世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

CHAO377号『ランナー古陶磁の窯址を巡る・パヤオ窯址編』

2018-12-25 08:11:22 | チェンマイ

チェンマイで発刊されている無料・日本語情報誌”CHAO"377号に寄稿した。12月25日の発刊で今年最後となり、個人的には印象に残りそうだ。今回で4回目の寄稿で『ランナー古陶磁の窯址を巡る・パヤオ窯址編』との特集である。

北タイ陶磁で中国・龍泉窯の青磁貼花双魚文盤の影響を受けたであろう陶磁を焼成したのは、パヤオとサンカンペーン及びナーンの各窯である。そのことは各地の東南アジア陶磁展や常設展で比較展示されており、理解しやすいと考えている。その一例であるバンコク大学東南アジア陶磁館の比較展示を紹介しておく。

左がサンカンペーン褐釉印花双魚文盤、右が龍泉窯青磁貼花双魚文盤である。成るほど類縁関係を感じさせる展示ではあるが個人的には、この比較展示には多少不満が在る。

龍泉窯の盤の影響を最初に受けたのはパヤオが先と考えていることによる。パヤオとサンカンペーンの操業開始は、C-14年代測定法により双方13世紀末とでているが、Data上ではパヤオが10-20年早い。かつパヤオの双魚文様は龍泉の文様に極似している。その写真がCHAO377号の表紙を飾る盤である。尾鰭が背側に反りあがる点、鱗が円形である点は双方共通している。しかし更に極似する陶片がパヤオには存在する。

この陶片はタイ語書籍に紹介されている凹版の印花文である。龍泉は貼花文で双魚は盛り上がっている。パヤオのそれは印花文ではあるが、凹版であるので貼花のように盛り上がって見える。鱗は三日月であるが、尾鰭は反りあがっている。以上2点の写真をみると龍泉の影響以外の何物でもなさそうである。

元朝の南下は怒涛の勢いで、多くの陶工が難を逃れて南下したことが考えられる。安南や雲南に逃れ、遂には八百息婦(ランナー王国:息は正式には女偏に息)に至ったと想定している。

<了>

 


シヌログ(Sinulog)2019

2018-12-24 06:55:57 | フィリピン・セブ

投宿しているセブ・東横インの周辺が騒がしくなってきた。ドラムの音が深夜まで、時によっては朝方まで鳴り響く。2019年1月20日のグランドパレードの為の練習や予行演習である。低層階に宿泊している方々はうるさくて寝付けないであろう、我々は17階の部屋なので、うるささも軽減されている。

シヌログ祭りとはサントニーニョと呼ぶキリストの幼年像を称える祭りである。この像は1521年にマゼランが、セブの人々をキリスト教に改宗した際に、セブの女王に贈ったとされるキリストの幼年像。マゼランは隣のマクタン島で酋長ラプラプと戦い戦死するが、44年後の1565年レガスピが侵攻した際、セブは火の海となったがサントニーニョ像だけは無傷であったという。それをもって奇跡の人形として、セブの人々に崇められるようになった・・・それがシヌログ祭りの起源っである。

年々スタート地点など、少しづつ変更があるようだが、概ね下に示したルートである。最新情報はwww.sinulog.ph のオフィシャルサイトを御覧願いたい。

2012年にセブに2週間滞在していたが、其の時2012年のシヌログ・グランドパレードを見た。其の時の写真を紹介しておく。

とにかく派手、セブアノはこの時の為に1年間仕事に励んだであろう。まさにカーニバルそのものである。

すでに2019年1月20日前後のホテルは予約で満杯であろう。グランドパレードはアヤラ・センターから徒歩で最寄りの通りへ、場所取りは早めに。尚、4-5星ホテルの宿泊者は、ホテル専用の桟敷があり、シャトルで送迎してくれる。マルコポーロやラディソンブルなどがそうである。

<了>

 


セブの交通機関 my Bus & BEEP

2018-12-22 07:01:12 | フィリピン・セブ

セブの交通機関と云えばジープニーとタクシーである。このジープニーは運行路線が決まっており、その決められた路線を巡っている。1乗車10ペソ以下で、当該ブロガーは通常7-8ペソ支払っている。

行きたい処に直行しないので、目的地に行くには時間を要す。しかし路線網は充実し市内を網羅している。乗り継ぎを1~2回行えばどこでも行くことができるが、路線を知悉する必要があり、且つ多くの時間を要す。従って急ぎの場合はタクシーとなる。初乗り料金は45ペソ(94円程度)で、日本に比較すれば格段に安いが、当該ブロガーの場合、目的地までの料金は150-200ペソで、ジープニーの7-8ペソの20倍である。

