ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

直助溜池

2017-01-06 22:49:34 | 広島県
2016年12月25日 直助溜池
 
直助溜池は広島県世羅郡世羅町にある灌漑用重力式コンクリートダムで、ダム便覧によれば1956年(昭和31年)に建設されました。
ダム便覧では河川は江の川水系長田川となっていますが、実際に地図で確認すると長田川とはかなり離れており江の川水系戸張川源流部に位置しています。
 
京丸ダムから県道408号線を北上、世羅高原ふれあいロードと交差すると県道は隘路になりますが気にせず直進すると右手に折り返すように直助溜池へのダートの林道が分岐します。
今回は片道約1キロの林道を歩いて溜池に到達しました。
右岸から天端。
天端には轍が残っています。
 
上流面
コンクリート等での補強はありません。
 
右岸の斜樋
ずいぶん錆ついていますが、水が流れる音がしており現役で稼働しているようです。
 
天端から斜樋を遠望。
 
溜池は10万6000立米と小ぶりなサイズです。
 
右岸から天端
周辺は松林が続いておりマツタケ山になっています。
時期が時期なら多摩ナンバーで乗り付けた私は明らかに不審者です。
 
下流面。
 
左岸洪水吐。
 
世羅町は農水省の広島中部台地開拓建設事業で2基のダムが建設されるなど灌漑設備が整備・近代化されましたが、直助溜池は現在も戸張川下流域の安田地区の貴重な水源となっているようです。
 
3551 直助溜池(0766)
広島県世羅郡世羅町安田
江の川水系戸張川
 
16メートル
77メートル
管理者未確認
1956年

京丸ダム

2017-01-06 18:47:07 | 広島県
2016年12月25日 京丸ダム
 
京丸ダムは広島県世羅郡世羅町にある灌漑用重力式コンクリートダムで、農水省の広島中部台地開拓建設事業により1996年(平成8年)に建設され、広島中部台地土地改良施設管理組合が受託管理を行っています。
 
京丸ダムは県道408号線沿いにあり、簡単に到達することができます。
まずは下流から
クレストに3門の自由越流式洪水吐があり、右岸(写真左手)に利水放流設備があります。
 
右岸県道沿いにある管理事務所。
 
天端は車道で通行可能。
 
三角屋根の取水設備機械室
天端の照明のデザインもなかなかシック。
 
ダム湖(香竜湖)は総貯水容量49万9000立米と溜池並みの規模。
 
減勢工
右手は利水放流設備。
 
アングルを変えて。
 
越流面
薄く越流しています。
 
上流面。
 
 
1990 京丸ダム(0765)
広島県世羅郡世羅町京丸
芦田川水系京丸川
 
25.5メートル
117メートル
広島中部台地土地改良施設管理組合
1996年
◎治水協定が締結されたダム

神田大池

2017-01-06 17:43:43 | 広島県
2016年12月25日 神田大池
 
神田大池は広島県三原市大和町の芦田川源流部にある灌漑用アースダムで、1989年(平成元年)に広島県の事業で整備され神田土地改良区が管理を行っています。
 
神田大池は県道45号沿いにあり簡単に到達することができます。
右岸から上流面
コンクリートで補強されています。
 
天端は車両で進むことができますが、左岸の洪水吐で切れ落ちており行き止まり。
 
天端から
典型的な農村風景が広がります。
 
溜池の総貯水容量は55万立米で溜池としては比較的大きなサイズ。
 
右岸の斜樋。
 
堤体には阿弥陀様が鎮座。
 
左岸の洪水吐。
 
下流面。
 
斜樋からの底樋吐口
扇形のちょっと変わった分水工。
 
右岸側の用水路。
 
堤体直下から。
 
洪水吐ではきれいな鱗が見えました。
トンネルは仮排水路でしょうか?
 
