夢の翼with皇大26期生のブログ

私と関わる全ての人たちが繋がりあえるように、大学時代の思い出から現在の環境までをまとめて1つのブログにしちゃいました。

続・啓発の効果

2010-09-30 17:20:01 | 教室経営
 今日の大放課(2限目と3限目の間の放課が長いのでこう呼ぶ)に、教室で事務仕事をしていると、珍しくドアをノックをする音が。木曜の午前中なので通級児童ではない。一体だれ?と思って迎えようとすると、窓越しに背の低い頭が三つ見える。明らかに子ども。委員会のインタビューでもあったっけ?それともいたずら?とりあえず扉を開けてみると、そこにはオレンジ色(5年生)の名札の美少女が3人も立っていた。普段から私に声を掛けてくる連中ではない。用件を尋ねてみると、以前私が理解啓発授業をしたときに、障害の疑似体験が出来る道具があることを紹介したのを思い出して、その体験をさせてほしいと言うのである。貴重な放課の時間にそんなことを思いつくこの子どもたちは素晴らしい!と感動しつつ、教室へ招き入れたのでした。教室のおもちゃで遊びたがる子どもはいるけれど、障害の疑似体験にやってくる子どもは珍しい。しかも、啓発授業をしてから既に夏休みを挟んで3ヶ月も経っている。きっとそのことがずっと頭に残っていたのでしょう。素敵です。
 彼女たちが特に興味を示したのは難聴体験と視覚障害の体験。自分たちの普段の感覚とのあまりの違いにびっくりしながら、「聞こえないってこんなに大変なんだ!」「見えにくいってこんなに怖いんだ!」と真面目な感想を述べていました。今の自分が健聴者であり目も見えて、毎日歩く廊下・階段だから多少のことでは「聞こえにくい・見えにくい」程度で済むけれど、これを使って全く知らないところへ行ったらどう思うか?と言う問いに「怖い!」と言ったきり沈黙。自分たちの想像以上の不便さに言葉を失った様子でした。
 相手の立場に立って考えることは大事ですが、障害そのものを体験することは出来ませんし、その障害そのものが障害者の方々の困りどころではない、ということは理解啓発の時にも触れました。そんな中で、貴重な休み時間を啓発の事後学習に自ら進んで充てるこの3人。ほんの少しでもこんな風に広まっていく様子を肌で感じることが出来るのは私にとってこの上ない幸せ。いつか、特別支援教育なんていう言葉さえもなくなって、こうすることが当たり前の世の中になってくれると良いな!と思いながら、20分という短い放課時間は終了していくのでした。素敵な美少女3人を見送りながら、これからも草の根活動を続けるぞと意欲を燃やす私です。
コメント
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