夢の翼with皇大26期生のブログ

私と関わる全ての人たちが繋がりあえるように、大学時代の思い出から現在の環境までをまとめて1つのブログにしちゃいました。

師匠の教え

2011-06-27 13:53:50 | 剣道
 夕べ、息子が一人で日本剣道形の稽古をしていたので、相手がほしかろうと、久々に木刀を握りました。参段の受験以来です。長男は来月初段を受験するのですが、まだ1本目しか稽古していません。先生方もお忙しく、昨日は先生方の都合で久しぶりに稽古がお休みの日曜日。自主的に稽古を始めたのは良いことだと、私も嬉しくなりまして、稽古相手を務めようと思い立ったわけです。初段は高校生の時に受験したのですが、その当時は剣道部に所属していましたので、一緒に受ける友達がいたはずでした。ところが自分は1級の昇級試験の1週間前に交通事故に遭い、半年遅れでの1級、さらに半年遅れで初段でしたから、私が受験する頃は同級生たちはみんな合格済み。ひとりぼっちで稽古をしていたのを覚えています。鏡を相手に稽古をしてもイメージが違うんですよ。形の講習会があったのでそれに参加するのに1000円支払い、それから受験するという状況でした。今も講習会はありますが、受験当日にものすごい人数で稽古するので、相方と息を合わせるのが大変です。そんな思い出があったので、なおさら我が子には力になってあげたくて、一緒に稽古したわけです。これでも大学時代、あの鷹尾先生の最後の指導学生でしたから、形の心意気とか、目指すところをしっかりとご教授いただいたのです。形には自信があります。そう思って勇んで始めたまでは良かったのですが、自分が形を演じるのと人に教えるのとは勝手が違うということをこんなにも思い知らされるとは……。体はしっかり形を覚えているんです。リズムよく動きます。が、しかし!一つ一つの動きを止めながら指導するのは難しい!!どちらの足が動いているのか分からなくなってくるんです!「違う!ここではこうだ!」と言いながら、自分も足が逆だったり、動き忘れていたりするんです。ましてや、相手はまだ1本目しか知らない素人。初段のクライマックス・3本目を教えるのは難しい!「見て覚えろ!」としか言えなくなってくるんです。あのとき師匠はどんな風に言葉で教えてくれたっけ?と必死で思い出しながら思い出をたぐるのですが、思えば当時の私は形だけなら5本目までは学習済みでしたから、師匠の細かなアドバイスのおかげで、その奥に潜む「形の心意気」や「気位」を教わって上達したのでした。素人の学生も多かったので、師匠のお相手として仕太刀を務めさせていただいたことは光栄ながら、ただ単に他の人たちより経験があるだけで選ばれていたわけで……。思い出話はこのくらいにして、我が子の稽古を通じて、人にものを教えることの難しさを痛感した次第です。教師としてそんなことは分かっていたつもりでいても、改めて自分の得意分野でこの様だと、日頃の修行が如何に足りないのかが分かります。師匠の教えの中に「直心是道場(じきしんこれどうじょう)」というお言葉があります。唯摩居士と光厳童子のやりとりの一説といわれていますが、「素直な心を持って修行・精進すれば、どこでも道場であり、修行の場となり得る」という意味だそうです。「剣心活人」「経文緯武」とともに鷹尾先生の教えの3大要素の一つだと思いますが、修行を積む者にとって一番大切な「心意気」を我が子にも伝えたい。そう思いながら、初段の試験日まで、親子で日本剣道形の修行が続きます。もちろんいつかは私も4段を目指して。授業は余談ばかりなりといわれないように頑張ります。
コメント
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