しかしmy Busなるバス路線も存在する。路線は多くは無いが、SM Sebu City(ショッピング・モール)の横でラディソンブル・ホテルとベイフロント・ホテルの間にバス・ターミナルがあり、そこを起点に数路線運行している。ツーリストが使えるのは空港・ターミナル間とターミナル・SM Seaside City間であろう。今回はそれについて紹介する。

 バスターミナルの場所は、先に記述したようにラディソンブル・ホテルとベイフロント・ホテルの間にある。上掲写真はベイフロント・ホテルで後方がラディソンブル・ホテルである。それをグーグル・アースで示すと以下となる。

ということでターミナルの様子を紹介しておく。

後方のビルがラディソンブル・ホテル。その方向に奥まで進むとチケット・オフィスがある。

上写真の奥にチケット・オフィスがあり、そこでチケットを購入する。プリペイドカードと都度購入するチケットがあり、プリペードは不確かながら200ペソだったと思う。都度購入のチケットは行先を言って購入。SM Seaside Cityまでは25ペソ。

チケットはどのような意味があるのか2枚綴りで、乗車時ドライバーが1枚回収、残る1枚は乗客用である。バスはそれなりで当然冷房完備である。

路線を紹介しておく。

先にも記述したようにツーリストが使えるのは、ターミナル・空港間とターミナル・SM Seaside City間である。今まではバスといえば、このmy Busしかなかったが、昨日の朝刊によるとBEEPなるものが登場したよし。

 BEEPとはJEEPとBUSを掛け合わせた造語のようである。そして2種類の車体があるとのこと。車体は冷房完備はもとよりフリー・WIFIも装備しているとのこと。12月21日から運行開始し24時間営業で40台のバスで運行するとの記事である。

初乗り5km以内で8ペソ、以降距離制で定められた距離ごとに1.5ペソづつ加算される料金体系とか。運行経路は市役所ープラザ・スグボーオスメニャ通りー埠頭1ーロビンソン・ギャラリアーITパーク間。2つ目はDutert StからBarangay Mabolo間とのことである。市役所はサント・ニーニョ教会の隣なので、ツーリストでもロビンソンやITパークへ行くのに使えそうである。市内バスでWIFIフリーは有難い。投宿先のJセンター・モールの前を通過するなら使いたいが、どーも縁はなさそうだ。

<了>

 


セブ・クリスマスツリー3題

2018-12-21 06:45:49 | フィリピン・セブ

当地もやはり東南アジアの一員である。東南アジアはほぼどこも、派手で巨大なツリーが飾られる。ここセブも同様で、しかも気が早く10月末には出揃う。ショッピングモールにホテル、さらには教会やその前に出現する。今回はたまたまカメラにおさめた3題。先ずは中規模モールで、投宿している東横インの下層階のJセンター・モールのそれである。

ここは10月後半にはセットされていた。次はbai Hotelのツリーである。

過日、SM Seaside Cityに行ってみたが、そこのツリーも華やかであった。

ここセブはキリスト教徒が大多数なので、ツリーは理解できるが、チェンマイのツリーも巨大である。仏教国にツリー、まあ日本でもそうだから・・・。人寄せには派手な方がいいだろう。

<了>

 


スグボ博物館(4)

2018-12-20 06:45:41 | 博物館・セブ

今回は、イフガオ族に関する展示を紹介し最終回とする。イフガオ族とは、ルソン島北部のコルディエラ山脈に居住する少数民族。プロト・マレー系の民族で人口は約19万人とのこと。

山岳農耕民で、標高1000~1500mの山腹に石垣を重ね棚田を作り水稲栽培を行う。水牛をつかって田起こしをするという。なお陸稲も栽培する。稲刈りは穂先のみで、なにやら弥生時代を思わせる。

伝統的な家屋は、通常正方形高床式で、屋敷内には高床の米倉をもつ。村民共同で刈入れし、室内ないしは米倉の床下で儀式が行われ、コメの神に鶏や豚の生血と、米からつくった酒が奉げられるという。ここまで聞くとなにやら倭族と何らかの関連があるのではと思いたくなるが、葬送の仕方がまったく異なる。イフガオ族は洗骨の習慣があり、洗骨後民族柄の布地に包まれて、軒下に吊りさげられるとのことである。稲作伝来の海の道は、厳しいものがありそうだ。

農耕民といえども狩猟はおこなっていたことが分かる展示品である。

展示されている土器が面白い。丸や×さらにはギザギザ文様、鋸歯文もある。これらの文様は古代から中世の各民族がもちいたのであろうか・・・各地でみることができる。

 

<了>