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草薙剣は何故、熱田神宮に祀られているのか?

2022-02-20 07:30:24 | 古代日本

どうでもよいような話しである。草薙剣(くさなぎのつるぎ)は何故、熱田神宮に祀られているのか・・・と云うより、尾張氏(熱田神宮)に留まったままなのか。

天照大御神が天孫降臨の神勅を下すにあたって、この神剣(草薙剣・別名・天叢雲劔(あめのむらくものつるぎ)に霊魂を込め、神鏡(八咫鏡)・神璽(八尺瓊勾玉)と共に邇邇芸命(ににぎのみこと)に授けて以来、天皇家はこれを三種の神器として宮中に祀ってきた。それが何故尾張氏のもとに留まったままなのか。

(出雲市駅通りの八岐大蛇退治青銅像)

『日本書紀』によれば、尾張氏の祖は火明命(ほあかりのみこと)と云われている。日本書紀の一書(あるふみ)第六には、天火明命(あめのほあかりのみこと)とあり、その息子の天香山命(あめのかぐやまのみこと)が尾張氏の祖であると記す。しかし尾張氏が何時、東海の有力豪族になったのか不詳である。

12代・景行天皇の時代、ヤマトタケルは東国征討に際し、尾張氏のもとを訪ね、尾張氏の宮簀媛(みやずひめ)を娶ったと記されている。そのヤマトタケルは東国に向かう。帰途、ヤマトタケルは尾張氏に立ち寄り、草薙剣を尾張氏の宮簀媛に預けて、伊吹山に向かった。

尾張氏に預けた草薙剣は、天皇家に戻ることはなく、尾張氏の手元に残ったまま今日に至っている。何故、天皇家に祀るべき三種の神器の草薙剣が、尾張氏の手元に残っているのか、やや謎めいている。この尾張氏の本貫がハッキリしないが、史書類を総合すると大和と考えられる。

草薙剣は、八岐大蛇退治後スサノオより天照大御神に献上された。天照大御神は孫の天津彦彦火瓊瓊杵尊(あまつひこひこほのににぎいのみこと)に授け、尊が天孫降臨の際、地上界にもたらされた。それが倭姫命からヤマトタケルに渡り、更に尾張氏の宮簀媛へと伝わったものである。

そこで謎解きになるが、草薙剣には古代出雲の怨念が渦巻いていたであろう。ヤマトによる出雲簒奪の怨念である。更にヤマトタケルは、クマソタケル征伐後、出雲に寄ってイズモタケルを騙し討ちにする。その怨念も草薙剣にのり移ったであろう。そのヤマトタケルは草薙剣を尾張氏の宮簀媛に預けた後、伊吹山の神の毒気にあたり落命した。草薙剣の祟りであろう・・・これが、天皇家に戻らなかった、最大の理由と考えられる。草薙剣は天皇家に祟ったのである。

では、なぜ尾張氏のもとに留まったのか。これには深い意味はなく、宮簀媛に預けられたのだから、親元の尾張氏のもとに留まり続けたと云われても、ああそうですか・・・これが自然の姿とも考えられる。

果たして、そのような単純な理由であろうか。裏がありそうだ。尾張氏の本貫は、大和と考えられると先に記した。

『出雲国造神賀詞(いずもくにのみやつこかむよごと)』には、上図の位置に出雲族神4神が配置され、天孫族神を守護したという。不等辺四角形の中の天孫族神を守護したのだ。その枠内には古代天皇家の本貫の地『磐余(いわれ)』が存在する。天皇家は出雲族神に囲まれていた。当然ながら尾張氏も、その中にいたのであろう。結論は、奇想天外ではあるが、尾張氏は出雲族の一員で、出雲族が尾張氏を介して草薙の剣を取り戻したのである。

この種の空想は、素人の特権である。これで飯を食っている訳でもないので、世の中の物書きのように、周囲を憚る必要もない。とんでもない結論を記したが、信憑性のない噺であったことをお断りしておく。

<了>



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2 コメント

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製鉄と古代権力 (遅生)
2022-02-20 11:47:41
例のヤマトタケル伝説によると、草薙剣が活躍した舞台は伊吹山です。あまり知られていませんが、伊吹山の裾野には、古代、製鉄が興っていたようです。伊吹降ろしの強風を利用していたらしい。この鉄を使えたの古代の権力者であったのは確かでしょう。また、伊吹山から濃尾平野一帯を祭式で管轄していたのが熱田神宮だったと思います。その後、製鉄関係の祭事は、伊吹山に近くに設けた南宮大社に移したのではないでしょうか。なお、伊吹山麓の鉄工は、利便性の高い長良川水系の場所、関に移り、刀剣で有名になりました。
地元ですが、私自身は歴史に疎いです。地方史に詳しい方の受け売りです(^.^)

出雲地方に、古代、製鉄があったのも同じような事でしょう。
鉄を制する者が時代を制す。
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Unknown (mash1125(世界の街角))
2022-02-20 14:41:25
遅生さんへ
伊吹山の山麓への伊吹降ろしを利用した古代製鐵の存在は納得です。
軟弱で登山ではなく、車で2度山頂駐車場に立ちましたが、懐が深い山でした。
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