夢の翼with皇大26期生のブログ

私と関わる全ての人たちが繋がりあえるように、大学時代の思い出から現在の環境までをまとめて1つのブログにしちゃいました。

中国障害者芸術団

2008-10-22 11:19:39 | Weblog
 昨日,「千手観音」で有名な「中国障害者芸術団」の日本公演を見てきました。今年の3月にNHK教育テレビジョンの特別支援教育番組「ストレッチマン2」の特別編で,「千手観音」の練習風景を紹介していましたが,それを見るまで彼らが全員聴覚障害者であることを知りませんでした。中国全土の聾学校から集まった自己表現に興味のある子どもから大人まで,21名(仏教では四二本の手が『千手』を表すそうです)の聴覚障害者が演じる「千手観音」はとても神秘的でした。先日閉幕した北京パラリンピックでもその演技を披露していたので,ごらんになった方もいらっしゃることと思います。また,2005年には愛知万博で,その1年後にも万博記念祭で公演が行われています。私も存在は知っていましたが,ストレッチマン2を見るまで障害者の集団であることを全く知らなかったので,事実を知って大変興味を持ちました。これは是が非でも見に行かなければと思っていた矢先,この秋に日本公演が決定したため,今回の鑑賞となりました。
 芸術劇場の大ホールで,ほぼ真ん中に近い1等席。良い場所が取れました。名古屋公演が千秋楽ということで,ものすごい人です。また,客層も年配の方や障害のある方々,そして在日中国人の方々がその多くを占めます。
 中国障害者芸術団の構成員は聴覚障害者の他にも視覚障害,肢体(身体)障害の方々で,オリジナルの音楽を視覚障害の方々が,振り付けを聴覚障害の方々が担当して世界中で公演しています。千手観音以外の演目でも,この人たちのどこが「見えない・聞こえない」のだろう?と思えるくらい素晴らしい演技,歌唱,演奏でした。思わずパンフレットとDVDを購入してしまいました。特に全く音が聞こえない世界の中で,伝わってくる音楽の振動だけで曲を理解して,音楽にぴったりと合わせた動きが出来る「千手観音」の演技は鳥肌が立つ思いでした。主演の邰麗華さんも見るからに「観音様」という感じの美しい方でした。出演者の方々が最後に劇場の出口で並んで観客を見送ってくれていましたので,全員の方と握手を交わしながら「謝謝」と御礼を言って劇場を後にしました。家に着いてからもう一度DVDを見返していたら夜中になってしまいました。久々に感動の1日でした。
 人間の五感は一つでも失われると他の四感がそれを補うべく発達すると聞きますが,聞こえない分,彼らの身体は全身が耳の役割を果たしているんでしょうね。私たちは五体満足であるが故に,自分の全ての感覚を研ぎ澄ますということを忘れてしまいがちですが,この公演を見て,自分は一体何に対して全力を尽くしているんだろうと考えました。教育?子育て?自分では全力で生きているつもりでも,きっと他の人から見たら,まだまだなんだろうなぁ,とちょっぴり反省の気分です。まだまだ未熟者です。もっと頑張らなきゃ。
コメント
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