全国的には非常に珍しい、一級河川本線上にある灌漑目的の溜池です。
 
追記
神田大池は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに19万7000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1964 神田大池(0764)
広島県三原市大和町萩原
芦田川水系芦田川
 
22.3メートル
119メートル
三原市大和町神田土地改良区
1989年
◎治水協定が締結されたダム

黒ボヤ池

2017-01-06 15:00:08 | 広島県
2016年12月25日 黒ボヤ池
 
黒ボヤ池は広島県東広島市福富町にある灌漑用アースダムで、1940年(昭和15年)に受益地区によって建設されました。現在は池の受益者で構成されるくろぼや溜池管理役員会が管理を行っています。
現地では『クロボヤ』の表記が一般的で『クロボヤ』とは『炭を焼く場所』の意だそうです。
黒ボヤ池の上流にあるクロボヤ渓谷は広島県では最大規模のシャクナゲの自生地として知られ開花時期には多くのハイカーや観光客が訪問するそうです。
 
県道33号から県道80号を北上し、上ノ原牧場を過ぎると分岐となりクロボヤ渓谷の表記に従って左手の道を取ればクロボヤ渓谷の駐車場に到着します。
クロボヤ渓谷の駐車場。
 
シャクナゲ自生地の説明板。
 
駐車場の手前に黒ボヤ池があります。
 
堤体中央の斜樋。
 
右岸の洪水吐。
 
アングルをかえて。
 
残念ながら堤体は立入禁止。
 
クロボヤ池の標識。
 
下流からの洪水吐。
 
シーズンオフなので人っ子一人いませんが、シャクナゲのシーズンは車両の進入規制が入るほどの多くのハイカーでにぎわうようです。
 
1937 黒ボヤ池(0763)
広島県東広島市福富町上竹仁
沼田川水系沼田川
 
15.5メートル
67メートル
くろぼや溜池管理役員会
1940年

大久保ダム

2017-01-06 14:07:22 | 広島県
2016年12月25日 大久保ダム
 
大久保ダムは広島県東広島市高屋町にある灌漑用アースダムで、広島県の事業で1974年(昭和49年)に建設され、東広島市が管理を行っています。
 
ダムは国道375号線沿いにあり、国道から堤体を正対することができます。
国道375号線から。
 
向かって右手は洪水吐導流部、左手は取水設備からの用水路
ダムの直下で合流します。
 
堤体上流面
コンクリートで補強されています。
 
天端
轍がありますが関係者以外立ち入り禁止。
 
左岸の洪水吐。
 
アングルをかえて。
 
斜樋を遠望。
 
ダム湖、総貯水容量25万5000立米。
 
堤体から
直下を国道375号線が通ります。
ダム下に円筒分水工があります。
 
1979 大久保ダム(0764)
広島県東広島市高屋町稲木
沼田川水系杵原川
 
26メートル
170メートル
東広島市
1974年

千丈ヶ原ダム

2017-01-06 13:08:10 | 広島県
2016年12月25日 千丈ヶ原ダム
 
千丈ヶ原ダムは広島県東広島市河内町、広島空港北側の三原市との境界近くにある灌漑用ロックフィルダムで広島県の事業で1997年(平成9年)に建設され東広島市が受託管理を行っています。ました。
 
空港から県道73号を西進してすぐに県道59号を北に折れ、元妻集落を右手に折れるとダムへの管理道路へ到着します。
管理道路は害獣防護ネットで遮られており、ここから徒歩で約1キロ歩きます。
 
左岸から下流面
大きめの石がきれいに積み上げられています。
 
右岸の斜樋機械室。
 
天端。
 
ダムの下流。
 
ダム湖
総貯水容量は11万3000立米と普通の溜池並みのサイズ。
 
左岸の洪水吐。
 
 
上流面も奇麗なロックフィル。
対岸に管理事務所があります。
 
洪水吐と上流面。
 
3090 千丈ヶ原ダム(0761)
広島県東広島市河内町入野
賀茂川水系葛子川
 
19メートル
98.5メートル
東広島市
1997年
◎治水協定が締結されたダム