚くどっぷりと掛かっている
③高台の側面は筍の節のような削りがなされいるが、その痕跡が認められない
④その緑彩が余りにも薄くて深みがなく水彩画のようである
以下、本歌を何点か紹介しておく比較されたい。
以上2点はバンコク大学付属東南アジア陶磁館の蔵品である。以下はランプーンのハリプンチャイ国立博物館の蔵品である。
写真は光線の確度により必ずしも正確な状態を示さないが、違いが御理解頂けたと思われる。
偽物とは断言しないが10萬円は勿体ない。落札者はもっと本歌を数多く見られることをお薦めする。
<了>
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