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吉井歴史民俗資料館は、うきは市吉井町の所在である。吉井と云えば、装飾古墳で名高い「日ノ岡古墳」が存在する。装飾古墳で名高い日ノ岡古墳については、過去に紹介済(装飾古墳は語る(7)・日ノ岡古墳 ココ参照)である。
それと同様に名高いのは、月ノ岡古墳の出土遺物である。出土遺物の状況から当該地域の首長であることに疑いはない。今回はそれらの品々を紹介する。
銅鏡は4面ともに展示されているが、ここでは下の三角縁二神二獣鏡のみ紹介する。
鉄鏃片各種
展示品はいずれも重文指定されている。大王権から下賜されたものか、半島からもたらされたものか。被葬者は誰であろうか。当該地域の旧浮羽郡の旧名が生葉郡(いくはのこおり)であることから的臣(いくはのおみ)との関連が考えられる。的臣は、葛城襲津彦を始祖とする。襲津彦は半島に派遣された経歴をもつ。この一族は軍事氏族であり、王権から度々朝鮮半島に派遣されてきたこと、月ノ岡古墳が畿内古墳の特徴をもつことから、的氏がこの地域を治めていた首長であり、被葬者は的氏と考えられる。
今回で、吉井歴史民俗資料館の展示品紹介を終える。
<了>
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