ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

三川ダム(再)

2017-01-08 16:30:06 | 広島県
2016年12月25日 三川ダム(再)
 
三川ダムは広島県世羅郡世羅町の芦田川中流にある多目的重力式コンクリートダムで農林省の『国営芦田川農業水利事業』の中核として1959年(昭和34年)に建設され完成後に広島県に移管されました。
その後、当時の日本鋼管(現JFE)が福山に高炉製鉄所建設を決定、工業用水、上水道の需要増加が見込まれたことから1968年(昭和43年)から堤高を5メートルかさ上げする再開発に着手、1973年(昭和48年)に再開発事業が竣工しました。
三川ダムは灌漑用水、工業用水、上水道の供給を目的とするほか、2016年(平成28年)には三川ダム小水力発電所が完成し管理用電力として最大出力130キロワットの発電を行っています。
 
広域農道の『世羅高原ふれあいロード』がダム下流を通っており堤体を直下から見上げることができます。
クレストは3門のローラーゲートでゲートビアには豪雪地帯のような屋根つきの操作棟が設置されています。
ゲートの左手(右岸)には取水設備が見えます。
 
アングルを変えて
右岸(向かって左)に完成したばかりの小水力発電所があります。
 
右岸から。
 
天端は車道で車両通行可能です。
 
減勢工は湾曲しており2基の副ダムのほか直線状のコンクリートが2本設置されています。
また導流壁を隔てて右岸側にはバブル部放流や利水放流からの導水路が設置されています。
白トビしていますが、右手の建屋は3月に完成したばかりの河川維持放流を利用した小水力発電所です。
 
ダム湖(神農湖)。
 
左岸から。
 
 
 
ダム湖左岸上流から
左から3門のローラーゲート、取水設備、管理事務所とインクライン
管理事務所の奥にはプラントが残ります。
管理事務所背後の丸い山は山口城址です。
 
再開発された三川ダムですが、洪水調節を持たないほか、水需要見通しの増加が想定をさらに上回ったため下流に新たに八田原ダムが建設されることになります。
 
追記
三川ダム(再)は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1959 三川ダム(再)(0770)
広島県世羅郡世羅町伊尾
芦田川水系芦田川
AWI
 
53メートル
154.2メートル
12698㎥/12307㎥
広島県農林水産局
1959年竣工
1973年再開発
◎治水協定が締結されたダム

山田川ダム

2017-01-08 15:16:58 | 広島県
2016年12月25日 山田川ダム
 
山田川ダムは広島県世羅郡世羅町の芦田川水系山田川にある広島県営の多目的重力式コンクリートダムで山田川総合開発事業の中核として2005年(平成17年)に竣工しました。
山田川の洪水調節、既得取水権への補強及び河川流量の維持、上水道の水源を目的としており、ダム湖の播磨湖の総貯水容量が70万立米ということで広島県初の生活貯水池となっています。
 
世羅町中心部から県道51号を北上し、山田川ダムの標識に従って県道56号を右折すると山田川ダムに到着します。
ダム右岸に駐車場があり管理事務所でダムカードをもらったあとダムを見学しました。
右岸上流から
クレストは2門の自由越流式洪水吐、中央にオリフィスゲートが見えます。
奥は取水設備です。
 
右岸から下流面。
堤体は左岸側が少し湾曲しています。
 
天端は車道で車両通行可能。
 
洪水吐
オリフィスから放流されています。
左手は利水放流設備の建屋。
 
ダム湖(播磨湖)は総貯水容量70立米で100万立米未満ということでいわゆる生活貯水池のカテゴリーです。
 
堤体は左岸側が湾曲しています。
 
左岸から下流面。
 
左岸から上流面
対岸に管理事務所があります。
 
ダム湖上流から。
 
堤体直下に下りることもできましたが、ちょうどもろ逆光となりいい写真を撮ることができませんでした。
 
追記
野間川ダムには46万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに2万1000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
3089 山田川ダム(0769)
広島県世羅郡世羅町別迫
芦田川水系山田川
FNW
 
32.1メートル
204.8メートル
広島県
2005年
◎治水協定が締結されたダム

板木溜池

2017-01-08 14:41:16 | 広島県
2016年12月25日 板木溜池
 
板木溜池は広島県三次市三和町にある灌漑用アースダムで、広島県の事業で1983年(昭和58年)に整備され土地改良区が管理を行っています。
 
三次市三和町中心街から県道52号~438号を進み板木ダムの標識に従って右折すると板木溜池に到着します。
ダム便覧では『板木溜池』となっていますが現地の標識や道路マップでは『板木ダム』と記載されています。
右岸にある竣工記念碑にも『板木ダム堰堤』と書かれています。
 
天端は関係者以外立ち入り禁止。
左岸にある洪水吐を見ることができません。
 
下流面
ダム周辺は松林が続きます。
 
洪水吐を遠望。
 
天端。
 
溜池は総貯水容量30万立米。
溜池の奥に湯船山キャンプ場がありますが、あまり利用されている風はありません。
 
右岸の斜樋。
 
下流面。
 
天端が立ち入り禁止のため洪水吐を間近で見ることができなかったのが残念です。
 
追記
板木溜池は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに10万4000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1986 板木溜池(0768)
広島県三次市三和町羽出庭
江の川水系板木川
 
33メートル
186メートル
三次市土地改良区
1983年
◎治水協定が締結されたダム

目谷ダム

2017-01-08 13:07:51 | 広島県
2016年12月25日 目谷ダム
 
目谷ダムは広島県世羅郡世羅町にあるロックフィルダムで、農水省の広島中部台地開拓建設事業により1986年(昭和61年)に建設され京丸ダムとともに広島中部台地土地改良施設管理組合が受託管理を行っています。
広島中部台地地区へ灌漑用水を供給するほか、目谷地区の上水道の水源にもなっています。
 
広域農道世羅高原ふれあいロードから県道407号を北上すると目谷ダム左岸に到着します。
左岸から天端へ通じる管理道路は関係者以外立ち入り禁止のため湖岸の樹間から上流面と洪水吐を遠望。
 
右岸の洪水吐と斜樋
奥は管理事務所。
 
ダム下流に回り込んでみます
洪水吐から越流しています。
 
堤体は地山を残してロックフィルが築造されています。
 
右岸から上流面。
 
 
残念ながら管理事務所のゲートが閉まり堤体に入ることができませんでした。
 
竣工記念碑
管理事務所前は小さな公園になっており桜が多数植えられています。
春には美しい眺めが広がるんでしょうね?
 
追記
目谷ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに5万6000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1989 目谷ダム(0767)
広島県世羅郡世羅町徳市
江の川水系黒渕川
AW
 
49.7メートル
250メートル
広島中部台地土地改良施設管理組合
1986年
◎治水協定が締結されたダム