2016年12月25日 三川ダム(再)
三川ダムは広島県世羅郡世羅町の芦田川中流にある多目的重力式コンクリートダムで農林省の『国営芦田川農業水利事業』の中核として1959年(昭和34年)に建設され完成後に広島県に移管されました。
その後、当時の日本鋼管(現JFE)が福山に高炉製鉄所建設を決定、工業用水、上水道の需要増加が見込まれたことから1968年(昭和43年)から堤高を5メートルかさ上げする再開発に着手、1973年(昭和48年)に再開発事業が竣工しました。
三川ダムは灌漑用水、工業用水、上水道の供給を目的とするほか、2016年(平成28年)には三川ダム小水力発電所が完成し管理用電力として最大出力130キロワットの発電を行っています。
広域農道の『世羅高原ふれあいロード』がダム下流を通っており堤体を直下から見上げることができます。
クレストは3門のローラーゲートでゲートビアには豪雪地帯のような屋根つきの操作棟が設置されています。
ゲートの左手(右岸)には取水設備が見えます。
アングルを変えて
右岸(向かって左)に完成したばかりの小水力発電所があります。
右岸から。
天端は車道で車両通行可能です。
減勢工は湾曲しており2基の副ダムのほか直線状のコンクリートが2本設置されています。
また導流壁を隔てて右岸側にはバブル部放流や利水放流からの導水路が設置されています。
白トビしていますが、右手の建屋は3月に完成したばかりの河川維持放流を利用した小水力発電所です。
ダム湖(神農湖)。
左岸から。
ダム湖左岸上流から
左から3門のローラーゲート、取水設備、管理事務所とインクライン
管理事務所の奥にはプラントが残ります。
管理事務所背後の丸い山は山口城址です。
再開発された三川ダムですが、洪水調節を持たないほか、水需要見通しの増加が想定をさらに上回ったため下流に新たに八田原ダムが建設されることになります。
追記
三川ダム(再)は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
1959 三川ダム(再)(0770)
広島県世羅郡世羅町伊尾
芦田川水系芦田川
AWI
G
53メートル
154.2メートル
12698㎥/12307㎥
広島県農林水産局
1959年竣工
1973年再開発
◎治水協定が締結されたダム