ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

楢井ダム

2017-01-14 14:30:16 | 岡山県
2016年12月31日 楢井ダム
 
楢井ダムは岡山県高梁市松山の一級河川高梁川水系右の谷川にある岡山県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
右の谷川は高梁川の3次支流ですが、下流の佐与谷川流域では洪水や渇水が多く治水対策が求められていました。
一方岡山自動車建設に合わせてダム建設地点に隣接して工業団地が造成されるなど上工用水源確保が課題となります。
こうした状況を受け、岡山県は建設省(現国交省)の小規模ダム補助事業である生活貯水池事業を活用した多目的ダム建設を採択、1996年(平成8年)に竣工したのが楢井ダムです。
楢井ダムは建設省の補助を受けた補助多目的ダムで、右の谷川および佐与谷川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、高梁市松山地区への上工水の供給を目的としています。
 
ダム周辺はよく整備されておりダム湖上流に親水公園があるほかダム湖を周回する道路各所に駐車場があります。
ただ、ダムを下流から正対できるポイントはありません。
左岸から下流面
左右両岸にはフーチングが設けられ、中段から堤趾導流壁が設置されています。


天端は車両通行可能。


上流面。


天端から減勢工を見下ろすと
がっちりした導流壁が印象的、右手は放流設備
放流設備の右手はポンプ室か?


生活貯水池ダムということで総貯水容量47万立米の小さなダム湖。


建設着手がまだバブルの余韻が残る時期だったせいもあり、ダム周辺には手の込んだ装飾や意匠が目立ちます。
天端高欄には高梁市の武家屋敷のなまこ壁をモチーフにした装飾。


天端入り口には燈篭を模した照明。


照明もガス灯風。


竣工記念碑。


上流から
クレスト自由越流頂2門、自然調節式オリフィス1門を備えたゲートレスダム
水中に没していますが、ゲート右手に多孔式取水設備があります。


管理事務所もバブリーな雰囲気の凝ったデザイン。
職員の常駐はありません。


(追記)
楢井ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3088 楢井ダム(0803)
岡山県高梁市松山
高梁川水系右の谷川
FNWI
 
38.2メートル
92メートル
470千㎥/400千㎥
岡山県土木部
1996年
◎治水協定が締結されたダム

槙谷ダム

2017-01-14 02:09:16 | 岡山県
2016年12月31日 槙谷ダム
 
槙谷ダムは左岸が岡山県加賀郡吉備中央町、右岸が岡山県総社市境界の高梁川水系落合川上流部にある防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
1976年(昭和51年)に農林省(現農水省)の補助を受けた県営槇谷用水改良事業及び槇谷川防災ダム事業がスタート、同年事業着手され1988年(昭和63年)に竣工したのが槇谷ダムです。
槇谷ダムは落合川の洪水調節・落合川流域農地へのヵんがい用水の補給を目的としており、ダム完成後は総社市が受託管理を行っています。
 
槙谷ダムは県道307号線沿いにありアプローチは簡単です。
まずはダムの下流から
2門のオリフィスゲートから放流しています。
槙谷ダムは堤体にタッチできるます。
 
左岸上流から
クレストは自由越流式洪水吐が2門、その下にオリフィスゲートが2門
ゲートの右手に取水設備があります。
 
左岸の管理事務所とインクライン。
 
上流面。
 
天端は歩行者のみ通行可
ゲート部分だけわずかに高くなっています。
 
ダム湖
総貯水容量219万立米。
 
下流の眺め
減勢工には副ダムがあり、右岸は桜が植えられ公園になっています。
 
ダムは総社市と旧賀陽町(現吉備中央町)の境界になっています。
 
堤体右岸には『まきだにダム』の文字。
 
右岸から
取水設備。
 

(追記)
槇谷ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1906 槙谷ダム(0802)
岡山県加賀郡吉備中央町岨谷
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系落合川
FA
45メートル
140メートル
千㎥/千㎥
総社市
1988年
◎治水協定が締結されたダム


落合ダム

2017-01-14 01:03:21 | 岡山県
2016年12月31日 落合ダム
 
落合ダムは岡山県加茂郡吉備中央町の高梁川水系落合川源流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
農水省の補助を受けた岡山県の事業で1980年(昭和55年)に建設され、完成後は賀陽町が、合併後は新たに誕生した吉備中央町が受託管理を行っています。
 
岡山空港から広域農道の吉備高原街道をひたすら西進し県道307号線との交差点を過ぎると落合ダムを示す小さな標識があります。
ここを左折すると落合ダム左岸に到着します。
左岸から。
 
天端
ゲート部分だけ高くなっています。
 
右岸から。
 
浮き桟橋。
 
右岸から上流面
ゲートは自由越流式が1門
同じ町内の日山ダムとよく似た坊主ダムです。
ゲートの先は取水設備。
 
取水設備。
 
導流面と減勢工
左手は利水放流設備。
 
ダム湖。
 
ダム便覧には堤体直下からの写真が掲載されていますが、訪問時は堤体下に向かう道路は関係者以外立ち入り禁止になっていました。

(追記)
落合ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

 
(追記)
落合ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1897 落合ダム(0801)
岡山県加賀郡吉備中央町岨谷
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系落合川
35.7メートル
92メートル
千㎥/千㎥
吉備中央町
1980年
◎治水協定が締結された