ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

廻神溜池

2017-07-24 19:25:07 | 広島県
2017年7月16日 廻神溜池
 
廻神溜池は広島県三次市廻神町にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1959年(昭和34年)に農林省(現農水省)の事業によって建設されました。
廻神池周辺は現在富士三次カントリークラブのゴルフコースとなっており、池を見学するにはゴルフ場内に立ち入る必要があります。
訪問当日は連休の中日ということでプレイヤーが多く立ち入ることはできませんでした。
ゴルフ場西側の林道を進むと樹間から辛うじて溜池の写真を撮ることができます。
 
 
機会があれば平日にでもゴルフ場を訪問して、池を見せてもらえるか交渉してみたいと思います。
 
追記
廻神溜池は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに4万4000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1962 廻神溜池
広島県三次市廻神町
北緯34度44分46秒,東経132度52分49秒
江の川水系芋面川
18.6メートル
75メートル
144千㎥/144千㎥
二本松水利組合
1959年
◎治水協定が締結されたダム

長田大池

2017-07-24 16:31:04 | 広島県
2017年7月16日 長田大池
 
長田大池は広島県三次市三良坂町長田にある灌漑用アースダムで、ダム便覧では1949年(昭和24年)に広島県の事業で竣工と記載されています。
ところが現地の改修工事碑では1943年(昭和18年)に堤高40尺(約12メートル)で貯水開始、1977年(昭和52年)から3年の歳月をかけて改修工事を行い1980年(昭和55年)に竣工と記されています。
またダムの堤高および堤頂長についてもダム便覧では20メートル・70メートルとなっているのに対して、現地の記念碑ではそれぞれ16.2メートル・76メートルとなっています。
このブログでは一応ダム便覧に従っておくことにします。
現在池は受益者で構成される長田大溜池利用組合によって管理されています。
 
三次市三良坂から県道61号を南下し寄国で左折します。そのまま集落を抜け川沿いの道を進むとダートになるので念のためここに車を置いて数百メートル歩くと長田大池に到着します。
下流面
冬前に刈り払いしたんでしょうが、だいぶ草が伸びています。
 
右岸に建つ改修工事碑。
 
裏面には池の歴史が書かれています。
 
上流面
コンクリートで護岸されています。
 
天端も草が伸びてます。
 
右岸上流側にある取水設備?
他にそれらしきものがなかったのでたぶんこれがそうでしょう。
 
総貯水容量4万1000立米
大池という名前の割に小さな溜池です。
 
左岸から上流面。
 
左岸洪水吐
どこの溜池でもそうですが、この時期は枝葉が茂ってよく見えません。
 
3550 長田大池(1072)
広島県三次市三良坂町長田
北緯34度43分20秒,東経132度55分48秒
江の川水系仮屋谷川
20メートル
70メートル
41千㎥/40千㎥
長田大溜池利用組合
1949年

芝山池

2017-07-24 14:56:10 | 広島県
2017年7月16日 芝山池
 
芝山池は広島県庄原市東城町森にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1919年(大正8年)に広島県の事業で建設されました。ダム便覧には左岸所在地と高梁川水系とのみ記載され、具体的な緯度経度の記載はありません。
しかし東城町森地区にはダム便覧に記載された規模に相当する溜池は田殿集落の北西、飯山南山麓にある溜池1基しかありません。そして広島県の溜池防災ハザードマップにはこの池について『芝山池』と記載されていることから、この溜池を芝山池と断定しました。
実は今年5月の中国地方遠征で一度芝山池にはアタックしましたが、この時は詳細地図を持参せず池への到達を断念しました。
今回は国土地理院地形図のほか、グーグルマップ、グーグルの空撮写真を持参し万全の態勢での再チャレンジとなりました。
 
県道53号から田殿集落を抜け地図の緑の直線で示した林道を進んで池へ向かいましたが、この林道は池の左岸のはるか上を通り池へと降りることはできません。
改めて池の下流部分を探すと、池の下流から水路沿いに堤体直下に向かう小径があり(地図の赤の矢印方向)ようやく芝山池に到達することができました。
 
上記地図の赤い矢印方向に小径を進むと減勢工手前で分水工が現れます。
向かって右手が河川、手前方向に灌漑用水路が流れています。
 
奥に堤体が見え手前が減勢工となります。
一寸見づらいですが減勢工の右側に取水設備からの水が吐き出されています。
 
洪水吐導流部と堤体。
 
導流部をズームアップ。
 
下流面
天端へはこの斜面を登ります。
 
洪水吐。
 
天端から
池の受益地となる水田ははるか下流です。
 
総貯水容量6万9000立米の小さな溜池です。
 
草が覆って分かりづらいですがこの下に池栓があります。
 
天端と下流面はきれいに刈り払われています。
 
ダム便覧に経度緯度の記載はありませんでしたが比較的簡単に池の特定はできました。
ただ、池へのアプローチにかなり手間取り、この池だけで1時間半近く時間を食ってしまいました。
詳しい池の位置情報や写真はのちほどダム協会へと報告しようと思います。
 
追記
芝山池の位置情報をダム協会に提供した結果8月24日にダム便覧の位置情報が特定されました。
 
3694 芝山池(1071)
広島県庄原市東城町森
北緯34度57分18秒,東経133度11分01秒
高梁川水系田黒川
15.5メートル
50メートル
69千㎥/69千㎥
1919年

日古木大池

2017-07-24 02:26:03 | 岡山県
2017年7月15日 日古木大池
 
日古木大池は岡山県赤磐市日古木にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1974年(昭和49年)に岡山県の事業で建設されました。
ただ実際の起源は17世紀までさかのぼる歴史のある溜池で、従来あったため池が1974年の事業で改修されダム化となったというのが正しい表現かと思われます。
農水省の資料では池は土地改良区が管理を行っています。
 
山陽インターから県道37号を北上し新下市交差点を右折して県道253号を東進、中島交差点の分岐を左に取れば日古木大池に到着します。
まずは下流から
堤高は15.8メートルと高くはありませんが堤頂長は280メートルありかなり横長の溜池です。
 
堤体を車道が斜行しています。
 
日古木大池は左右両岸に洪水吐があります
こちらは右岸の洪水吐。
 
そのまま車道の下を潜り導流部を流下します。
 
天端はかなり草ぼうぼう
釣り師の車が何台か止まっていましたが写らないように撮影しました。
 
階段式斜樋。
 
総貯水容量42万9000立米と溜池としては比較的大きなサイズです
溜池上流は『岡山ネオポリス』として宅地開発されています。
 
上流面はコンクリートで護岸されていますが草が深くて・・・。
 
こちらは左岸の洪水吐。
 
同じ洪水吐を下流側から撮影。
 
右岸に竣工記念碑があったのですが、なんと撮影を失念するという大失態・・・
 
3493 日古木大池(1070)
ため池コード
岡山県赤磐市日古木
北緯34度46分09秒,東経134度02分04秒
旭川水系官ヶ谷川
15.6メートル
280メートル
429千㎥/421千㎥
管理者未確認
1974年