世界の街角

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好敵手TDK

2022-03-24 09:00:54 | 村田製作所とTDK

過日、TDKが記者発表。某紙によれば『TDK、東北で2000人雇用へ』(ココ参照)とのタイトルで記事を掲載している。新規雇用の2000人は、4月に設立する新会社「TDKエレクトロニクスファクトリーズ」(秋田県由利本荘市)に配属されるとのこと。

合わせて、にかほ市に新工場「稲倉工場西サイト」を建設すると発表。スマホなどに搭載するワイヤレス型の給電・通信機能に使う基幹部品「コイル」を製造するとのこと。

(出典:TDK HP)

3月16日、東北地方を襲った震度6強の東北地震。何でも(株)登米村田製作所で火災発生とのニュース。幸い間もなく消火したとのことであるが、コイル生産が完全復旧するのは何時であろうか気になる。かたやTDKは上述の如くコイル増産の新工場の建設。置いていかれるな村田製作所。重要商品の生産は2拠点生産が鉄則だ。村田はリスクマネージメントの再検討を。

それにしても、今や日本で世界に冠たるは、電子部品産業と精密機械・半導体製造装置等々数業界に過ぎない。自動車も激動の時代に入った。後10年でトヨタが先頭に居続けることができるのか、できないのか。

そのような中、電子部品産業は台湾・韓国・中国に追い上げられる中で、世界TOPを維持しているのは。互いに好敵手をもち切磋琢磨しているからに外ならない。この業界は設備投資額や研究開発費は売り上げの10%以上に及び、緩める姿勢はうかがえない。

日本の産業界が、申し合わせたように下り坂を転がっているが、何故なのか。日本の労働賃金が上昇するなか、大手・中小問わず中国や東南アジアに逃避し、日本国内で生産性向上の設備投資を怠ったからである。

昨今、失われた30年を取り戻す、日本産業界復活のチャンスが巡ってきた。慢性的な円安、海外諸国のGDP成長による労務単価の向上。日本政府は思い切った投資減税と補助金等の投資優遇策を実行し、各企業に国内回帰を呼び掛けてほしい。中国に過度に頼るリスク、東欧の現下のリスク。日本国内が一番安全だ。但し自然災害対策は必要だが。

いずれにしても電子部品業界は、各社が現在のように積極的姿勢を放棄しない限り、世界TOPを独走できる。思うに好敵手揃いの業界である。

ここで蛇足を一つ。TDKは東国の会社だが、電子部品業界は何故か田舎者の京都企業である。村田製作所、京セラ、日本電産、ローム、オムロン、毛色はやや異なるがニンテンドー。一部上場企業の経営者諸氏は偉大なる田舎企業の経営マインドを見習うべきであろう。

<了>

 



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