明日でブログ掲載開始3000日となる。何をやっても長続きしない当該ブロガーにとっては、驚き以外の何物でもない。当初は趣味の”北タイ陶磁”の何某かをupdateすれば・・・と思って開始したが、自分でも呆れるほどレパートリーが増えて今日に至っている。
そこで、3000日を自分なりに記念して『埴輪と装飾古墳で考えた』とのテーマで4回シリーズの記事を掲載することにした。埴輪や古墳に興味をお持ちの方にご覧願えれば幸いである。
第1回:刺青『胸形』から想いを馳せる
魏志倭人伝が記す倭人は、鯨面文身する・・・と記述する。即ち顔と体に刺青をしていると。福岡県八女市岩戸山歴史文化交流館には、立山山古墳出土の埴輪を展示している。貴人の胸には刺青があり、その文様は向かい鱗文すなわち『胸形』である。
(鞍に乗った貴人 立山山古墳出土)
この『向かい鱗文』は熊本県の装飾古墳であるチブサン古墳の壁画にも見ることが出来る。
チブサン古墳壁画 中央やや右に赤と黒の向かい鱗文をみる
無関係にみえる埴輪の文様と、装飾古墳の文様には関連があったのである。第1回は、そのようなことどもに想いを馳せた。
第2回:お化けの三角頭巾
お化けが被る白の三角頭巾を天冠(てんかん・てんがん)と云う。その起源を調べた訳ではないが、どうやら古墳時代に遡のぼれそうだ。
大阪府高井田第3支群5号横穴墓 線刻壁画 3名の線刻人物に三角頭巾をみる
酒巻14号墳出土埴輪
東南アジアの風俗にも、三角頭巾を見ることができる。過去ベトナムはハノイに半年滞在していたことがある。路線バスに乗っていると渋滞でノロノロとなった。見ると葬送場面で親族は額に白の三角頭巾を被っていた。これらの事どもについて考えた。
第3回:魂を運ぶ馬
馬形埴輪は、被葬者が生前に騎乗していた馬を象って、被葬者が埋葬された墓に並べたとの見方も可能であるが、それだけかとも想われる。その馬も装飾古墳に描かれている。
埼玉県熊谷市上中条出土 馬形埴輪
福岡県王塚古墳の装飾壁画
特に装飾古墳に描かれたゴンドラ状の船に載る馬をみていると、被葬者の魂を来世に運ぶ様を描いたかと思われる。来世観を含めそれらのことについて考えてみた。
第4回:来世・冥界への旅立ち
古墳を飾る肖形として船形埴輪がある。長原高廻り2号墳(4世紀後半)の船形埴輪が名高い。
大阪歴史館展示
一方、装飾古墳にも多くの船が描かれている。船形埴輪は本人ないしその祖が船に乗って渡り来たったことを示すものとも思われるが、やはり被葬者の魂を来世(常世やニライカナイ)へ運ぶものと理解したい。それは装飾古墳壁画の題材になっていることからも理解できるであろう。
写真は福岡県の五郎山古墳に描かれた棺を載せる舟である。この棺を載せる舟が奈良県から出土した。それらのことを感想を交えながら記してみたい。
・・・以上のテーマで4回にわたって記したいと考えている。尚、現在中断しているが、『鳥取県埋蔵文化財センター』シリーズを終了後掲載したいと考えている。
<了>
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