2017年6月18日 床木ダム
床木ダムは大分県佐伯市弥生の一級河川番匠川水系床木川にある大分県営の治水目的の重力式コンクリートダムです。
急峻な山間部から谷あいの平野を流下して井崎川に注ぐ床木川流域では梅雨や台風による豪雨のたびに洪水被害をもたらしてきました。とりわけ1966年(昭和41年)8月の19号台風では壊滅的な被害が発生、抜本的な洪水対策を求める声が高まりました。
一方で、佐伯市一帯は瀬戸内海式気候の影響で年間降水量が2000ミリ程度と少なく、渇水による用水不足も頻発していました。
そこで大分県は治水・利水を目的とした多目的ダムの建設を進め、1985年(昭和60年)に床木川上流部に建設されたのが床木ダムです。
床木ダムは青江川の洪水調節と既得取水権への補給・安定した河川流量の保持を目的としています。
床木ダムは県道36号線沿いにありアプローチは簡単です。
今回は津久見から県道36号を南下、彦岳トンネルを抜けて床木ダムに至りました。
まずは下流から
クレストにずらっと並ぶ10門の自由越流式洪水吐が特徴で、堤体中央にはオリフィスゲートがあります。
下流面。
竣工記念碑。
ダムの説明板。
総貯水容量352万立米
右手に見える橋脚は東九州自動車です。
減勢工
利水放流設備から河川維持放流が行われています
ダム下右岸は公園になっており立ち入り可能です。
天端は車両通行可能
対岸に管理事務所があります。
上流面。
管理事務所に艇庫が併設されており、そこからインクラインが伸びています。
上流から。
大分の県ダムはどこも開放的かつ管理人さんの人柄が素晴らしいのですが、特に床木ダムの管理人さんは非常に素晴らしい方でした。
わざわざ東京から訪問したと話すと、周辺のお薦めの食事処や、日帰り入浴施設などダムに関係のないことまで親切に教えていただけました。
追記
床木ダムには263万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに3万1000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
2784 床木ダム(1060)
大分県佐伯市弥生床木
番匠川水系床木川
FN
G
58.5メートル
249メートル
大分県
1985年
◎治水協定が締結されたダム