2月5日、テクノアークしまね内の島根県産業技術センターにてサンカンペーン・ワット・チェンセーン窯の表採陶片と完品の蛍光X線分析を行なってもらった。生Dataは即日持ち帰ったものの、分析に手間取っている。以下、脈絡は無いがまとまったものから紹介したい。
採取陶片の大前提は表採で、道具により地表を掘り下げて採取したものではない。従って時代感覚的には10~20年程度と思われるが、科学的年代鑑定をしていないので、資料の絶対年代と時代幅は不明である。そしてワット・チェンセーン窯は鉄絵双魚文盤と鉄絵草花文盤が焼成されていたことは、タイ芸術局や先達の研究により明らかである。
以下分析できたものから紹介するが、先ず生Dataを掲示しておく。下の表には測定単位を示していないが、すべてMass Percent(%)である。
元素記号と数字の羅列で恐縮である。ここから欲しい情報を分析して取得する必要がある。ここで資料番号Sam-3のみにCr、Ni、Cuの検出がみられる。ワット・チエンセーン窯の時代差が大きいことが考えられるとともに、ワット・チェンセーン窯群以外の窯で焼成されたことが考えられるが、それ以上の情報は得られない。
このSam-3は鉄絵双魚文盤でわっと・チェンセーン窯で焼成されていたことが分かっているが、わっと・チェンセーン窯以外の窯でも焼成されており、その可能性がつよいか?
次に表採した陶片を個々に観察すると、鉄絵(顔料)の直上の釉薬のガラス質が厚い、薄い、無いの3分類される、厚い資料(検体)は主成分のSiと溶融剤のCaが多く検出され、鉄絵成分のFeが少なく検出されるはずである。それを分類した表を下に示す。
これを分析したのが、下の表である。
◎がガラス質厚い、〇は薄い、×はガラス質認められず、である。これは予想通りの結果となった。分析機器はウソをつかなかった。
<続く>
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