ある日のことである。二年生の子が通級してくる時間。うちの教室にはポケモンのカレンダーが貼ってある。一年間貼ってあるので、今月と来月で最後の一枚になっている。元々ポケモンにはあまり興味を示さず、むしろ将来の夢は「仮面ライダーになること」という子。その子が今頃になって、「あれはポケモンですね!?」と興奮しながら叫んでいる。好きだったらしい。まさか今まで気づかなかったわけでもあるまい。教室のロッカーにはポケモン指人形もあり、一度だけ遊んだこともある。だがさほど興味を示さず、いつも仮面ライダー人形に行くので、好きではないと思い込んでいた。来年用には今、高学年に流行りの「うる星やつらカレンダー」が用意してあり、既にボードにかけてある。こちらも一瞥しただけで、あまり興味を示さない様子。まぁ仮面ライダーには敵わないのだろう。ギーツカレンダーにしてやれば良かったかな?そう思いながらその日の一つ目のメニュー。折り紙のクリスマスツリー作り。発達障害の子どもたちにはとても苦手な項目である。二学期は苦手なことばかり取り組む約束だ。楽しみながら取り組めるように色々考えている。大きなクリスマスツリーを飾り付ける活動をやり終えて、次は自分のためのツリーを作るのだ。指示通りに紙を折ることは彼らにとって難しいが、楽しいことには全集中の常駐だ。この子も頑張って集中し続け、ようやくツリーを完成させることができた!これをタブレットで写真を撮って、次の活動、通級内だけの電子掲示板「ウイングツイッター」に投稿するのである。ところが、よほどツリーが気に入ったのか、出来上がったツリーを頭上に掲げて、本物のツリーの周りで小躍りしている。そこで私はメロディーを付けずに歌詞だけを台詞のように使って彼を窘めた。「あんまりソワソワしないで!あなたはいつでもキョロキョロ。よそ見をするのはやめてよ!私がいつでも一番!」すると、ピタッと止まって座席に着いた。そしてホワイトボードに貼ってある「うる星やつらカレンダー」を指差してニッコリ。何で四十年も前の歌の歌詞を聞いただけで今の新しいうる星やつらとリンクするんだ!?君はホントに二年生?8才?ましてや、夜中に放送中のうる星やつら。給食中のお昼の放送で今の新しい主題歌がかかっている。アニメ自体が高学年に流行っているのはわかるが。親御さんが好きなのか?だが二年生が「ラムのラブソング」を歌詞だけで分かるほど聴かせるとは思えない。夜中の放送にも使われてはいない。ということは、YouTube か。恐ろしい時代だな。いや、発達障害、奥が深い。
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